しょうほう‐たい〔セウハウ‐〕【小胞体】
小胞体
英訳・(英)同義/類義語:endoplasmic reticulum, ER
二重膜がヒダ上に重なってできた膜性の細胞小器官で、膜タンパク質を合成するリボソームが結合した粗面小胞体と、膜合成が行われる滑面小胞体に見かけ上分類できる。膜タンパクの合成の場であり、小胞体の膜を通過して、膜や外部に輸送されるタンパク質が合成され、さらにゴルジ体などに輸送される間に糖鎖修飾などが行われる。
細胞名や細胞内の構造オルガネラに関連する用語: | 小形細胞 小胞 小胞体-ゴルジ中間区画 小胞体 小胞子 幹細胞 微小管形成中心 |
小胞体
小胞体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 15:26 UTC 版)
詳細は「小胞体」を参照 小胞体は、膜に囲まれた合成と輸送のための細胞小器官である。核膜と連続性があり、核膜が拡張されたものと見なすこともできる。小胞体膜は核膜と連結されているため、核と細胞質の間の物質受け渡しの場ともなっている。 真核細胞においては、膜の総量の半分以上が小胞体のものである。小胞体は扁平な嚢と分枝した小管から構成されている。これらは相互に連結されており、小胞体の膜は単一の内部空間を閉じる連続的なシートとなっていると考えられている。この高度に畳み込まれた空間は小胞体内腔 (ER lumen または ER cisternal space) と呼ばれる。細胞の種類にもよるものの、小胞体内腔は細胞の総体積の約10%を占めるとされる。小胞体膜は物質の小胞体内腔と細胞質との間の選択的透過を行っている。 小胞体は、細胞の内外で利用される化合物の産生、加工、輸送に中心的な役割を果たす。小胞体膜は全ての膜貫通タンパク質の合成部位であり、小胞体自身、ゴルジ装置、リソソーム、エンドソーム、ミトコンドリア、ペルオキシソーム、分泌小胞、そして細胞膜を含む細胞小器官の脂質のほとんどを合成している。さらに、細胞外へ出るタンパク質のほとんど全てと、小胞体内腔、ゴルジ装置、リソソームへ送られるタンパク質は、最初に小胞体内腔へ輸送される。したがって、小胞体内腔に見つかるタンパク質の多くは、他の部位へ輸送される途上で一時的に存在しているだけである。しかし、一部のタンパク質は常に内腔に留まり、それらは小胞体タンパク質 (ER resident protein) として知られる。これらの特別なタンパク質は、特定のアミノ酸配列で構成される小胞体保留シグナル (ER retention signal) によって小胞体に保持される。小胞体タンパク質の重要な例はBiPとして知られるシャペロンタンパク質で、不適切な組み立てや加工を受けたタンパク質を特定し、それらが最終目的地へ送られるのを防いでいる。 小胞体は翻訳と共役したタンパク質の選別に関与している。小胞体シグナル配列を含むポリペプチドはシグナル認識粒子 (signal recognition particle、SRP) によって認識され、タンパク質の合成が停止される。SRPはポリペプチドを小胞体膜へ輸送し、ポリペプチドは膜孔内へ放出されて翻訳が再開される。 小胞体には滑面小胞体 (smooth ER) と粗面小胞体 (rough ER) という2つの領域が存在する。これらは構造と機能は異なるが、連結されている。粗面小胞体の細胞質側の表面はリボソームで覆われており、電子顕微鏡で観察すると細胞質側表面に凹凸があるように見えるため、その名が付けられた。これに対して、滑面小胞体の細胞質側表面にはリボソームが存在せず、滑らかな見た目をしている。
※この「小胞体」の解説は、「細胞内膜系」の解説の一部です。
「小胞体」を含む「細胞内膜系」の記事については、「細胞内膜系」の概要を参照ください。
「小胞体」の例文・使い方・用例・文例
- 小胞体
小胞体と同じ種類の言葉
- 小胞体のページへのリンク