西日本車体工業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/02 00:03 UTC 版)
導入地域・導入状況
この節には独自研究が含まれているおそれがあります。 |
西日本
- 2000年頃までは、地域別では主に近畿地方・中国地方の山陽側・九州での導入が多かった。事業者別では、九州地方では親会社である西鉄をはじめとするほとんどの路線バス事業者が導入しており、近畿地方では公営各事業者(京都市交通局・大阪市交通局・高槻市交通部・神戸市交通局・尼崎市交通局・伊丹市交通局・明石市交通部・姫路市交通局)・阪急グループ(阪急バス・神鉄バス・大阪空港交通)・南海電気鉄道・関西空港交通・神姫バスなどが、中国地方では岡山電気軌道・呉市交通局・広島電鉄・広島交通・サンデン交通などが多く導入した。近畿地方以西では西工解散まで、後述するように日産ディーゼル以外のシャーシに架装される例も多かった。
- ディーゼル車排気ガス規制のKC-、KK-適用以降は、日野製シャーシへの架装は親会社の西鉄など一部の例外を除いてほとんど存在しない。さらに日野自体もバス部門のジェイ・バスへの統合と生産車種の一本化により、2005年以降はシャーシ供給は皆無となりつつあったが2006年からいすゞOEMの大型路線車両に限って車体架装を再開し西工解散まで製造された。また、三菱ふそうおよびいすゞの観光系シャーシについても供給が行われなくなったため、2006年(平成18年)には親会社の西鉄も純正ボディである三菱ふそうバス製造製のエアロクィーンを夜行バスに導入した。
- 他のコーチビルダーに比べ特殊仕様への対応に精力的であり、西工を好んで導入する事業者も多かった。代表例として逆T字窓をいち早く採用した阪急バスが、かつて純正ボディではスタイルの相違が大きかったので統一ボディを好んだ京都市交通局があげられる。
- 近畿地方以西の事業者でも、近鉄グループのバス会社では九州内の大分バス(現在は近鉄グループから離脱し、西鉄の資本が入る)を除き、ほとんど導入されていない。これは高度成長期に親会社の近畿日本鉄道と、西工の親会社である西日本鉄道(西鉄)の関係が悪かったことと、後年には西工への供給にあまり積極的ではない日野車を多数導入し、逆に日デ車が少ないことが起因している。一方、富士重工業製については、三重交通や大分バスが比較的多く導入していた。また、京阪グループのバス会社でも基本的にメーカー純正で入れる傾向が強く、富士重撤退後も日産ディーゼル製のバスを購入し続けた京都バス、1990年代にある程度まとまった台数を導入した京阪宇治交通(現在の京都京阪バス管轄地域)を除き西工製バスは京阪グループでは新規に投入されていない。
- 四国では西工製バスの採用が少なく[注釈 2]、2000年代以前から継続的に新車で購入しているのは瀬戸内海交通のみである。2000年代以降、徳島市交通局や高知県交通がスペースランナーを、宇和島自動車がエアロスターS・エアロミディSを導入している。なお伊予鉄バスも1960年代日野RB、RC系の一部に導入していた。
東日本・北日本・沖縄
- 東海地方以東における一般路線バスの納入例として、ライセンスの京成車体製造の66MCボディ架装車輌を1960年代と1970年代に静岡鉄道が日野RB、RCの前中ドア車と、いすゞBU05、BU10等の前後ドア車で導入[9]されている。当時撮影のテレビのドラマや、ドキュメント番組(NHK-“10分の日本の鉄道廃線”の“清水港線”等)の撮影時に純白のHゴムの使用、前後の折れ曲がり、スタンディーウインドの下段下部の両隅のR等“アメリカンドリーム”の一目で判る独特の形状で、写り込んでいる為に証拠になっている。同じ頃京成車体で同形車体を京成電鉄、新京成電鉄の路線バスで日産ディーゼル4R94、4R105、いすゞBA、BU、日野RE等に架装して使用。京成電鉄の路線バスが都内(テレビ朝日のドラマ鉄道公安官に、上野駅前を走るいすゞ自動車BU10+アメリカンドリーム66MCが、走って行く姿が大きく撮影されて居る)にも走行している。1988年(昭和63年)に横浜市交通局が日産ディーゼルの中型車P-RB80Gを、1989年(平成元年)にJRバス関東がP-RB80GSを、1993年(平成5年)に松本電気鉄道(現在のアルピコ交通)がいすゞのU-LV318Nを購入した例などがある。しかし、いずれも1年限りで終わっている。
- 貸切車としては、1990年(平成2年)に伊豆箱根鉄道がSD-Iを架装したP-RA53TAE型を導入している。これは、当時日産ディーゼルに2軸スーパーハイデッカー用シャシーの設定がなかったため、ハイデッカー用シャシーに架装するスーパーハイデッカーのSD-Iを選択したものである(近畿地方以西では1989年(平成元年)に下津井電鉄が同様の高速車を導入している)。
- 車両の低床化を進めていた京王帝都電鉄(現・京王電鉄、同社のバス事業の分社化により現在は京王電鉄バスグループ)が、ワンステップバスの日産ディーゼルのU-JP211NTNに注目。この一部に西工製の車体を架装して導入し注目された。以降、京王グループは西工架装のJPを断続的に導入し、関東地方における西工導入の先鞭をつけた。貸切・高速車では、JRバス関東が1998年(平成10年)以降、日産ディーゼル高速車の車体をすべて西工製で導入している。
- UA系では、2000年(平成12年)に東急バスが、当時富士重工業車体で設定のなかった日産ディーゼル製のMTのノンステップバスを導入するために、例外的に西工車体車を導入したことがある。
- メーカー再編により2000年代以降は西工ボディの日産ディーゼル・三菱ふそう車が東海・北陸・関東・東北・北海道にも導入された。
- 東京都営は日産ディーゼルの中形のG代と、中形系と呼んでいた中形車幅10.5m車でH代車依り導入。大型車は富士重工業の製造中止後のL代からUA450からの導入となった。
国鉄・JRバス
国鉄バスには西工の導入はなかったが、国鉄分割民営化によりJRバスグループとなって間もない頃からJR九州バス[10]で導入されるようになり、のちJRバス関東でも積極的に導入されるようになった。また富士重工がバスボディ生産から撤退してからは日産ディーゼル車ではジェイ・アール北海道バスでも導入されている。その他のJRバスグループ各社では新車での導入例がほとんどなく、中国JRバスが2003年(平成15年)にトップドア路線車2台(共に日産ディーゼル車)を導入したのみである。
中古車
富士重工のバス事業撤退とは関係なく、関西圏事業者等からの西工ボディの中古車を導入した例が北日本・東日本・四国・沖縄にも多数ある。
注釈
出典
- ^ “経済ニュース > 西鉄子会社 派遣213人雇い止めへ バス製造事業 来夏大幅縮小 業界再編で苦境に / 九州経済”. 西日本新聞. (2009年9月8日) 2009年12月22日閲覧。
- ^ “子会社の解散に関するお知らせ” (PDF). 西日本鉄道 (2010年1月21日). 2010年1月21日閲覧。
- ^ “「子会社の解散に関するお知らせ」の一部変更に関するお知らせ” (PDF). 西日本鉄道 (2010年6月14日). 2010年6月14日閲覧。
- ^ 西鉄車体技術株式会社 歴史
- ^ 西鉄車体技術株式会社 事業内容
- ^ “西日本車体製バスボディのアフターサービス体制について”. UDトラックス (2010年8月25日). 2020年5月19日閲覧。[リンク切れ]
- ^ RKBテレビニュース「今日が最後。西日本車体工業株式会社が、会社精算」元社員へのインタビューの思い出の話しから。
- ^ ぽると出版 バスラマスペシャル9 続・西鉄バスの本 p63
- ^ オリジナルの西日本車体工業製造の物とは、灯火の取り付け方等に微妙に違いがある。
- ^ 「これまでの様に敵対(国鉄時代に採用しなかった事せず、同じ九州の仲間として仲良く地元企業から積極的に採用する事にした。」と導入の理由を、当時のJR九州乗合自動車責任者が述べて居る。
- ^ 関係者の証言による
- ^ 試作車同様に前ドアが前ヒンジの折戸、中ドアは4枚折戸の形態である。ネコ・パブリッシング「バス・グラフィック」Vol.35 p24・25より
- ^ “前がパジェロ、後ろはバス 世界に1台、伝説の「パジェロバス」EV化 福岡モビリティショーで展示”. 西日本新聞me (西日本新聞社). (2023年12月23日) 2023年12月25日閲覧。※全文閲覧は会員登録が必要
固有名詞の分類
- 西日本車体工業のページへのリンク