PC-6000シリーズ PC-6000シリーズの概要

PC-6000シリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/24 16:05 UTC 版)

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シリーズを通してキーボードと一体化したデザインを採った8ビットマシンで、姉妹機種はPC-6600シリーズで本体の機能はほぼそのままに、FDDを内蔵した構成となっている。姉妹機との互換性についてはPC-6000シリーズとPC-6600シリーズの互換性を参照の事。

シリーズの位置づけ

PC-6001は日本電気のテレビ事業部が開発したもので、マイクロコンピュータ事業部が開発したPC-8001系列とは全く無関係に開発された[1]。 その設計思想の違いから表示装置にはテレビを用い、カートリッジスロットとなっている拡張ポートは挿入したROMカートリッジから直接ソフトウェアを起動出来るなど、ゲーム機的側面も持っていた。型番からはPC-8001系列の下位機種であるかのように見えるが、開発経緯も対象セグメントも異なる製品である。

販売にあたっても、家電関係である新日本電気の販売ルート(子会社の家庭電化製品の販売会社が卸す小売店)が活用され、日本電気の特約店ルート(NECビットイン、NECマイコンショップ)でも販売された。

実務用とされたPC−8001に対して、本シリーズは教育と娯楽性を強く意識した仕様で、概して機能は抑えたり略されたりしたが、音源に限れば同時期のPCと比較し充実した構成となっていた。単音や固定されたBeepのみという機種の多かった時代において、初代機の標準構成でもAY-3-8910(PSG)の搭載とBASICのMMLによって、容易に演奏させることができ、後継機ではYM2203によって、矩形以外の波形による音声表現も可能になった。また、オプションではμPD7752を用いた音声合成機能が用意され、後継機では標準機能として搭載、更に音程を変化させられるようになるなどの改善が行われた。[2]

本シリーズの終了は商品に問題あったためではなく、逆に成功しすぎたことが問題となったためだという。将来的にPC−8000シリーズ/8800シリーズとの競合が予想され、これを解消するためにNECは各シリーズの位置づけを再編し、PC−8800シリーズはホビー性を強化することに変更、ビジネス用途はすべてPC−9800シリーズに統合し、本シリーズは終了させるという方針をとった。シリーズとしては「不本意な終息」であったという[2]

PC-6001

PC-6001
NEC PC-6001 no brown seat.jpg
別名 パピコン
開発元 新日本電気[3]
種別 パーソナルコンピュータ
発売日 1981年11月(36年前) (1981-11[3][4]
標準価格 89,800円
出荷台数 15万台[5]
OS N60-BASIC (Microsoft 16K BASIC)
CPU μPD780C-1 3.993600MHz(Z80互換)
メモリ RAM 16キロバイト(最大32キロバイト)
グラフィック テキスト 32桁×16行 2画面(RAM拡張時は最大4画面)、グラフィック 256×192ドット 2色 または 128×192ドット 4色 1画面(RAM拡張時は最大3画面)
サウンド PSG AY-3-8910
外部接続 RF接続カセット磁気テープコンポジット映像信号RCA端子プリンタジョイスティック×2
次世代ハード PC-6001mkII
PC-6001のマザーボード

1981年11月10日に発売。メーカー希望小売価格は89,800円。

アイボリーとブラウンを基調とした筐体に、オレンジ色の特殊キー群をアクセントとしたデザイン。 当時の家庭用としては画期的ともいえる9色のカラー表示、ひらがな表示、三重和音のPSG音源、ジョイスティックインターフェース標準搭載などを特徴とし、パピコンの愛称が付けられていた。 添付されるマニュアルはBASICの文法を記した薄いコマンドリファレンスのみで、その代わりに「みんなで使おうBASIC」という分厚い教則本が同社から別売されていた。

本体に付随しているキーボードは、全てのキーが横長の直方体に近い形で、相互に離れて並んでいる独特の形状(いまでいうアイソレーションキーボード状)である。これは、アプリケーションごとにオーバーレイシートを載せ替えて使うことを意図したものである。また、かなキーの横に赤いランプがあり、かな入力モード時に点灯する。なお、輸出用のPC-6001Aでは一般的なタイプライタ風キーボードを採用した。

当時のNEC社内での開発コードは「PCX-05」で、VDPモトローラのMC6847互換の三菱電機製のM5C6847P-1とモジュレータを採用。 映像出力はコンポジット映像信号およびテレビ接続を用いたためあまり鮮明なものではなかった。しかし、『ポートピア連続殺人事件』等では2色モード時の色のにじみを逆手にとって表現力を高めるというApple II等のソフトウェアで使われたものと同様のテクニックがよく使われた。VRAMは主記憶上に配置され、最大2画面分もつことができた。うち1画面はテキスト専用である。なお、RAMを拡張すると最大4画面分もてた。当時としては珍しく、画面(ページ)を切り替えながら使えた。キーボード上にページ切り替えボタンが配置されている。画面数は、BASICの起動時のHow Many Pages?という入力要求に対してユーザーが明示的に指定する。なおPC-8000シリーズPC-8800シリーズなどとは異なり、テキストとグラフィックの重ね合わせはできず、グラフィックモードでの文字表示はグラフィックとして描画された。音声はスピーカーを内蔵しているほか、外部出力端子を持つ。

カートリッジスロットを1個持ち、RAMを32キロバイトまで拡張可能であるほか、カートリッジを3個まで接続可能とし背面にフロッピーディスクインターフェースを持つ「拡張ユニット」、PC-6001R、ディスク関係のBASIC命令の強化や、CIRCLE/GET/PUTなどの拡張がなされた「拡張BASICカートリッジ」、5.25インチ、片面倍密度、143キロバイトの「フロッピーディスクユニット」、音声合成ができる「ボイスシンセサイザー」等の接続が可能。フロッピーディスクドライブはオプションの拡張ユニットPC-6011に装備、基本のPC-6031および増設用のPC-6032で最大2台。

ジョイスティックインターフェースはD-sub9ピンでAtari_2600のピンアサインを拡張したものを採用。ピン配列上は2トリガ分の入力端子があるが、BASICの命令が対応しているのは1トリガだけである。

テレビCMでは「NECのパピコン」の名を前面に出し、家族で「ジャンケンポン、カセットポン♪」と順番に楽しむ使い方を提案。二次記憶装置などからの読み込みを必要とせず、挿入するだけで使えるROMカートリッジで供給されるソフトウェアによる、後のファミリーコンピュータMSXで広まったような「気軽に使える家庭向けコンピュータ」をアピールした。CMでの家族の父親役には川津祐介を起用した。

すがやみつるによる子供向けパソコン入門漫画「こんにちはマイコン」でもターゲット機種となった。

日本国外では北アメリカ大陸でNEC TREKの愛称でPC-6001Aを発売、またイラクの国営メーカー、「Al Warkaa」がアラビア語版のPC-6001を発売。




  1. ^ アスキー書籍編集部 『みんながコレで燃えた! NEC8ビットパソコン PC-8001・PC-6001 永久保存版』 アスキー、2005年、17頁。
  2. ^ a b 「チップチューンのすべて All About Chiptune: ゲーム機から生まれた新しい音楽」 - ISBN 441661621X
  3. ^ a b 日本電気社史編纂室 『日本電気株式会社百年史』 日本電気、2001年、655頁。
  4. ^ 佐々木 2013, p. 9.
  5. ^ “日電、新日電低価格パソコン強化、7月1日から発売―漢字ROMなど装着。”. 日経産業新聞: p. 6. (1983年6月29日) 


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