ミオグロビン尿症とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > ヘルスケア > 疾患 > > ミオグロビン尿症の意味・解説 

ミオグロビン尿症

学名myoglobinuria

ミオグロビンヘモグロビン似たヘム蛋白で、筋細胞内での酸素運搬役割果たします筋細胞融解壊死)で、この蛋白血中遊離し、尿から大量に排出される状態をミオグロビン尿症といいます腎障害合併することが問題となります
原因はいろいろあります糖原病のところで述べた垂井病McArdle病どのように酵素欠損明らかなものもあります。また熱射病のような特異環境薬物中毒蛇毒悪性高熱など)があげられます。しかし、ミオグロビン尿症の多くはいろいろ検査して原因わからず特発性ミオグロビン尿症として分類されています。

カルニチンパルミチールトランスフェラーゼ欠損(carnitine palmityl transferase (CPT) deficiency)
長鎖脂肪酸はカルニチンと結合して、アシルカルニチンとなり、ミトコンドリア内膜通過します。アシルカルニチンの通過助け酵素CPTです。CPT−I, IIがあり、酵素欠損はIの方が圧倒的にいとされています。
長時間運動飢餓糖分補給不足)が誘因となって筋力低下筋痛をみ、その後ミオグロビン尿をみます。痙攣second wind(McArdle病には特徴的)はみられません。
血清クレアチンキナーゼCK)値は発作時以外は正常です。阻血運動負荷試験では乳酸値、アンモニアは正常と同じよう上昇します低脂肪、後糖質頻回食事長時間運動制限指導します

ホスホグリセロムターゼホスホグリセリン酸キナーゼ乳酸脱水素酵素Mサブユニット欠損phosphoglyceromutase (PGM), phosphoglycerate kinase (PGK), lactic dehydrogenase M(LDH-M) subunit deficiencies)
PGM欠損小児期からの運動時の有痛性の筋痙攣主症状とします。まだ数例の報告があるのみで、きわめてまれです。
PGK欠損X連鎖劣性遺伝をとり、乳児期から溶血性貧血中枢神経系異常をみます。ただし、血液異常に乏しく、筋痙攣繰り返すミオグロビン尿のみをみる筋型もあります阻血運動負荷試験では乳酸の上昇はみられません。
LDH−M欠損わが国最初に報告され疾患です。運動時の筋痛、筋痙攣主症状とします阻血運動負荷試験では乳酸値の上昇は少ないがピルビン酸値は上昇するといわれています。

悪性高熱malignant hyperthermia)
全身麻酔下で筋が硬直し高熱持続時に心停止来す疾患です。麻酔薬ハロセン筋弛緩剤サクシン主な原因物質考えられています。これらの物質筋小胞体過敏となり、小胞体から大量カルシウム筋細胞内に放出され筋硬直持続筋細胞壊死に陥ります。
優性遺伝をとるものがあり、それはリアノジン受容体ryanodine receptor遺伝子変異があることが分かってます。セントラルコア病同じようリアノジン受容体遺伝子内に変異があり、高率悪性高熱起こすので、両者密接な関係がありそうです筋ジストロフィーその他の筋疾患も、一般人よりは麻酔時に悪性高熱来しやすいと報告されています。筋疾患のある患者さんでは全身麻酔注意が必要です。麻酔中に悪性高熱となってもダトロレンNa(ダントリウム)の静注著効し、死亡率激減しました。

悪性症候群malignant syndrome)
向精神薬服用患者さんに、筋硬直発熱など悪性高熱様の症状をみることがあります原因悪性高熱異なり中枢神経系異常によると考えられています。




ミオグロビン尿症と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ミオグロビン尿症」の関連用語

ミオグロビン尿症のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ミオグロビン尿症のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
日本筋ジストロフィー協会日本筋ジストロフィー協会
Copyright (C) Japan Muscular Dystrophy Association,Corp. All Rights Reserved.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS