国際科学技術博覧会 国際科学技術博覧会の概要

国際科学技術博覧会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/23 15:38 UTC 版)

国際科学技術博覧会
The International Exposition, Tsukuba, Japan, 1985
国際科学技術博覧会のロゴ
イベントの種類 国際博覧会(特別博)
通称・略称 科学万博、つくば万博、つくば科学万博、つくば '85、Tsukuba Expo '85 など
正式名称 国際科学技術博覧会
開催時期 1985年3月17日 - 9月16日
会場 日本
 茨城県筑波研究学園都市
主催 財団法人国際科学技術博覧会協会
出展数 48ヵ国(日本を含む)と37の国際機関、28の民間企業・団体
来場者数 2033万4727人
最寄駅 国鉄常磐線万博中央駅 (後に現在のひたち野うしく駅に改装)
直通バス 万博中央駅、水海道駅牛久駅土浦駅
駐車場
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国際科学技術博覧会の会場(つくば市提供画像)

概要

開催前年の1984年撮影の会場周辺の空中写真。パビリオン等の施設の多くが確認できる。
1984年撮影の2枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。
上記画像とほぼ同じ範囲を撮影した1990年の空中写真。パビリオン等の施設は撤去され再開発が進んでいる。
1990年撮影の4枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

1978年に科学技術庁がエネルギー問題を中心とした科学技術博覧会構想を立案し、9月22日にコンセプトプランを発表。1981年1月にテーマや基本構想原案がまとまり4月22日に『「国際博覧会に関する条約」に基づく特別博覧会』として登録され開催が決定し、財団法人国際科学技術博覧会協会が主催となって行われた。

人間・居住・環境と科学技術Dwellings and Surroundings - Science and Techonology for Man at Home)」を博覧会統一主題(いわゆる「テーマ」)とし、日本を含む48ヵ国と37の国際機関が参加した。総入場者数は、2033万4727人であった。首都圏で行われた万博という開催場所の地の利も手伝って、この総入場者数は当時の特別博覧会史上最高入場者記録となった。会場面積は101.6ヘクタール

組織

シンボルマーク

「宇宙」「地球」「人間」「科学」「芸術」などの未来像をイメージして作られたという。形は、青地の三角形の中に白丸と2個の輪が描いたものが使用された。三角形の頂点は「筑波の山々」を表し、みっつの角は、「人間」「居住」「環境」を、白丸は「太陽」を、ふたつの輪は「人間」と「科学」を表す。田中一光作。

マスコット

マスコットキャラクターは「コスモ星丸(ほしまる)」。1981年から1982年にかけて、日本全国の小中学生から公募され、当時愛知県一宮市に住んでいた中学1年生の女子生徒がUFOをイメージして描いたものに、選考委員だった和田誠が仕上げを加えたものであるという[1]。なお当初は「ピコちゃん」という仮称が付けられていたが、アンケート調査などを経て正式名が決定した[1]

CMや宣伝番組出演時の声優は富田耕生

入場料

  • 当日発売入場券
    • 大人:2700円
    • 中人:1400円
    • 小人:700円
  • 前売入場券(2割引)
    • 大人:2160円
    • 中人:1120円
    • 小人:560円
  • 夜間入場券(午後4時以降)
    • 大人:1400円
    • 中人:700円
    • 小人:400円
  • 回数券(5回分)
    • 大人:12000円
    • 中人:6000円
    • 小人:3000円

会場

第一会場(メイン)
茨城県筑波郡谷田部町御幸が丘(現在:つくば市御幸が丘)。現在は、筑波西部工業団地 及び 科学万博記念公園となっている。
第二会場(サブ)
茨城県新治郡桜村吾妻(現在:つくば市吾妻)二丁目9番地。現在は、つくばエキスポセンターとなっている。

開催中の様子

開会式

開会式は、開幕前日の3月16日にエキスポプラザで行われ、皇太子明仁(名誉総裁)・同妃美智子礼宮文仁が臨場し開催された。参加48の国旗・国際機関・28のパビリオンの入場行進は「EXPO'85マーチ」で、服部克久が作曲した。吹奏楽団と合唱団は茨城県内の高校生徒から選抜され、合唱団は全員が女性による女声合唱であった。管弦楽NHK交響楽団で、指揮外山雄三であった。国旗・国際機関の掲揚の際には「EXPO '85讃歌 ここは宇宙」(作詞 阪田寛夫、作曲 芥川也寸志)が合唱された。BIE旗がBIE副議長から博覧会協会会長の土光敏夫に手渡され、土光、官房長官の藤波孝生(当時首相の中曽根康弘の代読)、皇太子らが式辞を述べ、博覧会担当大臣の竹内黎一により開幕のスイッチが押された。開会式では、他にアトラクションとして、N響と「WASUBOT」によるバッハの『G線上のアリア』、茨城大学教育学部附属小学校児童によるシンセサイザーのためのベートーヴェンの『交響曲第9番』の演奏が行われ、フィナーレには西城秀樹と子供たちによる『一万光年の愛』のライブパフォーマンスで終了した。

おもな出来事

閉会式

閉会式は、最終日の9月16日にエキスポプラザで行われ、皇太子夫妻が臨場の下、開催された。参加48の国旗・国際機関・28のパビリオンの入場行進の後、博覧会協会会長 土光敏夫、首相 中曽根康弘、皇太子らが式辞を述べ、国旗・BIE旗・科学万博旗・国際機関旗が一斉に降ろされ、BIE旗が1986年のバンクーバー国際交通博覧会パトリック・リード(カナダ政府代表)に引き継がれた。その後、ブルガリア人民共和国・オーストラリア・カナダで開催される万博の成功を祈願して記念品が贈呈された。最後に、万博に参加した関係者に子供たちから花束が手渡され、蛍の光が流れる中、閉会式が終了した。

会場アクセス


注釈

  1. ^ 当時の新聞記事により

出典

  1. ^ a b 『つくば科学万博クロニクル』、24頁。
  2. ^ 美の日本代表決まる『中日新聞』1985年9月14日22面
  3. ^ ミス・インターナショナル ベネズエラの22歳『中日新聞』1985年9月16日18面
  4. ^ 『つくば科学万博クロニクル』、8頁。
  5. ^ 後にプロ野球選手ヤクルトスワローズ内野手)→スポーツライターに転向。
  6. ^ [1]
  7. ^ 『つくば科学万博クロニクル』、9頁。
  8. ^ 『つくば科学万博クロニクル』、10頁。
  9. ^ a b 『つくば科学万博クロニクル』、150頁。
  10. ^ 『つくば科学万博クロニクル』、11頁。
  11. ^ 科学万博 つくば’85 鉄鋼館 - 川田テクノロジーズ株式会社、2015年8月3日閲覧。
  12. ^ a b ジャンボトロン 巨大画面に人々夢中(古今東西万博考) - 日本経済新聞2020年1月4日
  13. ^ 『つくば科学万博クロニクル』、96頁。
  14. ^ 『つくば科学万博クロニクル』、97頁。
  15. ^ 『つくば科学万博クロニクル』、95頁。
  16. ^ 『つくば科学万博クロニクル』、17頁。
  17. ^ <科学万博用の送電線路>エキスポール送電開始『新電気』38(12)(489)オーム社 [編] (オーム社, 1984年10月号
  18. ^ エキスポ-ルの投光照明 (科学万博--つくば′85の照明<特集>) -- (基幹施設の屋外照明(資料))『照明学会誌』 69(5), p238-240, 1985年5月号
  19. ^ 『つくば科学万博クロニクル』、99頁。
  20. ^ サイバーダインスタジオ施設概要(2013年8月4日閲覧)
  21. ^ つくばエキスポセンター 科学万博‐つくば’85メモリアル(2013年8月4日閲覧)
  22. ^ 二宮忠八飛行館ホームページ - 展示のご案内(2023年12月14日閲覧)
  23. ^ エネルギーランドのロボットたち(2023年12月14日閲覧)
  24. ^ “坂本九さん没後に届いた手紙、長女大島花子が明かす”. 日刊スポーツ. (2017年1月30日). https://www.nikkansports.com/entertainment/news/1772071.html 2021年3月24日閲覧。 
  25. ^ 『つくば科学万博クロニクル』、148頁。
  26. ^ こいびとはいるかな 桶川事件被害者からポストカプセル朝日新聞。(インターネットアーカイブのキャッシュ)
  27. ^ 『読売新聞』1985年6月11日2面。
  28. ^ a b 『つくば科学万博クロニクル』、151頁。
  29. ^ a b 『つくば科学万博クロニクル』、146頁。
  30. ^ 『つくば科学万博クロニクル』、120頁。
  31. ^ a b 『つくば科学万博クロニクル』、152頁。
  32. ^ 宝くじのあゆみ 昭和59年〜平成10年、宝くじ公式サイト - 2021年11月27日閲覧。
  33. ^ 『スヌーピー・ブティック―Peanuts vintage collectibles (2)』辰巳出版(タツミムック)、2002年、127頁。ISBN 4-88641-744-2


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