漁船
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/08 03:59 UTC 版)
概説
大きく「漁猟船(ぎょろうせん)」「母船(工船)」「運搬船」、その他に分類することができる。また漁猟船は漁法などにより分類することもできる。→#分類・種類
漁船の大きさや構造や材質は、地域、漁法、目的とする魚、漁場などにより、大きく異なる。現在でも木造の漁船が主力の地域もあるし、動力に帆を用いている漁船を用いている地域もある。→#多様性、#材質
動力付きの漁船の数に関する2016年の国際統計によると[1]、上位4国は以下のようになっている。
なお、この統計数は、動力を備えていない 手漕ぎの小さな漁船は含まれていない。
分類・種類
大きく「漁猟船(ぎょろうせん)」「母船(工船)」「運搬船」その他に分類することができる。 漁猟船とは魚を獲るための船のことである。母船とは洋上基地として機能し 漁猟船が獲った魚を受け取る大型の船のことである。母船が魚を加工するための船内工場を備えている場合は「工船」と呼ぶ。運搬船とは、獲った魚を海上で受け取ってまとめて港まで運搬するための船である。
漁猟船
漁猟船は、魚の獲り方(漁法)によって分類名がつけられている(例:「流網漁船」「刺網漁船」 等々)。また、獲る魚によって分類名がつけられることもある。
- 釣漁船(つりぎょせん): かつお釣漁船、さば釣漁船、いか釣漁船 等々、多種類ある。
- 延縄漁船:延縄(はえなわ)漁をする漁船
- 流網漁船: 流網(ながしあみ)漁を行う漁船であり、たとえばサケ・マス流網漁船など、網を固定せずに魚が自ら絡まることで獲る
- 刺網漁船 :刺網(さしあみ)漁を行うもので、イワシ、サバ、サンマ、メバル、チヌ、カレイ、カニ、クルマエビなど海中の魚や海底の甲殻類が回遊などで移動してくる針路を遮断するように網を固定接地して獲物を得る船がある
- 旋網漁船:旋網(まきあみ)漁を行い、魚群の周りに網を入れて囲い込んで魚を獲る船
- 敷網漁船: 敷網(しきあみ)漁を行い、魚群の下に網を入れて魚をすくい取る船
- 突棒漁船 : 突棒を行う漁船。つまりカジキやマグロを突いて獲るための船
- 曳網漁船 : 曳網(ひきあみ)漁を行う船であり、網を海中で曳いて魚を獲る船
- トロール漁船 : 底引き網を引いて魚を獲る船
- 白蝶貝採取漁船
- 海獣猟船 : アシカやアザラシを捕獲するための船
母船・工船
遠洋漁業には、漁獲を直接水揚げ港に運んだのでは非効率であることから、直接漁猟には携らず専ら漁獲をとりまとめ洋上基地として各種支援をおこなう少数の母船、および漁猟をおこなう多数の漁船、からなる「船団」によって漁業をおこなうものがある。母船の船内に獲った魚の加工設備を備える場合があり、「○○工船」と呼ぶ。
- 北洋漁業 おもに北洋漁業で、母船に付随する多数の漁猟専門の小型船を「独航船」(どっこうせん)と呼ぶ。
- 鮭鱒母船(さけますぼせん): 母船式北洋鮭鱒漁の母船 1隻の母船に約40隻の独航船が従う。
- かに工船 : 蟹工船も参照。
- 捕鯨母船: 母船式捕鯨に携わる母船。母船式捕鯨において漁猟をおこなう船はキャッチャーボートと呼ぶ。詳しくは捕鯨船を参照。現在の日本の調査捕鯨(日本の捕鯨も参照)では、1隻の母船に4隻のキャッチャーボートと3隻の調査船が従う。
- ミール母船
- すりみ母船
- 冷凍工船
運搬船
- 冷凍運搬船
- 活魚運搬船
- ミール運搬船
その他
歴史
この節の加筆が望まれています。 |
-
海の博物館所蔵の木造漁船コレクション
- ^ Global Note
- ^ 船と海の研究会編 『海洋船舶の科学』 日刊工業新聞社 2008年4月30日初版第1刷発行 ISBN 9784526060533
- ^ [1]
- ^ 情報通信審議会諮問第50号 「海上無線通信設備の技術的条件」のうち「簡易型 AIS 及び小型船舶救急連絡 装置等の無線設備に関する技術的条件」(案) 別紙3 27-28頁 総務省
- ^ “積丹が生んだ「巨匠」造形家 竹谷隆之”. NHK北海道. 2024年1月8日閲覧。
- ^ “漁船の化粧板”. khirin-a.rekihaku.ac.jp(国立歴史民俗博物館). 2024年1月8日閲覧。
- ^ a b 諸外国(EU、米国、ノルウェー)の漁業と漁業政策の概要 水産庁
- ^ a b c d e “ノルウェーの漁業及び漁業管理について”. 水産庁. 2021年9月26日閲覧。
漁船と同じ種類の言葉
- >> 「漁船」を含む用語の索引
- 漁船のページへのリンク