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数値解析

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/02/03 13:42 UTC 版)

(数値計算 から転送)

バビロニア粘土板 YBC 7289 (紀元前1800-1600年頃)
2の平方根の近似値は60進法で4桁、10進法では約6桁に相当する。1 + 24/60 + 51/602 + 10/603 = 1.41421296... [1]。(Image by Bill Casselman)

数値解析(すうちかいせき、Numerical Analysis)は、数学および物理学の一分野で、代数的に解を得ることが不可能な解析学上の問題を近似的に解く手法に関する学問。

史上最初の数学的記述の一つとして、バビロニア粘土板 YBC 7289 を挙げることができる。これは六十進法\sqrt{2} (単位矩形の対角線の長さ)を数値的に近似したものである[1]三角形の長さを計算できること(そして、平方根を計算できること)は、特に建築において重要である。例えば、縦横それぞれ2メートルの正方形の壁の対角線\sqrt{8} \approx 2.83 メートルとなる[2]

数値解析は、このような実用的計算の長い伝統に続くものである。バビロニアの \sqrt{2} の近似のように、現代の数値解析も正確な解を求めようとするものではない。何故なら、正確な解を有限時間で求めることは不可能だからである。その代わりに、数値解析の多くは、ある程度の誤差の範囲内の近似解を求めようとする。

数値解析は自然科学および工学のあらゆる分野で応用され、21世紀に入ってからは生命科学や芸術にも科学技術計算が利用されるようになってきた。常微分方程式天体(惑星、恒星、小宇宙)の軌道の計算に登場する。資産管理には最適化が利用されている。数値線型代数はデータ解析に不可欠である。確率微分方程式マルコフ連鎖は、医学や生物学における生体細胞のシミュレーションの基本である。

コンピュータが発明される以前、数値的な手法は巨大な数表を使った手計算での内挿によるものが多かった。コンピュータの発達以降は数表が使われることはほとんどなくなり、コンピュータで必要な関数を必要な精度で計算できるようになった。内挿アルゴリズムは、微分方程式などを解く際に現在でも使用されている。




  1. ^ Photograph, illustration, and description of the root(2) tablet from the Yale Babylonian Collection
  2. ^ ピタゴラスの定理によれば、各辺が2メートルの正方形の対角線の長さは \sqrt{2^2+2^2}=\sqrt{8} メートルとなる。
  3. ^ これは x = (x2 − 2)2 + x = f(x) という方程式についての不動点反復法である。この方程式の解には \sqrt{2} もある。f(x)\geq x なので、反復は常に右方向に向かう。そのため、x_1=1.4<\sqrt{2} では収束するが、x_1=1.42>\sqrt{2} では発散する。
  4. ^ The Singular Value Decomposition and Its Applications in Image Compression
  5. ^ Speed comparison of various number crunching packages


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