国際的名声の獲得とは? わかりやすく解説

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国際的名声の獲得

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 12:19 UTC 版)

黒澤明」の記事における「国際的名声の獲得」の解説

1950年黒澤松竹で『醜聞』を監督後、大映から再び映画製作依頼されて『羅生門』を監督した。この作品橋本忍芥川龍之介短編小説藪の中』を脚色したシナリオ元にしており、武士の殺害事件をめぐり関係者の証言全部食い違い、その真相杳として分からないという内容だった。しかし、その内容だけでは長編映画として短すぎるため、黒澤が同じ芥川短編小説羅生門』のエピソードなど付け足して脚本完成させた。作品はその年度の大映作品で4位の興行成績収めたが、批評家の評価はあまり芳しいものではなかった。しかし、1951年9月ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞し、さらに第24回アカデミー賞名誉賞受賞するなど、海外相次ぐ賞賛受けた黒澤映画祭出品されたことすら知らず釣り帰りに妻から連絡受けたという。『羅生門』は欧米日本映画注目するきっかけとなり、日本映画海外進出する契機にもなった。また、複数登場人物視点から1つ物語を描く話法は、同作映画物語手法一つとなり、多く作品繰り返し使われることになった。 その次に松竹監督した白痴』(1951年)は、黒澤学生時代から傾倒するフョードル・ドストエフスキー同名小説原作で、黒澤にとって長年の夢となる映画化だったが、4時25分に及ぶ完成作品会社側の意向大幅短縮され激怒した黒澤山本宛ての手紙に「こんな切り方をする位だったらフィルム縦に切ってくれたらいい」と訴えた日本批評家には悉く酷評されたが、ドストエフスキー本場ソ連では高く評価された。これが最後映画芸術協会での他社作品となり、1951年東宝争議疲弊していた製作部門を再建するため、黒澤など映画芸術協会監督専属契約結んだ東宝復帰第1作である『生きる』(1952年)はキネマ旬報ベスト・テンの1位に選ばれるなど高い評価を受け、第4回ベルリン国際映画祭ではベルリン市政府特別賞受賞した黒澤次に本物時代劇作ろう意気込み橋本と『侍の一日』を構想するが資料不足で断念し盗賊からを守るために百姓が侍を雇うという話を元にして『七人の侍』(1954年)の脚本執筆した撮影1953年5月開始したが、製作費と撮影日数予定より大幅超過し最終的に撮影日数は約11ヶ月に及び、通常作品の5倍以上にあたる予算計上した作品興行的に大成功したが、公開当時国内では必ずしも高評価を受けることはなかった。ヴェネツィア国際映画祭出品される銀獅子賞受賞しその後日本国内でも国外で映画史上の名作として高く評価されるようになり、2018年イギリスBBC発表した史上最高の外国語映画ベスト100」で1位に選ばれた。 1955年2月黒澤カンヌ国際映画祭審査員要請される辞退した。『生きものの記録』(1955年)の完成後、黒澤東宝3本契約残していたが、それらを「時代劇三部作」として企画し、自らのプロデュース若手監督に作らせようとした1本目の『蜘蛛巣城』(1957年)はシェイクスピア『マクベス』翻案だが、大作映画になるため黒澤監督することになった結局、残る2本も黒澤監督することで話が進み2本目ゴーリキー原作の『どん底』(1957年)を監督したこの間海外合作オムニバス映画嫉妬』に参加する話があり、能の「鉄輪」を題材にしたエピソード企画する製作中止となった1957年10月黒澤ロンドンのナショナル・フィルム・シアター(英語版)の開館式に招待され初めての海外渡航行った10月15日開館式では、映画芸術貢献した映画人としてジョン・フォードルネ・クレールヴィットリオ・デ・シーカローレンス・オリヴィエとともに表彰された。その翌日には第1回ロンドン映画祭開会式出席し、『蜘蛛巣城』がオープニング上映された。黒澤フォード尊敬し彼の作品から影響受けたことを公言していたが、ロンドン滞在中にフォード初め会い、『ギデオン』の撮影現場訪問したり、昼食共にするなどの交友持った。その次にパリ渡りシネマテーク・フランセーズ訪問したり、ジャン・ルノワール夕食を共にしたりして過ごした黒澤はこの旅行通して映画芸術として認知されていることを直に知り映画人として強い自負を持つようになった。これ以後黒澤日本の政治映画に無関心であることや、映画産業対す危機感事あるごとに言及するようになった

※この「国際的名声の獲得」の解説は、「黒澤明」の解説の一部です。
「国際的名声の獲得」を含む「黒澤明」の記事については、「黒澤明」の概要を参照ください。

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