ベクトル場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/11 07:27 UTC 版)
ベクトル場(ベクトルば、英: vector field)とは、数学において、幾何学的な空間の広がりの中でベクトル的な量の分布を表すものである。単純化された設定のもとではベクトル場はユークリッド空間 Rn (またはその開集合)からベクトル空間 Rn への関数として与えられる。(局所的な)座標系のもとでベクトル場を表示するときは座標に対してベクトルを与えるような関数を考えることになるが、座標系を変更したときにこの関数は一定の規則に従って変換を受けることが要請される。
- 1 ベクトル場とは
- 2 ベクトル場の概要
- 3 流れ
- 4 物理学におけるベクトル場の例
ベクトル場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/12/02 20:00 UTC 版)
x -y -z 空間で定義されたベクトル場X をx -y -z 座標系について表示すると X ( x , y , z ) = ( X x ( x , y , z ) X y ( x , y , z ) X z ( x , y , z ) ) {\displaystyle \mathbf {X} (x,y,z)=\left({\begin{array}{c}{X}_{x}(x,y,z)\\{X}_{y}(x,y,z)\\{X}_{z}(x,y,z)\\\end{array}}\right)} (4-1-1) { X r = X ⋅ N r X θ = X ⋅ N θ X ζ = X ⋅ N z {\displaystyle \left\{{\begin{matrix}{{X}_{r}}=\mathbf {X} \cdot {{\mathbf {N} }_{r}}\\{{X}_{\theta }}=\mathbf {X} \cdot {{\mathbf {N} }_{\theta }}\\{{X}_{\zeta }}=\mathbf {X} \cdot {{\mathbf {N} }_{z}}\\\end{matrix}}\right.} (4-1-2) { X r ( r , θ , ζ ) = X ( Φ ( r , θ , ζ ) ) ⋅ N r ( r , θ , ζ ) X θ ( r , θ , ζ ) = X ( Φ ( r , θ , ζ ) ) ⋅ N θ ( r , θ , ζ ) X ζ ( r , θ , ζ ) = X ( Φ ( r , θ , ζ ) ) ⋅ N ζ ( r , θ , ζ ) {\displaystyle \left\{{\begin{matrix}X_{r}(r,\theta ,\zeta )=\mathbf {X} \left(\Phi (r,\theta ,\zeta )\right)\cdot {\mathbf {N} _{r}}(r,\theta ,\zeta )\\X_{\theta }(r,\theta ,\zeta )=\mathbf {X} \left(\Phi (r,\theta ,\zeta )\right)\cdot {\mathbf {N} _{\theta }}(r,\theta ,\zeta )\\X_{\zeta }(r,\theta ,\zeta )=\mathbf {X} \left(\Phi (r,\theta ,\zeta )\right)\cdot {\mathbf {N} _{\zeta }}(r,\theta ,\zeta )\end{matrix}}\right.} (4-1-3) である。ここで、・は内積を意味する。定義式(4-1-3)から明らかなように、これらの定義域はr -θ-ζ空間全域(r = 0 となる点を含む)である。 ここで以下が成立する。” ∘ {\displaystyle \circ } ”は、合成関数の意味である。 { X r = ( X x ∘ Φ ) cos θ + ( X y ∘ Φ ) sin θ X θ = − ( X x ∘ Φ ) sin θ + ( X y ∘ Φ ) cos θ X ζ = X z ∘ Φ {\displaystyle \left\{{\begin{array}{*{35}{l}}{{X}_{r}}=({X}_{x}\circ \Phi )\cos \theta +({X}_{y}\circ \Phi )\sin \theta \\{{X}_{\theta }}=-({X}_{x}\circ \Phi )\sin \theta +({X}_{y}\circ \Phi )\cos \theta \\{{X}_{\zeta }}={{X}_{z}\circ \Phi }\\\end{array}}\right.} (4-1-4) { X x ∘ Φ = X r cos θ − X θ sin θ X y ∘ Φ = X r sin θ + X θ cos θ X z ∘ Φ = X ζ {\displaystyle \left\{{\begin{array}{*{35}{l}}{{X}_{x}}\circ \Phi ={{X}_{r}}\cos \theta -{{X}_{\theta }}\sin \theta \\{{X}_{y}}\circ \Phi ={{X}_{r}}\sin \theta +{{X}_{\theta }}\cos \theta \\{{X}_{z}}\circ \Phi ={{X}_{\zeta }}\\\end{array}}\right.} (4-1-5) が分かる。 また、次の等式がr = 0 となる点を含むすべての (r , θ, ζ) に対して成立する。 X ( Φ ( r , θ , z ) ) = ( X r N r ) ( r , θ , z ) + ( X θ N θ ) ( r , θ , z ) + ( X z N z ) ( r , θ , z ) {\displaystyle \mathbf {X} (\Phi (r,\theta ,z))=({{X}_{r}}{{\mathbf {N} }_{r}})(r,\theta ,z)+({{X}_{\theta }}{{\mathbf {N} }_{\theta }})(r,\theta ,z)+({{X}_{z}}{{\mathbf {N} }_{z}})(r,\theta ,z)} (4-1-6) 式(4-1-6)を、ベクトル場の円柱座標表示という。より正確な言い方をすると、「x -y -z 空間で定義されたベクトル場X の円柱座標表示」という。
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ベクトル場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/17 05:35 UTC 版)
接ベクトルの多様体の各点への滑らかな割り当てはベクトル場 (vector field) と呼ばれる。具体的には、多様体 M 上のベクトル場は滑らかな写像 V : M → T M {\displaystyle V\colon M\to TM} であって、Vx と表記される x の像が x における接空間 TxM にあるようなものである。ファイバー束の言葉でいえば、そのような写像は断面 (section) と呼ばれる。M 上のベクトル場はしたがって M の接束の断面である。 M 上のすべてのベクトル場の集合は Γ(TM) によって表記される。ベクトル場は点ごとに足し合わせることができ ( V + W ) x = V x + W x {\displaystyle (V+W)_{x}=V_{x}+W_{x}} M 上の滑らかな関数を掛けることができ ( f V ) x = f ( x ) V x {\displaystyle (fV)_{x}=f(x)V_{x}} 別のベクトル場を得る。するとすべてのベクトル場の集合 Γ(TM) は M 上の滑らかな関数の可換環、C∞(M) と表記される、上の加群の構造をもつ。 M 上の局所ベクトル場は接束の局所断面 (local section) である。つまり、局所ベクトル場は M のある開集合 U 上でだけ定義され、U の各点に伴う接束のベクトルを割り当てる。M 上の局所ベクトル場全体の集合は M 上の実ベクトル空間の層として知られている構造をなす。
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