折たく柴の記
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/11 23:57 UTC 版)
概要
老人となり余生を過ごした新井白石が人生思えばで人生振り返った自身の伝記であり、上巻は白石の祖父母や両親の伝記、白石の生い立ちから甲府家出仕までの出来事、中巻と下巻は幕府関係の出来事が中心で、徳川家宣や徳川家継の政治的業績がまとめられている[1]。また、白石が編纂した諸大名家の系譜諸である『藩翰譜(はんかんふ)』作成のいきさつが記載されている[要出典]。
書名について白石自身は言及していないが[1]、後鳥羽天皇の御製
- 思ひ出づる折りたく柴の夕煙むせぶもうれし忘れ形見に(新古今和歌集巻第八『哀傷歌』)
に由来するとされる[1]。また、序文に「外ざまの人の見るべきものにもあらねば、ことばのつたなきをも、事のわづらはしきをも、えらぶべしやは」とあり、本来は非公開のものとして書かれたものである[1]。新井家に伝わる自筆本のほか、いくつかの写本が現存する[1]。
歴史学のみならず、文学研究では日記文学としての文学性(芸術性)も評価されている[2][3]。
刊行本
- 原典校訂
- 現代語訳
- 桑原武夫訳『折たく柴の記』藤田覚 新版解説、中公クラシックス、2004年。ISBN 4121600673
- 英訳
- ジョイス・アクロイド訳 "Told Round a Brushwood Fire: the Autobiography of Arai Hakuseki" 東京大学出版会、1979年
- 1 折たく柴の記とは
- 2 折たく柴の記の概要
- 3 外部リンク
折たく柴の記と同じ種類の言葉
自叙伝に関連する言葉 | 夢酔独言 宇下人言 折たく柴の記 浮生六記 福翁自伝 |
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