ミンドロ島逆上陸と日本軍の対応とは? わかりやすく解説

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ミンドロ島逆上陸と日本軍の対応

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/21 04:37 UTC 版)

礼号作戦」の記事における「ミンドロ島逆上陸と日本軍の対応」の解説

連合軍ミンドロ島来襲直前にあたる12月14日第14方面軍司令官山下奉文陸軍大将)は大本営対しレイテ島決戦よりもルソン島決戦徹底することを意見具申した。12月15日南方軍大本営打電おこない意向ただした同日連合軍ミンドロ島来襲して上陸開始する上述)。連合軍の新攻勢は、日本軍各方面衝撃与えた大本営陸軍部は、南方軍および第14方面軍に「海軍側と検討して連絡する」と返答した陸軍部レイテ決戦悲観的になりつつあり、第14方面軍至って独自にルソン島持久作戦への転換開始して海軍南西方面艦隊同調するよう求めた陸軍動き対し海軍中央軍令部連合艦隊)はあくまでレイテ決戦続行方針示した日本海軍は間接護衛隊などを発見できず、船団護衛手薄判断していた。そこで、水上部隊によるアメリカ軍への攻撃決めた。まず、第三十一戦隊の第43駆逐隊及び第52駆逐隊所属駆逐艦複数隻()による突入計画されたが、集結前の14日マニラ空襲受けて中止となった16日には、第43駆逐隊)によるミンドロ島西部マンガリン湾突入計画立案されたが故障などで実行できなかった。 日本海軍は、米軍ミンドロ島拠点化および航空基地確立危機感持ったミンドロ島から重爆撃機発進するうになる南シナ海日本軍輸送船団空襲晒されシーレーン遮断されてしまう。連合艦隊日本陸軍によるミンドロ島渡海攻撃逆上陸)を要求した大本営一部南方軍総司令部同様の方針だった。だがマニラ第14方面軍司令官山下奉文陸軍大将は「作戦成功成算なし」と判断逆上陸に同意しなかった。山下将軍第14方面軍)は既にマニラ放棄ルソン持久作戦準備進めていたのである山下陸軍大将意向対し有馬馨南西方面艦隊参謀長は以下のように回想している。 余はこれに対して次のような見解有していた。「陸軍ルソン防衛死活問題考えて兵力配備行っている。もしミンドロ作戦強行せしめんとせば、防備兵力欠陥を補うべき兵力補充してやらなければ承服しないだろう」と。かくて第五艦隊水雷戦隊をもって夜陰乗じミンドロ砲撃敢行することゝなった。この作戦成功持続するという確信あるものでなく無為にして、艦隊保存しても失うところは同一であり、仏印爆撃され沈没するよりも少しでも敵を攻撃して威力発揮する如かずとするものであり、兼ねて中央の顔を立てるものであった。 — 有馬馨、同著『帝国海軍伝統恐懼 ―付・比島作戦思い出―』340341ページ 12月18日大本営レイテ島決戦方針転換しルソン島持久作戦への切り替え決定した第4航空軍司令官富永恭次陸軍中将は「ルソン島米軍上陸すれば、マニラクラーク航空基地はすぐに占領され航空作戦実施できない」としてルソン持久作戦反対し、ミンドロ島連合軍攻撃続行主張した同日マニラ陸海軍司令部でも南方軍総参謀長南西方面艦隊参謀第一連合基地航空部隊参謀など首脳部集まり今後作戦方針について協議実施する。同会議逆上陸案について議論交わされ第14方面軍は「成功見込みなし」として逆上陸に反対第4航空軍は「連合軍ルソン島来攻を遅延させればルソン作戦準備時間ができる」として支持現地海軍幕僚第一連合基地航空隊)や連合艦隊逆上陸を強硬に主張南西方面艦隊は「小兵力のため精神的効果以上に期待できず、実行困難」(作戦会議では沈黙)という態度をとった。 海軍中央部軍令部連合艦隊司令部)は、連合艦隊参謀長草鹿龍之介海軍中将・同首席参謀神重徳大佐・同航空参謀淵田美津雄大佐大本営海軍参謀軍令部第一課岡田貞外茂中佐マニラ派遣一行空路12月23日クラーク基地到着した草鹿中将は、まず第一連合基地航空部隊首脳部大西瀧治郎第一航空艦隊司令長官福留繁第二航空艦隊司令長官)と会談した席上岡田中佐特攻兵器桜花台湾配備しヒ87船団参加空母龍鳳輸送)、クラーク基地から発進した戦闘機空中合同させ、神雷部隊によるレイテ総攻撃提案した。翌24日連合艦隊参謀長一行マニラ移動し南西方面艦隊司令部会談続いて草鹿中将第14方面軍司令部司令官山下奉文陸軍大将参謀長武藤章陸軍中将)と会見し、「ミンドロ島逆上陸」を直接要請した草鹿回想によれば山下大将躊躇なく快諾」「武藤参謀長とも話が順調に進み」「精鋭一個連隊逆上陸」が決まったという。ところが、実際に派遣されたのは一個大隊(約100名)であった。この部隊大発動艇ミンドロ島北部上陸した連合艦隊ミンドロ島逆上陸を主張する最中陸軍大本営陸軍部南方軍第14方面軍)は中比・南比持久転移について意見一致させる12月25日山下大将ルソン持久作戦への転移命令した

※この「ミンドロ島逆上陸と日本軍の対応」の解説は、「礼号作戦」の解説の一部です。
「ミンドロ島逆上陸と日本軍の対応」を含む「礼号作戦」の記事については、「礼号作戦」の概要を参照ください。

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