国鉄タキ35000形貨車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/27 05:07 UTC 版)
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国鉄タキ35000形貨車 | |
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タキ35000形、タキ35736 1979年11月、宇都宮駅 | |
基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 |
日本国有鉄道 日本貨物鉄道(JR貨物) |
所有者 | 日本石油輸送、三菱石油、モービル石油、エッソ・スタンダード石油、日本漁網船具、ゼネラル石油、日本陸運産業、日本石油、昭和石油、大協石油、シェル石油、共同石油、豊年製油、石油荷役、九州石油 |
製造所 | 日立製作所、三菱重工業、日本車輌製造、富士車輌、富士重工業、飯野重工業、川崎車輛、汽車製造、帝國車輛工業、東急車輛製造、新潟鐵工所 |
製造年 | 1966年(昭和41年) - 1973年(昭和48年) |
製造数 | 1,108両 |
消滅 | 2009年(平成21年) |
常備駅 | 扇町駅、倉敷(タ)駅、郡山駅他 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒又は青15号 |
専用種別 | ガソリン |
化成品分類番号 | 燃32 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 12,620 mm |
全幅 | 2,720 mm |
全高 | 3,825 mm |
タンク材質 | 耐候性高張力鋼 |
荷重 | 35 t |
実容積 | 47.9 m3 |
自重 | 16.0 t |
換算両数 積車 | 5.0 |
換算両数 空車 | 1.6 |
台車 | TR41C、TR41G他 |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 1,650 mm |
台車中心間距離 | 8,820 mm |
最高速度 | 75 km/h |
同一の車体構造で同時に製作された石油類専用タンク車タキ45000形についても本項目で解説する。
概要
国鉄初の 35 t 積ガソリン専用タンク車タキ9900形の後継形式として開発された、新設計の 35 t 積ガソリン専用タンク車である。
従来、車両メーカー各社が各々別個に開発を進め、多数の形式・仕様の車両を競作していた体制を見直し、メーカー間で仕様を統一する「標準設計方式」を国鉄貨車で初めて採り入れた形式である。簡素な構造で荷重拡大が可能となり、煩雑な製作工程や構造上の欠点が顕在化したタキ9900形に代わって大量に製作された。
35 t 積ガソリンタンク車の事実上の標準形式となったほか、工作が容易であることから、本形式の構造は多数のタンク車に応用され、種々の派生形式が開発された。
構造
タキ9900形で用いたフレームレス構造を廃し、中梁を省略した台枠上に耐候性高張力鋼を用いて軽量化したタンク体を搭載する方式を採用する。タンク体は中央部が直円柱形状、両端部が車端に向かって径が小さくなる円錐形状の異径胴で、「葉巻型」と形容される。重心を下げるため、タンク体中央部は台枠中央部に落とし込み、タンク体は前後の受台と台枠側梁中央部の側受で支持される構造である。
各部の仕様は軽量化と強度確保が図られ、台枠付の構造でありながら自重は約 16.0 t に抑えられ、タキ9900形より約 1.5 t 軽量化された。全長は 12,620 mm で、タキ9900形より僅かに短い。外部塗色は黒色である。
積込設備としてマンホールをタンク体上部に設ける。従来車にあった上部ドームは装備せず、2個の安全弁はタンク体上部に直接設置される。取卸はタンク下部中央に設けた吐出管を用いる「下出し方式」である。
台車は当初、平軸受・重ね板ばねの枕ばねをもつベッテンドルフ式の TR41C 形を装備し、後年製作の車両では細部を改良した TR41G 形・TR41E 形などに移行した。ボギー中心間距離の短いタキ45000形では走行安定性向上のため、枕ばねのコイルばね化・オイルダンパ併設を1976年(昭和51年)から全車に施し、台車形式を TR41DS-12に変更している。
ブレーキ装置は積空切替式の自動空気ブレーキを搭載し、車体側面に足踏みテコ式の留置ブレーキを備える。最高速度は 75 km/h である。
運用の変遷・現況
本系列は標準形式として大量に製作され、石油専用列車の他にも、一般の貨物列車に併結され地方の小規模油槽所などへの運用も多数存在した。一時は日本オイルターミナル所有の車両が両形式に存在し、タキ43000形と同一の青15号(濃青色)塗色で使用された。
新日本石油・昭和シェル石油・モービル石油など所有者は多数に上るが、石油会社がタンク車を直接所有する輸送体制は本系列が事実上最後となり、後継形式であるタキ40000形・タキ38000形以降の形式では日本石油輸送・日本オイルターミナルなどの専門輸送業者が所有する体制に移行した。
近年では輸送単位の大型化・集約化が進み、運転速度向上の要請や老朽化、タキ1000形の製作による取替えの進行などで急速に淘汰が進んだ。2006年(平成18年)度末の在籍数は2形式合計357両にまで減少している。
残存車は需要の増加する冬季に臨時輸送用に用いられるほか、米軍横田基地向け燃料[1]輸送用として、拝島 - 安善間で運用された車両が存在した。これは「米タン」と通称される運用で、従前から用いていたタキ3000形を置換え、日本陸運産業所属車が1996年(平成8年)頃から使用されていたが、平成20年頃から日本石油輸送所属のタキ38000形に代替した後にこちらもタキ1000形に置き換わっている。
- 1 国鉄タキ35000形貨車とは
- 2 国鉄タキ35000形貨車の概要
- 3 タキ35000形
- 4 タキ45000形
- 5 改造車
- 6 派生形式
- 7 脚注
固有名詞の分類
日本国有鉄道の貨車 |
国鉄レ2900形貨車 国鉄レ6000形貨車 国鉄タキ35000形貨車 国鉄セラ1形貨車 国鉄ソ60形貨車 |
日本貨物鉄道の貨車 |
国鉄シキ170形貨車 国鉄タキ6900形貨車 国鉄タキ35000形貨車 JR貨物クキ1000形貨車 JR貨物コキ200形貨車 |
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