東京都交通局12-600形電車
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2次車
大江戸線開業以来使用してきた12-000形1・2次車(実際には2次車および中間に連結される3次車は開業当初から使用されていない)8両編成6本(48両)が老朽取り替え時期を迎えたため、置き換え用車両として導入された[13]。基本的には1次車をベースとしながら「お客様へのサービス向上、「安全性能向上」、「バリアフリーの対応」など「人にやさしい車両」を設計コンセプトとしている[14]。2次車は2014年度内に搬入され、2015年(平成27年)4月6日から営業運転を開始している[15]。2次車は第63編成(12-631 - 12-638)から第68編成(12-681 - 12-688)が該当。車両価格は2014年度車(第63・64編成)の2編成で「20億円」(消費税抜・1編成あたり 10億円)である[16]。
前面デザインは1次車をベースとしながら、下部のスカートと連結器部の形状を変更することで、1次車とは異なるイメージとした[13]。側面については、ホームドア越しにも一目で新車と認識できるよう、側窓横の戸袋部にいちご色とぶどう酒色のラインカラーフィルムを貼り付けている[13]。
車外の行先表示器はフルカラーLEDを採用した[15]。1次車導入時の大江戸線はホームドアの導入前であったが、2次車導入時には全駅にホームドアの設置が完了したことから、連結間転落防止幌の設置は省略された[15]。
- 内装
車内は化粧板の表面仕上げを光沢仕上げとして清潔感のあるものとし、袖仕切については形状は1次車と同様だが、袖仕切表面には大江戸線からイメージされる籠目の江戸小紋柄を採用している[13]。車内照明は蛍光灯からLED照明に変更した[15]。荷棚高さは1次車の1,745mmから1,700mmに低下させ、使いやすさの向上を図っている[15]。つり革は1両につき16個増設されている[15]。
側窓ガラスは、1次車は厚さ5mmの強化ガラスであったが、2次車では遮音性向上のため厚さ3mmの強化ガラス2枚による合わせガラス構造に変更した[15]。客用ドアはドアガラスを1次車の単板ガラスから複層ガラス構造へ変更し、遮音性の向上ならびに安全性を向上させている[15]。連結面貫通扉は、開閉機構を1次車の重力式から、2次車では水平式に変更したほか、扉のガラスは、側窓同様に厚さ3mmの強化ガラス2枚による合わせガラス構造とした[15]。
車内案内表示器には19インチサイズでドア上の狭小スペースに対応した三菱電機製の横長液晶表示器(Super Wide LCD Equipment)を採用した[13][17]。ドア横の左側には1両につき6台の17インチ液晶表示器(愛称・チカッ都ビジョン)を設置しており、東京都や交通局のPR動画等を提供している[15]。
- 走行機器など
乗務員室は1次車と基本的に同一仕様だが、車内案内表示装置に液晶式を採用したことにより、乗務員室背面の機器配置が変更された[14]。制御装置、主電動機(リニアモータ)、補助電源装置、台車などの主要機器は基本的に1次車と同一としている[13]。
- ^ a b 交通新聞社「鉄道ダイヤ情報」2012年4月号DJ NEWS FILE「東京都交通局12-600形(大江戸線)」参照
- ^ PHP研究所「都営地下鉄・都電・都バスのひみつ」
- ^ a b c d e f g h i j 日本鉄道運転協会「運転協会誌」2012年1月号新型車両プロフィールガイド「東京都交通局 大江戸線12-600形車両の概要」参照。
- ^ a b c ネコ・パブリッシング「レイルマガジン」2012年5月号NEW COMER「大江戸線12-600形車両の概要について」記事。
- ^ 都営大江戸線向け12-600形が甲種輸送される アーカイブ 2020年12月2日 - ウェイバックマシン - railf.jp 鉄道ニュース、2011年8月29日掲載。
- ^ a b c d 鉄道図書刊行会「鉄道ピクトリアル」2012年10月臨時増刊号鉄道車両年鑑2012年版「東京都交通局12-600形」152-153頁記事。
- ^ a b c d e f g h i 交友社「鉄道ファン」新車ガイド「東京都交通局12-600形」50-52頁記事。
- ^ a b c d 鉄道図書刊行会「鉄道ピクトリアル」2012年6月号New model「東京都交通局12-600形」記事。
- ^ a b c d e f g 日本地下鉄協会「SUBWAY」No.194車両紹介「東京都交通局大江戸線12-600形車両」記事。
- ^ a b c d e f g 交友社「鉄道ファン」新車ガイド「東京都交通局12-600形」53-54頁記事。
- ^ 東洋電機製造「東洋電機技報」No.125(2012年3月)「東京都交通局12-600形車両用低圧電源装置」 (PDF) (インターネットアーカイブ)。
- ^ 馬込車両検修場では、車両の在場日数を減らすために台車やパンタグラフなど一部機器については整備済みの予備品(リンク品)を用意している。入場車両の整備対象機器はリンク品へと交換し、入場車両から取り外した整備対象機器は別途整備の上、次回入場の別な編成に使用される。
- ^ a b c d e f 日本鉄道車両機械技術協会「ROLLINGSTOCK&MACHINERY」2015年7月号研究と開発「都営大江戸線12-600形2次車の概要」24-26頁記事。
- ^ a b 日本鉄道車両工業会「車両技術」250号「東京都交通局 大江戸線 12-600形車両(2次車)」記事。
- ^ a b c d e f g h i j 日本鉄道車両機械技術協会「ROLLINGSTOCK&MACHINERY」2015年7月号研究と開発「都営大江戸線12-600形2次車の概要」27-28頁記事。
- ^ 東京都交通局『都営交通のあらまし2015』p.30「経営状況」記事。
- ^ 「三菱電機技報」2016年01月号「横長LCD表示器 アーカイブ 2016年10月11日 - ウェイバックマシン
- ^ a b c d e f g h i j k 日本鉄道車輌工業会「車両技術」258号(2019年9月)「東京都交通局 大江戸線12-600形車両(3次車)」35-44頁記事。
- ^ 東京都交通局『都営交通のあらまし2019』p.30「経営状況」記事。
- ^ 乗客への案内用に戸袋部には大江戸線の路線マーク「E」を表記している。
- ^ このため、座席定員を4・7・7・4人掛けから3・6・6・3人掛けに変更した。
- ^ 「産業資材」 - 龍村美術織物HP(インターネットアーカイブ)。
- ^ 車椅子スペースとフリースペースの違いは、車椅子固定用ベルトの有無のみである。東京都交通局の資料では、両者を区別して記載している。
- ^ a b c d e f g 日本鉄道車輌工業会「車両技術」258号(2019年9月)「東京都交通局 大江戸線12-600形車両(3次車)」45-57P記事。
- ^ 乗務員室内の800Wファンヒーターは存置されている。
- ^ a b c 日本鉄道サイバネティクス協議会「鉄道サイバネ・シンポジウム論文集」第56回(2019年)「東京都交通局12⁻600形3次車ATIの開発」論文番号508。
- ^ 東京都交通局向けリニア式地下鉄車両を受注 アーカイブ 2020年6月5日 - ウェイバックマシン - 川崎重工ニュースリリース 2016年5月26日掲載
- ^ 東京都交通局経営計画2019 アーカイブ 2020年5月14日 - ウェイバックマシン - 東京都交通局 2019年1月26日発表
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