アッバース1世の再興とは? わかりやすく解説

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アッバース1世の再興

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 19:52 UTC 版)

サファヴィー朝」の記事における「アッバース1世の再興」の解説

1587年ヘラートにいたムハンマド王子アッバース1世)はムルシド・クリー・ハーン・ウスタージャルー(波: مرشدقلی خان‎)に擁立されて兵をあげ、首都ガズヴィーン占領して父から王位譲り受けた。翌1588年17歳アッバース1世クズルバシュ抑えて実権掌握し1590年オスマン帝国及びシャイバーニー朝和平結んで軍事活動中断したアッバース1世は、クズルバシュ頼った軍事制度改めオスマンにも対抗できる軍隊目指した。クズルバシュから選出されコルチ軍団と、グルジア系、アルメニア系出身奴隷からなるグラーム軍団のふたつからなる常備騎兵軍を組織すると共にペルシア系定住出身者中心とする銃兵軍団砲兵軍団創設した1597年アッバース1世は、ガズヴィーンからペルシア中部イスファハーンエスファハーン)に遷都し、イスファハーン旧市街郊外王宮中心に庭園囲まれ新都造営された。新都旧市街中間に「王の広場」を中心に王のモスク」(現イマーム・モスク)などのモスク立ち並ぶ公共空間建設されペルシア系テュルク系宮廷人々のほか、アルメニア商人インド商人など遠隔地交易従事する多く異郷出身者住み着いたイスファハーン人口50万人達したアッバース1世盛んな軍事行動建設事業財源としてそれまでクズルバシュ部族支配していた土地没収し王領地に収め君主権力を拡大したアッバース1世時代サファヴィー朝それまで遊牧国家型の分権的な体制抜け出しライバルであったオスマン帝国同じように、君主絶対権力のもとで君主信任によってのみ権力保障されるエリートたちが統治を担う専制国家へとさらなる転身遂げた1598年攻勢出たアッバース1世シャイバーニー朝破ってホラーサーン回復した第三次オスマン・サファヴィー戦争英語版)では、1603年オスマン開戦しアゼルバイジャン回復し、ディムディムの戦い英語版)(1609年 - 1610年)後の1612年にナスフ・パシャ条約英語版)が結ばれ、カヘティ・カルトリ遠征英語版)(1616年)に勝利して1618年にセラヴ条約英語版)が結ばれたアッバース1世軍事的成功には、彼個人才能も十分あるが、同時期に西欧諸国との同盟関係大きと言える。特に17世紀全盛期迎えたネーデルラント連邦共和国オランダ)との同盟サファヴィー朝強化貢献したオランダ起こした軍事革命による恩恵大きかっただろう。西欧との同盟関係は、オスマン帝国との政治的な問題でもあった。西欧は、ヨーロッパ食い込むオスマン駆逐するために有益なアジア同盟者として、オスマン背後にいるサファヴィー朝との関係を重視したのであるオスマン帝国弱体化双方にとって有益であり、サファヴィー朝にとってもヨーロッパ先進的な軍事力は、国力強化中央集権化など、国益に繋がるものであったイングランド王国とは重要な関係を築き1616年アッバース1世イギリス東インド会社の間で貿易協定結ばれた。この時期ロバート・シャーリー率いられイングランド人冒険者一団は、ペルシア軍の近代化重要な役割果たし西側との接触発展させた。1622年、イングランド・ペルシア連合軍ホルムズ島占領しホルムズ占領)、ペルシャ湾からポルトガルとスペイン貿易商人追放した1624年ロバート・シャーリー貿易協商締結するために、イングランドペルシア大使館設立させた。同1624年には100年ぶりにバグダード再征服して創建当時サファヴィー朝領域取り戻しサファヴィー朝アッバース1世のもとで最盛期迎える。

※この「アッバース1世の再興」の解説は、「サファヴィー朝」の解説の一部です。
「アッバース1世の再興」を含む「サファヴィー朝」の記事については、「サファヴィー朝」の概要を参照ください。

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