中宮寺跡とは? わかりやすく解説

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中宮寺跡

名称: 中宮寺跡
ふりがな ちゅうぐうじあと
種別 史跡
種別2:
都道府県 奈良県
市区町村 生駒郡斑鳩町
管理団体
指定年月日 1990.05.19(平成2.05.19)
指定基準 史3
特別指定年月日
追加指定年月日 平成13.08.13
解説文: 天寿国曼陀羅〓帳(*1)や菩薩半伽像を蔵する寺として著名な中宮寺は、現在、法隆寺東伽藍東北隣接した寺地占めるが、この地へは16世紀前半移転伝え創建当初寺跡東方500メートル水田中に残る。
 土壇中心に方形地割を持つ旧寺地には、旧殿、赤門前、西ノ門等の字名残り周囲には江戸時代まで崩壊途上築地遺存したようである。その伽藍については、昭和9年福山敏男が「聖徳太子絵伝〓(*2)風」(延久元年 秦致真筆)や「諸寺雑記」の記述をもとに、桁行5間、粱行4間の重層入母屋造金堂と、初層に板葺裳階をつけた三重塔南北に並ぶ四天王寺式伽藍配置想定したその後本格的な調査がなされぬまま耕作礎石搬出などの改変を受け、寺跡荒廃進んだが、昭和38年石田茂作による残存土壇発掘調査が行われ、金堂塔の構造一部初め明らかになった。昭和47年から62年にかけては5次にわたる確認調査実施され伽藍概要寺域などが解明されている。
 金堂跡の調査部分的な確認調査であったが、2度改作の跡が認められている。創建時凝灰岩切石による壇上基壇推定され、これを平安時代初期縮小して瓦積基壇とし、さらに鎌倉時代花崗岩割石による乱石積基壇修造するといった変遷辿っている。鎌倉時代基壇規模は、東西17・3メートル南北14・1メートルで、創建時基壇もこれとほぼ同規模推定される基壇上の礎石創建当初位置保っており、現存礎石1箇と礎石抜取穴から、桁行5間、粱行4間(各柱間2・6メートル等間)の建物復原できる。
 塔基壇上面の削平が著しく、側柱礎石を抜き取った溝の一部と、花崗岩製の地下心礎検出したにとどまる。基壇規模は、一辺13メートルで、塔の平面形式不明であるが、一辺6・8メートル前後推定される地下2・5メートル遺存する心礎の上面には、心柱根元固定した根巻粘土遺存し、その内側から金環金糸片、金延板小塊、琥珀棗玉ガラス捩玉、丸玉、水晶角柱などの埋納物が発見されている。これらは、心礎舎利孔などの細工みられないことから、心柱根元穿った小孔内に納められいたもの考えられる。塔と金堂の基壇5・2メートル近接して南北並び往時には軒を接するような状況であった思われる現在のところ、講堂中門回廊などの存在明確になっていない
 寺跡区画施設としては、北面西面築地確認している。築地基底幅は2・1メートルで、築地外側には幅2・5メートル深さ0・7メートル外濠がめぐる。また内側にも同規模の内濠存在するが、これは鎌倉時代開削されたものである寺域西面築地伽藍中軸線の距離から東西128メートル南北165メートル推定でき、東西幅は高麗尺1町に相当する外郭施設の調査では、北門南門一部西面築地平行する南北古道検出している。またこの他に、塔跡西南方で掘立柱東西塀を、塔跡東側掘立柱建物検出しているが、その時期や性格明らかでない
 出土瓦飛鳥時代から室町時代におよび、伽藍消長と軌を1つにする。創建時単弁蓮華文軒丸瓦は、平群平隆寺出土品と同笵関係にあり、角端点珠の百済系と有稜弁間点珠の高句麗軒丸瓦からなる。ともに今池瓦窯生産されたことが判明しており、7世紀前半代に位置付けられるまた、法隆寺若草伽藍出土品と同笵の忍冬弁六弁蓮華文軒丸瓦や、斑鳩宮跡に比定される法隆寺東地下遺構出土品と同笵の均整忍冬唐草文軒平瓦出土もあり、法隆寺との密接な関係を示唆している。
 中宮寺は別名中宮尼寺尼寺とも呼ばれ聖徳太子創建7か寺の1つ挙げられている。太子御母穴穂部間人皇后の宮を寺にしたと伝えるが、創建年代については諸説があり定かではないいずれにせよ法隆寺若草伽藍とほぼ同時期に建立され斑鳩地方最古寺院であることは確かであり、上宮王家との深い由縁物語寺院跡として高い価値有している。よってここに史跡指定し、その保存図ろうとするものである
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