ユニオンセイバー
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「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」の記事における「ユニオンセイバー」の解説
第4回大会から参戦するイギリスのチーム。ハイデッカー、シューマッハ、ランドル、新条など、充分にチャンピオンを狙えるドライバーを歴代獲得しながらも、未だに総合優勝の経験のない無冠の強豪チーム。最高位は第8回大会のジェームス・郭と、第15回と第16回大会のランドルによる2位。第8回大会以降常に上位にランクインしている強豪だが、他のトップチームが第10回大会頃以降、次々に2カー体制を開始する中でも1エントリーを続け、2020年に全チーム2カー制が導入された時でさえ、開幕時は1エントリーを継続したが、その年の最終2戦以降2カー制を開始した。 2015年当初使用していたナイトセイバーはドイツのコンストラクター(車体製造者)のケルンから供給されていた市販のレースカーで、チームとしては車体を製造していなかったが、カール・リヒター・フォン・ランドルの加入以降は自社で車体製造も手がけるようになり、従来から製造していたエンジン開発のノウハウにランドルの資金力が加わりユニオンセイバー製レースカー、イシュザークは強力な戦闘力を発揮した。まだGT型が主流だった時期にいち早くフォーミュラ型のナイトセイバーを採用した一方、GT型のイシュザークに変更後は時代がフォーミュラ型に主流移行しても2019年までGT型を採用していた。 基本的にイシュザークはダウンフォース発生用のウィングは備えておらず、回転するローターによってダウンフォースを能動的に発生・非発生させる点に特徴があり、イシュザークはアオイ、スゴウの車両とは異なり、変形機構は搭載しないが、これもダウンフォースローターの特性から必然的なことである。 ブースト機構は巨大なブーストポッドを1基のみ搭載する。水素エンジンを搭載したイシュザークのブーストモードの名称は「メッサーウィング」。その名の通り、通常は刃のようにそそり立っている車体中央部の垂直尾翼状のウィングが左右に大きく展開し、巨大なブーストポッドが露出するという仕組み。イシュザーク00-X1などリニアホイール搭載車両を含め、この垂直尾翼状の巨大なウィングはイシュザークシリーズの大きな外観的特徴となっている。 ナイトセイバー 005(KNIGHT SAVIOR 005 カーナンバー1) ケルンから供給された車両。ホイールベースを伸ばし高速走行に最適化するスプリントモードと呼ばれる特殊な簡易変形機構を有する点を除けば、ごく普通のフォーミュラカーの形状をしている。 レースチーム向けに市販されているレース車両であるが、2015年シーズンの開幕段階では参戦車両中、最高速で1位、ゼロヨンで2位など優秀なデータを示し、ナイト・シューマッハの能力が加わり、周囲を驚かせる活躍を見せた。 イシュザーク 007(ISSUXARK 007 カーナンバー1) 本来はシューマッハ専用として開発されていた車種。後任のランドルと共に第6戦ノルウェーGPでデビュー、その才能にいかんなく応え、デビューしていきなり2連勝を飾り、予選では終盤5戦中、実に4戦でフロントロー(3戦でポールポジション)という抜群の速さを示し、トラブルに見舞われた第9戦以外はいずれも優勝争いをリードした。ウィング前端部を軸として左右に展開するエアブレーキ機構を持っていたが、00-X1以降はそうした装備は見られなくなった。 デザインした河森正治は、パワーボート風のフォルムを持つイシュザークのデザインは、この007の時点ですでに完成しており、008以降、特に00-X1以降のイシュザークのデザインは当初の個性を削いでいったものでしかないと述べている。 イシュザーク 008(ISSUXARK 008 カーナンバー3) 2016年からラリーが廃止されたことに伴い、前年のイシュザークをオンロード専用仕様としたもの。2016年から2017年にかけて用いられ、前モデル同様、デビュー戦となった2016年開幕戦ブラジルGPと第2戦アメリカGPでいきなり連勝した。2016年シーズンはランドルのスランプもあってタイトルの獲得こそ逃したが、2017年までに入賞した全10戦をいずれも表彰台圏内で終えていることからも明らかなように、この車の戦闘力は極めて高いものであった。 ナイトセイバー 006R(KNIGHT SAVIOR 006R カーナンバー3) ケルンから供給された車両。ナイトセイバー005のアップデート版。2017年第5戦で負傷し戦線離脱を余儀なくされたランドル(イシュザーク008)に代わり、第6戦スペインGPよりB・H・ガーネットによって駆られた。計7戦に参戦し、6ポイントを記録。翌2018年も引き続きガーネットが搭乗、11戦に出場し、6ポイントを記録。 イシュザーク 00-X1(ISSUXARK 00-X1 カーナンバー3) 自社のエンジンを供給する見返りとしてスゴウから得た6輪駆動・制御ノウハウと、シュトロブラムスから供給を受けたローリングコクピット・リニアホイールなどによって生まれ変わった新型イシュザーク。シュトロゼックチームの親会社であるシュトロブラムス社との関係のためか、同チームのフランツ・ハイネルが設計に関り、従来からついていた尾翼状のウィング・コックピットは、シュトロゼックのシュティールと同じく、コーナリング時に左右にスイングするようになった。ただし、ランドルの希望により、着座姿勢は同時期に開発されていた新型シュティール(HG-164)とは異なり通常のシート式となっている。 この車両の製造時より、ランドルがユニオンセイバーのオーナーに就任したため、技術の根幹からの大幅な変更が可能となり、動力にリニアホイール、足回りに6輪、と、前モデルから大胆な変更が加わった。いずれもユニオンセイバーとしては初めて導入したものであったが、デビュー戦となった2018年の最終戦日本GPでは、これがデビュー戦となる謎の新人プリンツ・ローゼンクロイツがプレクオリファイ(予備予選)をあっさり通過し、リタイアするまではトップ争いを演じた。 翌年はほぼ2年ぶりに復帰したランドルによって駆られ、前半6戦で2勝、シーズン12戦で表彰台7回と健闘したものの、スゴウやアオイ同様、後半戦はジャッキー・グーデリアン駆るシュティールHG-165の後塵を拝するのみに終わる。 イシュザーク 00-X3(ISSUXARK 00-X3 カーナンバー3) 2020年にユニオンセイバーが投入した新型イシュザーク。6輪車で引き続きローリングコクピット・リニアホイールを用いた。外観的にはこれまでのイシュザークとは幾分異なり、側面がスリムになりフォーミュラカーに近い形状になった。フリッツのアルザードNP-1にこそ及ばなかったものの前年圧倒されたシュティールHG-165に対しては互角以上のレースが可能となったこともあり、アルザード事件によりアオイが失格になった後のランキングでは、実に前半だけで3勝(うち1勝はフリッツがリタイアした第4戦フランスGP)という結果をランドルにもたらした。 イシュザーク 00-X3/II(ISSUXARK 00-X3/II カーナンバー3〈ランドル〉、4〈2020-2022 新条、2023 ギャラガー〉) 00-X3の動力をリニアホイールから従来のユニオンセイバー製の水素エンジンに戻したもの。そのため、ブースト機構もメッサーウィングを含めイシュザーク008以来3年ぶりに旧来に服した。これにより、シュトロゼックから提供された技術はローリングコクピットのみ残る形となった。 2020年の第11戦日本GPでデビューし、このグランプリからユニオンセイバーは2台体制となり、ランドルに加え、謎の覆面ドライバーが当初デビューし、プレクオリファイをあっさり通過したが、直後にこれは開幕前にアオイを追われた新条直輝であることが発覚し、後、2022年までランドルと新条のコンビによってステアリングが握られた。デビュー戦では新条が難攻不落のアルザードをバトルで追い詰めそれを凌駕することを成功させ、ポテンシャルの高さを示した。このレースは途中で中止となったため、この新型イシュザークはデビュー戦を1-2フィニッシュで飾った。2年目の2021年シーズンは両名とも風見ハヤトとタイトルを争うも、及ばず。2022年は風見とブリード加賀の争いに加わることはできず、特にランドル車はトラブルにも数多く見舞われた。 2023年現在も現役である。色はランドルは従来どおり純白を、新条は真紅を、2023年に新条に代わって加入したセラ・ギャラガーは薄い赤を基調としたものとなっている。 ナイトセイバー005イシュザーク007イシュザーク008イシュザーク00-X1全長 4485mm 4647mm 4651mm 4651mm 全幅 2207mm 2248mm 2250mm 2250mm 全高 935.6mm 982mm 982mm 982mm 車両重量 515kg 695kg 492kg 471kg 総排気量 5000cc 5000cc 4494cc 4494cc 最高出力 1500馬力/23000回転 1850馬力/25000回転 1860馬力/18800回転 1950馬力/19800回転 最大トルク 140kg-m/11000回転 150-m/16500回転 157-m/15000回転 172kg-m/16000回転 最高速度 444km/h+α 503km/h+α 610km/h+α 640km/h+α エンジン C.C.エンジンV12 C.C.エンジンV12/S C.C.エンジンV12/S C.C.エンジンV12/S-II 構造 ハイドロリックシステム 4WD C.T.S 4WD C.T.S 4WD C.T.S 6WD ボディ素材 C.F.R.P S.C.F.R.P S.C.F.R.P S.C.F.R.P 変速機 前6 後1 前6 後1 前6 後1 前6 後1 イシュザーク 00-X3イシュザーク 00-X3/II全長 4021mm 4021mm 全幅 2350mm 2350mm 全高 982mm 982mm 車両重量 462kg 460kg 総排気量 ー 4494cc 最高出力 不明 2140馬力/21900回転 最大トルク 不明 195kg-m/17500回転 最高速度 675km/h+α 685km/h+α エンジン 光学活性触媒燃料電池 C.C.エンジンV12/S-V 構造 超電導リニアホイール C.T.S 6WD ボディ素材 S.C.F.R.PII S.C.F.R.P 変速機 無段(超電導加速) 前6 後1
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