ベンジルペニシリン
ペニシリンG
分子式: | C16H18N2O4S |
その他の名称: | リカシリン、ペニシリンG、スペシリンG、ベンジルペニシリン、ベンジルペニシリン酸、Liquacillin、Penicillin G、Specilline G、Benzylpenicillin、Benzylpenicillinic acid、(6R)-6-(Phenylacetylamino)penicillanic acid、PCG |
体系名: | 6α-[(α-オキソフェネチル)アミノ]ペニシラン酸、6α-[[(フェニルメチル)カルボニル]アミノ]ペニシラン酸、(6R)-6-[(フェニルアセチル)アミノ]ペニシラン酸、6α-[(フェニルアセチル)アミノ]ペニシラン酸、(2S,5β)-6α-ベンジルカルボニルアミノ-3,3-ジメチル-7-オキソ-4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2β-カルボン酸、(2S,5R,6R)-3,3-ジメチル-7-オキソ-6-[(フェニルアセチル)アミノ]-4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸、(6R)-6-(フェニルアセチル)アミノペニシラン酸、(2S,5β)-3,3-ジメチル-7-オキソ-6α-[(フェニルアセチル)アミノ]-4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2β-カルボン酸、(6R)-6-(フェニルアセチルアミノ)ペニシラン酸 |
ベンジルペニシリン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/29 06:11 UTC 版)
IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
Drugs.com | Micromedex Detailed Consumer Information |
MedlinePlus | a685013 |
胎児危険度分類 |
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法的規制 |
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投与方法 | 非経口 |
薬物動態データ | |
血漿タンパク結合 | 60% |
代謝 | 肝臓 |
半減期 | 30分 |
排泄 | 腎臓 |
識別 | |
CAS番号 | 61-33-6 (free acid) 69-57-8 (ナトリウム塩) |
ATCコード | J01CE01 (WHO) S01AA14 (WHO)QJ51CE01 (WHO) |
PubChem | CID: 5904 |
DrugBank | DB01053 |
ChemSpider | 5693 |
UNII | Q42T66VG0C |
KEGG | D02336 |
ChEBI | CHEBI:18208 |
ChEMBL | CHEMBL29 |
化学的データ | |
化学式 | C16H18N2O4S |
分子量 | 334.4 g/mol |
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ベンジルペニシリン(benzylpenicillin)は、最も質の高い(ゴールド・スタンダード)ペニシリンの一種である。一般的にはペニシリンGとして知られている。ペニシリンGは胃の塩酸に対して不安定であるため、通常非経口経路で投与される。非経口で投与されるため、フェノキシメチルペニシリン (Phenoxymethylpenicillin) よりも高い組織内濃度(つまり抗微生物活性)を達成可能である。
医学的用途
ベンジルペニシリンの適応は以下のものがある[1]。
副作用
副作用としてはショック、溶血性貧血、無顆粒球症、急性腎不全等の重篤な腎障害、痙攣等の神経症状、偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎、中毒性表皮壊死融解症、出血性膀胱炎を稀に、発熱、発疹、蕁麻疹、好酸球増多、顆粒球減少、血小板減少、貧血、AST(GOT)上昇、血管痛、静脈炎がある[2]。
毒性
ベンジルペニシリンの血清濃度は昔ながらの微生物学的測定法あるいはより新しいクロマトグラフィー技術によって観察できる。こういった測定は習慣的に高用量の薬剤を投与される患者において中枢神経系毒性を避けるために有用であるが、この毒性は尿中排泄速度の低下のために薬剤が濃縮されてしまう腎障害の患者と特に関連がある[3][4]。
製剤
- 注射用ペニシリンGカリウム(注射用ベンジルペニシリンカリウム)
- ステルイズ水性懸濁筋注(持続性ペニシリン製剤・ベンジルペニシリンベンザチン水和物水性懸濁筋注射プレフィルドシリンジ)
- バイシリンG顆粒(持続性経口ペニシリン製剤・ベンジルペニシリンベンザチン水和物顆粒)
公定地位
- 英国薬局方[5]
脚注
- ^ Rossi S, ed. (2006), Australian Medicines Handbook, Adelaide: Australian Medicines Handbook, ISBN 0-9757919-2-3
- ^ “ベンジルペニシリンカリウム”. 2015年9月14日閲覧。
- ^ Fossieck B Jr, Parker RH (1974). “Neurotoxicity during intravenous infusion of penicillin. A review”. J. Clin. Pharmacol. 14 (10): 504-512. PMID 4610013.
- ^ R. Baselt (2008). Disposition of Toxic Drugs and Chemicals in Man (8th edition ed.). Foster City, CA: Biomedical Publications. pp. pp. 1195-1196. ISBN 978-0-9626523-7-0
- ^ British Pharmacopoeia Commission Secretariat. “Index (BP 2009)”. 2010年3月26日閲覧。
ベンジルペニシリン(ペニシリンG) (benzylpenicillin : PCG)
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「ペニシリン」の記事における「ベンジルペニシリン(ペニシリンG) (benzylpenicillin : PCG)」の解説
天然ペニシリン。Penicillium notatum産生物中、最も活性が大。前述のとおりペニシリンGの物質名はベンジルペニシリンである。成人では300万〜400万単位を4時間おきに投与する。これは約1gを4時間おきである(ペニシリン1単位は0.27μgである)。ペニシリンG経口は、A群溶連菌による軽度の感染症、咽頭炎や猩紅熱にのみよい適応がある。ペニシリンGは嫌気性菌によい活性があるが、耐性の問題のため現在では使いにくくなっている。特に重要なのは日本において髄膜炎菌と梅毒は100%ペニシリン感受性であるということ、溶連菌に対しても非常に効果があるということである。注意点としては伝染性単核球症を溶連菌による細菌性喉頭炎と誤診し、ペニシリンを投与すると皮疹を起こすので注意が必要である。また筋注用のペニシリンG製剤もある。ベンザシンペニシリンやプロカインペニシリンがあげられる。また、日本では入手難である。
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