由布市 地理

由布市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/14 03:51 UTC 版)

地理

由布岳と麓の由布院温泉

由布市は大分県のほぼ中央に位置し、北部には由布岳・城ヶ岳、南部には黒岳・花牟礼山・時山など標高の高い山岳がそびえる。市の中央部を流れる大分川によって形成された平地付近に市街地が集積しており、源流付近・由布院盆地に旧湯布院町、中流・河岸段丘の左右に旧庄内町、下流・平野部に旧挾間町の市街地を抱える。大分川沿いの市内を国道210号、JR久大本線が縦断しており、旧湯布院町では大分自動車道および大分県道11号別府一の宮線(やまなみハイウェイ、九州横断道路)が交わる。旧庄内町、旧湯布院町の一部の地域は阿蘇くじゅう国立公園の指定を受けている。国道210号沿いの九重町との境界上にある水分峠は九州における中央分水嶺の一つを成しており、由布市側の大分川水系と九重町側の筑後川水系を隔てる。

大分川沿いという繋がりをもつ市域ではあるが、明治期の行政区画においては「旧庄内町・旧挾間町は大分郡」「旧湯布院町は速見郡」として成立した経緯を持つ(その後、昭和期までに現在の市域全体が大分郡に編入された)。大分市への鉄道網が整備された前者側は合併直前においても大分都市圏の変遷に含まれており、一方の後者側は温泉観光地同士を繋ぐ目的もあり別府市との交通網が早くより構成されてきた。現在においても、NTTや九州電力の管轄地域の違いなどで交流地域の名残を確認することが出来る。

全国的に名高い由布院温泉を初め、市内各地に5つの温泉が立地しており、市内の大部分が国民保養温泉地湯布院温泉郷」に指定されている。

気候

瀬戸内海式気候に属しているが、市の大部分が山岳丘陵地域であるため、内陸性の気候の特徴が強く気温差が大きい。観測地点の設置されている旧湯布院町の中心部には盆地が形成されており、気温の日較差が大きい(そのため、放射冷却による朝が多発する)。大分自動車道の霧・降雪による交通規制もこの付近の気候の影響を強く受ける。2016年現在、湯布院の観測地点においては熱帯夜が観測されたことがなく[1]避暑地としても扱われる。

湯布院での観測値

湯布院の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 19.6
(67.3)
23.5
(74.3)
24.5
(76.1)
28.3
(82.9)
31.7
(89.1)
32.9
(91.2)
35.5
(95.9)
35.9
(96.6)
32.8
(91)
29.9
(85.8)
26.1
(79)
21.8
(71.2)
35.9
(96.6)
平均最高気温 °C°F 7.3
(45.1)
9.0
(48.2)
12.9
(55.2)
18.5
(65.3)
23.0
(73.4)
25.2
(77.4)
29.1
(84.4)
29.8
(85.6)
26.0
(78.8)
21.0
(69.8)
15.5
(59.9)
9.7
(49.5)
18.9
(66)
日平均気温 °C°F 2.3
(36.1)
3.4
(38.1)
6.8
(44.2)
11.9
(53.4)
16.8
(62.2)
20.4
(68.7)
24.2
(75.6)
24.5
(76.1)
20.7
(69.3)
15.0
(59)
9.4
(48.9)
4.1
(39.4)
13.3
(55.9)
平均最低気温 °C°F −2.2
(28)
−1.6
(29.1)
1.1
(34)
5.5
(41.9)
10.9
(51.6)
16.3
(61.3)
20.3
(68.5)
20.4
(68.7)
16.5
(61.7)
9.9
(49.8)
4.1
(39.4)
−0.8
(30.6)
8.4
(47.1)
最低気温記録 °C°F −12.3
(9.9)
−13.2
(8.2)
−10.1
(13.8)
−4.9
(23.2)
−0.6
(30.9)
5.8
(42.4)
10.7
(51.3)
12.0
(53.6)
3.8
(38.8)
−1.6
(29.1)
−5.2
(22.6)
−9.9
(14.2)
−13.2
(8.2)
降水量 mm (inch) 59.2
(2.331)
76.1
(2.996)
109.6
(4.315)
121.5
(4.783)
153.4
(6.039)
362.9
(14.287)
355.2
(13.984)
240.9
(9.484)
264.6
(10.417)
117.3
(4.618)
76.1
(2.996)
55.4
(2.181)
1,992.2
(78.433)
平均降水日数 (≥1.0 mm) 7.8 9.2 11.8 10.3 9.6 14.8 13.7 12.0 11.6 8.1 8.4 7.9 125.1
平均月間日照時間 108.8 122.1 151.1 176.1 185.5 118.5 141.2 155.4 118.7 145.8 128.3 114.5 1,665.9
出典1:気象庁[3]
出典2:気象庁[4]

地形

由布市の風景 収穫前の水田と由布岳
由布岳側より見下ろす由布院盆地

隣接する自治体

地名

住所表記において、かつての町で使われていた「大字」の表記及び「小字」、番地の枝番を示す「の」が取り除かれた。また、大字の前に合併前の旧町名を冠している。(一例、市役所所在地は大分県由布市庄内町柿原302番地)

挾間町
庄内町
湯布院町

市名の由来

豊後国風土記に由布の由来である「木綿」及び「柚富郷」が記されている。平成の合併の過程においては、「由布市」が市名一般公募のうち最多票を得た[5]ことで、そのまま選出された。旧湯布院町域の由布院温泉の他に、旧庄内町域・旧挾間町域にまたがる由布川・由布川渓谷など市域の広い範囲に関わりがある。


  1. ^ a b c d e f 湯布院 年ごとの値 詳細(気温) 気象庁
  2. ^ a b c d 観測史上1~10位の値(年間を通じての値) 湯布院(大分県) 気象庁
  3. ^ 平年値(年・月ごとの値)”. 気象庁. 2023年8月29日閲覧。
  4. ^ 観測史上1~10位の値(年間を通じての値)”. 気象庁. 2023年8月29日閲覧。
  5. ^ "(大分県)挾間・庄内・湯布院合併協議会ホームページ". 総務省. 2017年7月13日閲覧。
  6. ^ 震度データベース検索 (地震別検索結果)
  7. ^ 大分県で震災関連死3人 熊本以外で初 - 産経WEST、2017年2月21日
  8. ^ 平成 28 年熊本地震の概要等 (PDF) - 平成28年熊本地震検証報告書、大分県防災対策企画課
  9. ^ 震度データベース検索 (地震別検索結果)
  10. ^ 大分県由布市で震度5強 ガラス割れ駅舎封鎖 - 産経ニュース、2016年4月29日
  11. ^ 市議会の構成”. 2019年2月10日閲覧。
  12. ^ a b 市報ゆふ 2016年6月号(Vol.129) pp4 - pp6, 2016年7月号(Vol.130)pp2 - pp3
  13. ^ 選挙区別議員名簿 大分県ホームページ
  14. ^ 湯布院温泉郷(由布院温泉、湯平温泉、塚原温泉、庄内温泉、挾間温泉) 国民保養温泉地計画の概要” (PDF). 大分県由布市. 201-9-7閲覧。






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