ゆうげんようそ‐ほう〔イウゲンエウソハフ〕【有限要素法】
有限要素法
【英】Finite Element Method, FEM
有限要素法とは、数値解析の手法のうち、対象を微小で単純な要素の集合体とみなして、各要素に分割して要素ごとの解析を行い、全体の挙動の近似値を求める手法のことである。
有限要素法では、解析対象を単純な要素のレベルまで分割して解析を行うため、計算対象が全体としては複雑な形状や性質を持っていても、比較的簡単な解析が適用可能であるという利点がある。また、より細かい要素へと分割すればするほど、解析の近似値の精度が向上する。ただし細かく分割した分だけ多くの計算処理を必要とする。
有限要素法は離散化を利用した代表的な解析手法の一つであり、CADなどにおける構造力学の分野をはじめとして、様々な問題に用いられている。
有限要素法
機械構造物など弾性体は無限の自由度をもつが、これを3角形や4角形で有限個の要素に分割し、各要素の力と変位の関係を求め、境界条件を考慮して結合することにより有限の自由度として、構造物全体を数値計算するコンピューターによる計算解析手法で、FEM解析とも呼ばれる。有限要素法は強度、剛性、変形、振動などの構造解析、音響現象、流体現象、熱伝導などの解析に用いられる。
有限要素法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/14 03:48 UTC 版)
数値解析 · シミュレーション
- 1 有限要素法とは
- 2 有限要素法の概要
有限要素法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/09 05:58 UTC 版)
構造物のすべての微小部分における変形と応力度を正確に求めることができる。床板や、不定形な形の構造物などによく用いられる。これは、コンピュータと専用のプログラムを用いて計算する。
※この「有限要素法」の解説は、「構造計算」の解説の一部です。
「有限要素法」を含む「構造計算」の記事については、「構造計算」の概要を参照ください。
有限要素法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/21 00:49 UTC 版)
ガラス溶融炉内のガラスの流れをモデル化するために、溶融ガラスの粘度、密度、熱伝導率、比熱、吸収スペクトル、その他の関連する特性についてのデータまたはモデルに基づいて、有限要素法が商業的に応用されている。 有限要素法はまた、ガラスの成形工程にも応用されることがある。
※この「有限要素法」の解説は、「ガラス特性の計算」の解説の一部です。
「有限要素法」を含む「ガラス特性の計算」の記事については、「ガラス特性の計算」の概要を参照ください。
有限要素法 (FEM)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/18 02:06 UTC 版)
「電磁場解析」の記事における「有限要素法 (FEM)」の解説
有限要素法(finite element method; FEM)では、まず適切な偏微分方程式(PDE)および境界条件から境界値問題を設定し、重み付き残差法により弱形式(積分汎関数)を導出する。次に、解析領域に有限個の計算点を定義し、その点を用いて解析領域を適切に分割する(線分、三角形、四面体などの形状関数を使う)。そして、ガラーキン法などで弱形式を離散化し、線形連立方程式を構築する。そして、最後にその連立方程式を解くことで、計算点における近似解を求める。 有限要素法は、定常状態の問題を解くことを基本とする。離散化において、スカラー場を計算する場合はスカラー形状関数を、ベクトル場を計算する場合はベクトル形状関数を用いる。しかし、ベクトル場を計算する方が煩雑になるため、スカラー場の計算で代用できる問題では、スカラー場を計算する方がよい。 偏微分方程式の数値計算は、解析に使う近似式を作り出すことが肝要である。有限要素法は要素分割の自由度が高いため、差分法(FDTD法)などと比べて精度が高くなる。電磁界解析を行う領域が複雑な領域であるか、要求される精度が全領域で変化する場合、有限要素法は偏微分方程式を解くための良い選択肢となる。 静電場などを計算する場合、支配方程式にはポアソン方程式が用いられ、これを定式化すると最終的には連立1次方程式ができる。また、電磁波などを計算する場合、支配方程式にはヘルムホルツ方程式が用いられ、これを定式化すると最終的には1次の固有方程式ができる。
※この「有限要素法 (FEM)」の解説は、「電磁場解析」の解説の一部です。
「有限要素法 (FEM)」を含む「電磁場解析」の記事については、「電磁場解析」の概要を参照ください。
- 有限要素法のページへのリンク