東京都交通局12-600形電車
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都営地下鉄12-600形電車 | |
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東京都交通局12-600形1次車 (2012年3月16日 光が丘駅) | |
基本情報 | |
運用者 | 東京都交通局 |
製造所 |
川崎重工業→川崎車両 (1次車・3次車) 日本車輌製造(2次車) |
製造年 | 2012年 - |
運用開始 | 2012年2月23日 |
投入先 | 大江戸線 |
主要諸元 | |
編成 | 8両編成 |
軌間 | 1,435 mm (標準軌) |
電気方式 | 直流1,500V(架空電車線方式) |
設計最高速度 | 70 km/h |
起動加速度 | 3.0 km/h/s |
減速度(常用) | 3.5 km/h/s |
減速度(非常) | 4.5 km/h/s |
車両定員 |
1・2次車:先頭車90人 座席36人 中間車100人 座席44人(車椅子スペース付40人) 3次車:先頭車84人 座席27人 中間車95人 座席33人 |
自重 | 25.5 - 25.9 t |
全長 |
先頭車 16,750 mm 中間車 16,500 mm |
全幅 | 2,490 mm |
全高 | 3,140 mm |
車体 | アルミ合金 |
台車 |
リニアモーター方式空気ばね台車(セルフステアリング機構付き) T-12D |
主電動機 | 車上1次片側式三相リニア誘導電動機 |
主電動機出力 | 120 kW |
制御方式 |
VVVFインバータ制御 (1・2次車IGBT素子、3次車ハイブリッドSiC素子) |
制御装置 |
1・2次車:TINV-12B 3次車:VFI-HL2415D |
制動装置 |
電空併用全電気指令式電磁直通ブレーキ(電気演算回生優先空気回生補足付) TB-12A |
保安装置 | 新CS-ATC・ATO |
概要
東京都交通局は、2010年(平成22年)2月に経営計画「ステップアップ2010」を策定した[3]。この策定に基づき、大江戸線においてプラットホーム上での事故防止を目的として、2013年(平成25年)6月までに各駅へ順次ホームドアの設置を進めている[3]。しかし、ホームドアの設置後は駅停車時分が増加することから、ラッシュ時における混雑緩和を目的として、8両編成2本(16両)の本形式を導入して輸送力増強を図ることとなった [3]。
当初計画では2011年(平成23年)度末に2編成とも導入する予定であったが[3]、2編成目については同年3月に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の影響により機器メーカーで製造中の制御装置が破損し、改めて機器の再製造をしたため、約半年遅れで落成した[3][4]。
第61編成(12-611 - 12-618)は2011年8月下旬に川崎重工業兵庫工場から根岸(横浜本牧)まで甲種輸送された[5]。その後同月から9月にかけて搬入作業を行い、誘導障害試験や性能確認試運転、乗務員訓練を実施した後の2012年2月23日に営業運転を開始した[1]。第62編成(12-621 - 12-628)は同年3月に搬入され、5月より営業運転に就いている。大江戸線用で使われる車両としてはE5000形電気機関車に続く2番目の川崎重工業製の車両である[6]。
車両は小型地下鉄規格のリニアモーター地下鉄であり、車体は大形押出形材を用いたオールアルミニウム合金製の無塗装車体としている[7]。ただし、車両側面の客用ドアについては、アルミ製ではなくステンレス製とした[7]。
本形式の基本的な機器や仕様などは12-000形4次車をベースとしているが、4次車の製造終了から10年以上が経ち、製造中止となった部品もあることから一部で設計変更が行われている[3]。
2014年度からは、製造から20年以上が経過した12-000形1・2次車の置き換え用として2次車(第63編成から第68編成)が導入されている。2018年度からは、輸送力増強および12-000形3次車の置き換え用として3次車(第69編成 - )が導入されている。これら増備車は、当初導入された1次車とは仕様が大きく変更されているため、変更点については後述する。
車体
本形式の外観デザインは、既に12-000形が「大江戸線のイメージ」ともなっていることから同系列をベースとしたものとし、乗務員の居住性向上のために前頭部は傾斜をなくして直立化させた先頭形状とした[7]。大江戸線のホームは基本的に島式構造のため、運転台は進行方向右側配置とし、前面非常扉は進行方向左側にオフセットされている[8]。
車体に巻かれるラインカラーは大江戸線の「マゼンタ」をアレンジした「ぶどう酒色」と「いちご色」、さらには白色のカラーを加えることで、軽快なイメージを表現している[3]。また、側面ではホームドアの設置後も新型車両であることをアピールするため、側窓上部にも赤色のラインを追加している[7]。12-000形では車体側面の車両番号表記は車体下部と窓横付近の2か所に表記されていたが、本系列では窓横付近1か所とした[6]。
乗務員室・運転台配置は、乗務員の取り扱いや視認性などを考慮して、基本的に12-000形とほぼ同一としている[7]。大江戸線は基本的に島式ホーム構造のため、運転台は右側配置としている[9]。マスコンハンドルは右手操作形ワンハンドル式を採用している[8]。また、ホームドア制御のため、ドアの開閉指令を地上側に伝える車上伝送装置を運転台上部に設置している[9]。
- ^ a b 交通新聞社「鉄道ダイヤ情報」2012年4月号DJ NEWS FILE「東京都交通局12-600形(大江戸線)」参照
- ^ PHP研究所「都営地下鉄・都電・都バスのひみつ」
- ^ a b c d e f g h i j 日本鉄道運転協会「運転協会誌」2012年1月号新型車両プロフィールガイド「東京都交通局 大江戸線12-600形車両の概要」参照。
- ^ a b c ネコ・パブリッシング「レイルマガジン」2012年5月号NEW COMER「大江戸線12-600形車両の概要について」記事。
- ^ 都営大江戸線向け12-600形が甲種輸送される アーカイブ 2020年12月2日 - ウェイバックマシン - railf.jp 鉄道ニュース、2011年8月29日掲載。
- ^ a b c d 鉄道図書刊行会「鉄道ピクトリアル」2012年10月臨時増刊号鉄道車両年鑑2012年版「東京都交通局12-600形」152-153頁記事。
- ^ a b c d e f g h i 交友社「鉄道ファン」新車ガイド「東京都交通局12-600形」50-52頁記事。
- ^ a b c d 鉄道図書刊行会「鉄道ピクトリアル」2012年6月号New model「東京都交通局12-600形」記事。
- ^ a b c d e f g 日本地下鉄協会「SUBWAY」No.194車両紹介「東京都交通局大江戸線12-600形車両」記事。
- ^ a b c d e f g 交友社「鉄道ファン」新車ガイド「東京都交通局12-600形」53-54頁記事。
- ^ 東洋電機製造「東洋電機技報」No.125(2012年3月)「東京都交通局12-600形車両用低圧電源装置」 (PDF) (インターネットアーカイブ)。
- ^ 馬込車両検修場では、車両の在場日数を減らすために台車やパンタグラフなど一部機器については整備済みの予備品(リンク品)を用意している。入場車両の整備対象機器はリンク品へと交換し、入場車両から取り外した整備対象機器は別途整備の上、次回入場の別な編成に使用される。
- ^ a b c d e f 日本鉄道車両機械技術協会「ROLLINGSTOCK&MACHINERY」2015年7月号研究と開発「都営大江戸線12-600形2次車の概要」24-26頁記事。
- ^ a b 日本鉄道車両工業会「車両技術」250号「東京都交通局 大江戸線 12-600形車両(2次車)」記事。
- ^ a b c d e f g h i j 日本鉄道車両機械技術協会「ROLLINGSTOCK&MACHINERY」2015年7月号研究と開発「都営大江戸線12-600形2次車の概要」27-28頁記事。
- ^ 東京都交通局『都営交通のあらまし2015』p.30「経営状況」記事。
- ^ 「三菱電機技報」2016年01月号「横長LCD表示器 アーカイブ 2016年10月11日 - ウェイバックマシン
- ^ a b c d e f g h i j k 日本鉄道車輌工業会「車両技術」258号(2019年9月)「東京都交通局 大江戸線12-600形車両(3次車)」35-44頁記事。
- ^ 東京都交通局『都営交通のあらまし2019』p.30「経営状況」記事。
- ^ 乗客への案内用に戸袋部には大江戸線の路線マーク「E」を表記している。
- ^ このため、座席定員を4・7・7・4人掛けから3・6・6・3人掛けに変更した。
- ^ 「産業資材」 - 龍村美術織物HP(インターネットアーカイブ)。
- ^ 車椅子スペースとフリースペースの違いは、車椅子固定用ベルトの有無のみである。東京都交通局の資料では、両者を区別して記載している。
- ^ a b c d e f g 日本鉄道車輌工業会「車両技術」258号(2019年9月)「東京都交通局 大江戸線12-600形車両(3次車)」45-57P記事。
- ^ 乗務員室内の800Wファンヒーターは存置されている。
- ^ a b c 日本鉄道サイバネティクス協議会「鉄道サイバネ・シンポジウム論文集」第56回(2019年)「東京都交通局12⁻600形3次車ATIの開発」論文番号508。
- ^ 東京都交通局向けリニア式地下鉄車両を受注 アーカイブ 2020年6月5日 - ウェイバックマシン - 川崎重工ニュースリリース 2016年5月26日掲載
- ^ 東京都交通局経営計画2019 アーカイブ 2020年5月14日 - ウェイバックマシン - 東京都交通局 2019年1月26日発表
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