日本酒に関する単位
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 22:44 UTC 版)
1升(しょう)=10合(ごう)=1.8リットル 1石(こく)=10斗(と)=100升 これらの容積単位は全て日本の単位系である尺貫法の一部である。 1升とは、酒屋などでごく普通に目にする日本酒の大瓶、すなわち一升瓶に入る容量である。1901年(明治34年)に白鶴が一升瓶で日本酒を販売するようになって以来、百年余りにわたって主流を占めてきた。近年では、その大きさやつきまとうイメージの泥臭さなどが消費減退の理由だと唱える人々がおり、小型化する傾向もある(参照:#日本酒の製法)。 いわゆる中瓶は四合瓶で、文字通り4合(720ミリリットル)入る。 酒蔵では、18リットル入る斗瓶を使っており、消費者が販売店で見る「斗瓶囲い」といった記載表示はそれに由来する(参照:#その他の表示)。 石(こく)は、主に酒蔵の生産量を示すのに用いられる。これも極めておおざっぱな目安であるが、一般の小さな酒蔵だと年間500石、大手の酒蔵で年間5,000石以上といったところである。 当然ではあるが、生産石高と生産される酒質には何の相関関係もない。 荷(か) 「荷」は、主に酒の陸上輸送に使われた単位である。人足が酒樽を天秤棒(てんびんぼう)で前後に1個ずつ担いだことに由来する。 「荷」の表現は中世の公家や僧侶の日記に頻出の表現であり、「樽一荷」で酒二樽を意味するようになった。近世頃まで使用された表現で、江戸時代には二斗樽2つを一荷とした。 駄(だ) 江戸時代に酒樽が大型化し、「伝馬の制」の駄馬の積載量上限である四十貫に合わせ、四斗樽2樽を駄馬に積載し、これを一駄とした。以降10駄を一単位として酒価等を表示することが慣例化した。半分の一樽は片馬と称した。近世から明治以降の近代に至るまで使用された単位である。 1盃(はい) 現代では、挨拶などで「一杯やりましょう」と発言してもそれは、ワイングラスやコップなどの入れ物で「1杯」という意味には必ずしもならない。さかのぼって江戸時代以前は、「一盃」はれっきとした容積単位であった。ただ、地方や藩によって違いがあり、厳密なものではなかった。豊臣秀吉が太閤検地を行った際に度量衡の基準を示し、容積についても「京枡(きょうます)」を定めた。ところが、江戸時代になっても東北地方の藩などに普及しなかった。 小差はあっても概して「100盃=(約)4斗」であったというから、「1盃=(約)720ミリリットル」ということになり、4合瓶やワイン1本と同じくらいの分量ということになる。当時は「一盃」飲むとなると、4合瓶を飲み干すことを意味したのである。[要出典] 献(こん) 現在では「一献やりましょう」というように、「一緒に酒を飲む」という意味で用いられる。古くは一盃になみなみと酒を満たし、酒席をぐるりとひと回りするのが「一献」であった。例えば「宴が三献ほどしたら」というような表現があった。 勺(しゃく) 1升=10合=100勺 1勺は約18ミリリットル。
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