戦局の行き詰まり・東條首相罵倒事件・求心力の低下とは? わかりやすく解説

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戦局の行き詰まり・東條首相罵倒事件・求心力の低下

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 14:49 UTC 版)

東條英機」の記事における「戦局の行き詰まり・東條首相罵倒事件・求心力の低下」の解説

緒戦日本軍の快進撃も、日本軍予想上回るスピード勝ち進んだ結果占領地域が東南アジア一帯伸びたばかりか戦線国力超えるアメリカ本土沿岸からアフリカ沿岸オーストラリアにまで伸びたことや、ミッドウェイ海戦敗北によりその勢い陰り見せ始める。さらに1943年に入るとヨーロッパアフリカ戦線ではドイツ国防軍が完全に劣勢に回り、さらにイタリア王国連合国に対して降伏するなど、やがて大戦末期には日本は1国でイギリスアメリカオーストラリアニュージーランドはじめとする複数連合国対峙することを余儀なくされた。 参謀本部戦局打開するため、オーストラリア孤立化させる目的FS作戦等を考案しガダルカナル島確保するべく海軍はこの付近に大兵力を投入する作戦出た陸軍にも応援要請しておこなわれた過去3度にわたる島争奪作戦はいずれ失敗する多く海戦おこなわれ第一次ソロモン海戦南太平洋海戦などでは日本側はアメリカ軍オーストラリア軍多く軍艦撃沈撃破した。しかし日本側の損害少なくなく、とくに日本側の陸軍輸送船団ガダルカナル到着以前にその多く撃沈され、輸送作戦のほとんどが失敗終わったこのためガダルカナル方面日本軍地上部隊極度食糧不足弾薬不足に陥り、作戦どころの話ではなくなってしまった。しかし参謀本部海軍連携してさらなる大兵力をガダルカナル送り込もう計画する参謀本部民間輸送船大幅に割くことを政府要求する東條はそれを拒否する。元々東條ガダルカナル方面作戦には補給不安などから反対であった過去投入した輸送船団援護少ないこともあり輸送作戦成功可能性少なく、また参謀本部要求を通すと国内軍事生産国民生活維持できなくなるためである。 東條反対に怒った参謀本部作戦部長・田中新一閣議待合室12月5日東條見解主張する陸軍軍務局長佐藤賢了討論の末とうとう殴り合いになった。さらに田中翌日首相官邸直談判出向いて激論を展開、東條政府側に向かって馬鹿野郎」と暴言吐いた東條冷静に何をいいますか。統帥根本服従にある。しかるにその根源たる統帥部の重責にある者として、自己の職責忠実なことは結構だが、もう少し慎まねば」と穏やかに諭した。これを受け参謀本部田中辞表を書かせ南方軍司令部転属させたが、代わりにガダルカナル方面作戦予算・増船を政府側に認めさせた。しかしガダルカナル作戦はさらに行き詰まり1943年昭和18年2月にはガ島撤退確定するその後日本軍海戦においてアメリカ軍イギリス軍オーストラリア軍勝利を重ね、さらにオーストラリアへ空襲続けるなど各地連合国軍に対して優勢に戦い進めたものの、ニューギニア方面陸軍輸送船団送られたがその多く連合国軍撃沈され、南方方面日本軍この年の末には各地補給不足に陥ることになった。また緒戦敗北多く船舶航空機失ったアメリカは、これを補うための軍事生産力の大拡充計画スタートさせ、同年中頃にはこの結果出てくることになった。これにアジア太平洋地域展開していたイギリスオーストラリアニュージーランド中華民国の軍事力を合わせる日本連合国軍軍事力明らかな開き現れ始めた1943年昭和18年)と1944年昭和19年)を通して日本鉄鋼生産628トン航空機生産44,873機、新規就役空母正規空母5隻・軽空母護衛空母)4隻だったのに対しアメリカ鉄鋼生産1億6,800トン航空機生産182,216機、新規就役空母正規空母14隻、軽空母65隻に達した加えてレンドリースによって他の連合国にも大量兵器物資供給していた。また技術面でもF6Fヨーロッパ戦線活躍していたP47登場し1944年に入るとイギリス製のエンジン搭載したP51などの新戦闘機アメリカ側登場、また戦前軽視していた電子戦分野でその差は顕著に現れレーダーソナーVT信管などの開発においてもイギリスアメリカ格段に優位をみせていく。これらの状況を受け、開戦から2年間を経た1944年に入ると、各地での日本軍連合国軍攻勢は完全に逆転することになる。 このように日本軍各方面次第押され始めた1943年8月頃から、東條戦争指導力を疑問視する見解各方面強くなり始め後述中野正剛らによる内閣倒閣運動なども起きたが、東條憲兵隊の力でもってこれら反対運動押さえつけた(中野正剛事件)。

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