航空大学校 カリキュラム

航空大学校

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/04 05:33 UTC 版)

カリキュラム

練習機による操縦訓練の他、パイロットに必要な航空力学や気象に関する座学も行う。なお航空特殊無線技士航空無線通信士などの無線従事者免許証が取得出来なければ進級できないが個人で取得する必要があり、入学前の取得が推奨されている[4]

大学改革支援・学位授与機構の認定を受けていないため学位は取得できない。

全寮制で全てのキャンパスに学生寮が整備されており、在学中は先輩後輩の2名が同室となる。全寮制ではあるが在校生用の駐車場が用意され自家用車の所有が可能、外出も許可されるなど自由度は高い[5]

取得できるのは固定翼機の事業用操縦士(陸上単発と多発)と計器飛行証明である。水上機回転翼機は機材が無いため取得できない。なお1989年から2001年まではヘリコプター(ヒューズ 269C)による訓練が行われていた。

進路

操縦資格を取得後、採用試験を経て進路が決まる。日本の航空業界では、パイロットが一斉に退職し深刻な人材不足に陥る、2030年問題が懸念されており、要員確保が課題となっている。そのため、近年の卒業者の就職率は、100%に近い高水準で推移している。

官公庁の多くは運航を民間に委託[注釈 6] しており、自衛隊は独自養成のみに限定しているため、定期路線を運航する国内の航空会社への就職が主流である。なお操縦士の資格は国際民間航空機関加盟国であれば切り替え可能であるため、海外の航空会社へ就職することも可能である[注釈 7]

機材

訓練機の整備を担当する会社は分校毎に異なる。

宮崎本校:株式会社Japan General Aviation Service

仙台分校:株式会社ジャムコ

帯広分校:株式会社Japan General Aviation Service

実機の他、フライトシミュレーションも導入されている。

現行

仙台フライト課程(陸上多発及び計器飛行証明取得訓練)
宮崎フライト課程(事業用操縦士取得訓練)
帯広フライト課程

過去

初等訓練用(1968年~1993年)
初等訓練用(1992年~2020年)
初等訓練用(1971年~1994年)。
中等訓練用
中等訓練用(1974年~2005年)
中等訓練用(1987年~2012年)
中等訓練用。
回転翼機(1989年~2001年)。

沿革

  • 1954年 - 運輸省(現・国土交通省)の付属機関として宮崎県宮崎市に設置・開校(宮崎空港に隣接)
  • 1958年 - 専修科を廃止
  • 1968年 - 入学資格者を高等学校卒に引き下げ
  • 1969年 - 仙台分校を開校(仙台空港に隣接)
  • 1972年 - 帯広分校を開校(帯広空港に隣接)
  • 1978年 - 回転翼操縦士の飛行訓練を開始
  • 1987年 - 入学資格者を大学2年修了(同等)以上に引き上げ
  • 2001年 - 独立行政法人に移行
  • 2018年 - 世界的なパイロット不足に対応するため定員を108名に拡大した。

注釈

  1. ^ 公式サイトのURLは "http://www.kouku-dai.ac.jp/"
  2. ^ 第一期生の円谷英二は叔父が工面した。
  3. ^ 日本飛行学校は教官である玉井清太郎の死や1機しかない練習機の墜落で訓練が不可能となり1917年で活動を停止している。
  4. ^ 例として東海大学の航空宇宙学科航空操縦学専攻では4年間の学費約720万円に加えアメリカへの留学訓練費用として83800ドル前後が必要としている(航空宇宙学科 航空操縦学専攻|工学部|東海大学
  5. ^ 航空学生は21歳未満。民間では新卒が基本である
  6. ^ 海上保安庁は独自養成に加え不定期に有資格者採用を行っている。
  7. ^ 航空英語能力証明が必要となる

出典



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