F6Fとは? わかりやすく解説

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【F6F】(えふろくえふ)

Grumman F6F "Hellcat(ヘルキャット)".

グラマン社開発し第二次世界大戦中盤以降使用され艦上戦闘機
海軍航空隊主力戦闘機だったF4Fワイルドキャット」の後継機として1938年から開発開始され1942年原型機初飛行
翌年日本軍対峙する太平洋戦線から実戦配備された。

機体低翼配置主翼油圧式引き込み脚を持ち生存率高めるため操縦席周りには装甲板防弾処理され風防有していた。
また、燃料搭載量F4F二倍となっており、さらに胴体下にも増槽装備することができた。

性能面では突出したものこそ持っていなかったが、どんなパイロットに対応できる良好な操縦応答性構造頑丈さを併せ持ち一方でその見た目反し日本軍パイロットに一目置かれるほどの良好な運動性能持っていた。

戦歴では大戦中盤以降F4Uと共に機動部隊主力戦闘機として活躍陸軍P-38P-47、P-51と共に零戦擁する日本軍から航空優勢奪取した
また、対潜攻撃ではTBF/TBM「アベンジャー雷撃機組んでハンターキラーハンター役を担当しレーダー搭載したタイプ夜間戦闘機としても活躍した

第二次世界大戦終盤にはF4U配備によって第一線から引き上げられ終結後フランスはじめとする西側諸国売却され各国運用された。

スペックデータ

乗員1名
全長10.24m
全高4.11m
全幅13.06m
主翼面積31m㎡
重量
空虚/運用
4,190kg/5,714kg
最大離陸重量6,990kg
エンジンP&W R-2800-10W「ダブルワスプ」空冷星形複列18気筒離昇2,000hp)×1基
最高速度612km/h(高度7,100m
航続距離1,520~2,500km
固定武装M2 12.7mm機関銃×6門
爆装2インチまたは5インチロケット弾×6発または1,000lb(454kg)爆弾×2発など
IMG_8844.jpg
Photo:MASDF

派生型


F6F (航空機)

(F6F から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/06 02:04 UTC 版)

F6F ヘルキャット


注釈

  1. ^ 編隊空戦訓練不十分のままフィリピンで戦った、341空の竹村中尉は「機銃の口径だけは紫電が大きいが、運動性はF6Fの方が上」と評している。
  2. ^ 当時の戦闘機パイロットの平均飛行時間は300~500時間程度であった。これは現代のジェット戦闘機のパイロットにとっては実戦に参加できないレベルであり、アマチュアパイロットとしても少ない部類である。
  3. ^ 例えば坂井三郎は、零戦でF6Fと戦った体験を「ここまで零戦の旋回に付いて来られる奴は今までなかった」「他の奴ならとっくに撃墜している」と回想している。
  4. ^ スペックを見るに日本海軍の紫電改のほうが低速であるが、実際にはF6Fのほうが低速だったことについては複数証言がある。総じて日本の機体は戦後のアメリカ軍のテストにおいて、日本の公試結果を上回る速度性能を示している。
  5. ^ 搭載可能燃料は機体内燃料タンクに250gal (946ℓ)、落下増槽タンクを150gal (568ℓ)×3の合計700gal (2,650ℓ)
  6. ^ 100fpm R/Cでの実用上昇限度
  7. ^ a b 航続距離はF6F-3/3N/5では燃料消費量+5%、F6F-5Nでは燃料消費量+15%の補正後に算出されている
  8. ^ 搭載可能燃料は機体内燃料タンクに250gal (946ℓ)、落下増槽タンクを150gal (568ℓ)×3の合計700gal (2,650ℓ)
  9. ^ F6F-5は500fpm R/C、F6F-5Nは100fpm R/Cでの実用上昇限度
  10. ^ アメリカ海軍10位の撃墜王であったアーサー・レイ・ホーキンスが搭乗したとされることがあるが、実際にホーキンスが搭乗していたのは白い12のマーキングがされたF6F-5 / 58937号機である。

出典

  1. ^ a b c d The Grumman F6F Hellcat & F8F Bearcat (英語)
  2. ^ Warbird Alley Grumman F6F Hellcat (英語)
  3. ^ 『万有ガイド・シリーズ 5⃣ 航空機 第二次大戦 II』93頁
  4. ^ 万有ガイド・シリーズ 5⃣ 航空機 第二次大戦 II』94頁
  5. ^ 『万有ガイド・シリーズ 5⃣ 航空機 第二次大戦 II』94頁
  6. ^ Treadwell, Terry. Ironworks: Grumman's Fighting Aeroplanes. Shrewsbury, UK: Airlife Publishers, 1990. ISBN 1-85310-070-6
  7. ^ 宮崎勇『還って来た紫電改 紫電改戦闘機隊物語』(光人社、1993)85頁
  8. ^ 『万有ガイド・シリーズ 5⃣ 航空機 第二次大戦 II』93~94頁
  9. ^ 零戦「無敵神話」が崩壊した日、歴戦の搭乗員が前線で見たもの(神立 尚紀) - 現代ビジネス
  10. ^ 宮崎勇『還って来た紫電改 紫電改戦闘機隊物語』(光人社、1993)135-136頁
  11. ^ 『零戦搭乗員空戦記』(光人社、2000)19頁、1943年12月27日小八重幸太郎の戦闘。
  12. ^ Barrett., Tillman, (2002). Corsair : the F4U in World War II and Korea. Annapolis, Md.: Naval Institute Press. ISBN 1557509948. OCLC 48515565. https://www.worldcat.org/oclc/48515565 
  13. ^ W., Bowman, Martin (2002). Vought F4U Corsair. Marlborough: Crowood. ISBN 1861264925. OCLC 48931986. https://www.worldcat.org/oclc/48931986 
  14. ^ TAIC Report No. 17 November 1944 - Combat Evaluation of Zeke 52 with F4U-1D, F6F-5 and FM-2
  15. ^ https://www.scribd.com/document/324696219/Flight-Test-Comparison
  16. ^ 押尾一彦、野原茂『日本軍鹵獲機秘録』光人社、2002年、140頁。ISBN 978-4769810476 
  17. ^ Pacific Wrecks
  18. ^ 押尾一彦、野原茂『日本軍鹵獲機秘録』光人社、2002年、135-136頁。ISBN 978-4769810476 
  19. ^ Appendix 1: Aircraft Data--Technical Information and Drawings, BG to F9F (F-9) ドキュメント番号17,18
  20. ^ Jackson, Robert. Air War Korea 1950–1953. Shrewsbury, UK: Airlife Publishing, 1998. ISBN 1-85310-880-4. p126
  21. ^ Hellcat FlyPast
  22. ^ Norton 2008, p. 38.
  23. ^ F6F-3 Hellcat Specifications AIRPLANE CHARACTERISTICS & PERFORMANCE
  24. ^ F6F-3N Hellcat Specifications AIRPLANE CHARACTERISTICS & PERFORMANCE
  25. ^ a b F6F-3/3N/5/5N:Propeller:HAMILTON STANDARD C.S.、Blade:No.6501A-0 (×3)、Diameter:13ft 1in (3.99m)、Area:12.49m²
  26. ^ a b PILOTS HANDBOOK OF OPERATING INSTRUCTIONS FOR NAVY MODELS F6F-3,F6F-3N,F6F-5,F6F-5N AIRPLANES
    Pilot's Handbook for NAVY MODEL F6F-3・F6F-3N・F6F-5・F6F-5N Airplanes
  27. ^ F6F-5 Hellcat Specifications STANDARD AIRCRAFT CHARACTERISTICS
  28. ^ F6F-5N Hellcat Specifications AIRPLANE CHARACTERISTICS & PERFORMANCE




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