哲学者サッカー 哲学者サッカーの概要

哲学者サッカー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/29 05:28 UTC 版)

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『哲学者サッカー』
"Philosophers Football"
モンティ・パイソンのスケッチ
初出空飛ぶモンティ・パイソン ドイツ版』(1972年
再演ライブ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル』(1982年)
復活ライブ!』(2014年)
初出での各メンバーの主な役柄
クリーズ アルキメデス
チャップマン ゲオルク・ヘーゲル
ギリアム イマヌエル・カント
アイドル ソクラテス
ジョーンズ カール・マルクス
ペイリン フリードリヒ・ニーチェ、実況
公式動画
Philosophers Football - Monty Python - YouTube
モンティ・パイソンの作品
空飛ぶモンティ・パイソンのエピソード一覧
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概要

1972年ミュンヘンオリンピックの際にミュンヘン・オリンピアシュタディオンにおいて、ギリシャドイツを代表する哲学者たちの間でサッカーの試合が行なわれた、という設定で展開される。おもな登場人物(役者)は、アルキメデスジョン・クリーズ)、ソクラテスエリック・アイドル)、ヘーゲルグレアム・チャップマン)、ニーチェマイケル・ペイリン)、マルクステリー・ジョーンズ)、カントテリー・ギリアム)であった [3]

主審(レフェリー)は孔子で、砂時計で時間を計る。トマス・アクィナス聖アウグスティヌス光輪を頭上に載せている)が線審副審)を務める [4]。 ドイツ・チームの監督はマルティン・ルターである。試合が始まると、哲学者たちはピッチ上で輪を描くように歩きながら自説を考える [4]。ドイツ・チームに「驚きの大抜擢」で加えられたサッカー選手のフランツ・ベッケンバウアーは少なからずピッチ上で当惑する。

このスケッチの撮影はミュンヘングリュンヴァルダー・シュタディオンドイツ語版で行なわれた [5]

展開

試合が開始されるが、選手達は皆、哲学的思想に没頭しボールに触ろうとはしない。そんな中、ニーチェは、主審である孔子に対し「論語には自由意志が無い」と主張し、イエローカードを受ける。孔子は「名を書に残す」と応じる。試合が進まないため、途中で放送はレスリングの中継へと切り替わる(間に別のスケッチ:『1人レスリング』が挿入される)。後半に入り、ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインに代わってカール・マルクスが投入されるが、ゲームの進捗のためには何も寄与しない。

試合終了まで残り1分という時間帯になり、アルキメデスが「Eureka !(分かったぞ!)」と叫ぶと、走り出し初めてボールを蹴りドイツ側のゴールに向かう。これに応じて他のギリシア哲学者たちもドイツ陣内へと迫る。この試合唯一の得点は、アルキメデスが上げたクロスボールにソクラテスが飛び込みヘディングで決めたものだった。

スケッチの終幕ではドイツ側が判定に抗議する。ヘーゲルが、現実は非自然的倫理のアプリオリな付属物に過ぎない、と主張し、カントが、定言命法により存在論的には現実は想像の内にしか存在し得ない、との説を譲らず弁じる中で、マルクスがオフサイドをアピールするが、主審の孔子は取り合わない。しかしスローモーション再生の結果、1990年まで有効であったルールに則って、ソクラテスがオフサイドであったことが明らかにされる。

試合




注釈

  1. ^ 作中でヘーゲルは、Georg "Nobby" Hegel と言及されている。ここでの Nobby は「粋なやつ」といった含意の英語の表現。
  2. ^ 作中でソポクレスは、"Chopper" Sophocles と言及されている。ここでの Chopper は「(斧などを)振り回すやつ」といった含意の英語の表現。
  3. ^ 作中で Karl Schlegel と言及されている Karl Wilhelm Friedrich von Schlegel は、日本語では「フリードリヒ・シュレーゲル」とされることが多い。
  4. ^ メンバーの1人、グレアム・チャップマンは、1989年に死去している。

出典

  1. ^ Philosophers Football - Monty Python's Fliegender Zirkus - YouTube
  2. ^ Larsen, Darl (2003). Monty Python, Shakespeare and English Renaissance Drama. McFarland & Company. p. 45. ISBN 0-7864-1504-5. http://books.google.com/books?id=qVa1Hfh11V0C&pg=PA45&dq=Philosophers%27+Football+Match&sig=RIO17LWoVMlQtuMIUCdY6Lbe3yc 
  3. ^ Monty Python: International Philosophy (1972)”. IMDb. 2013年7月31日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2016年5月26日閲覧。
  4. ^ a b Gener, Randy (May 1, 2006). The French Misconnection, or What Makes a Writer French. 23. American Theatre. p. 42  / Volume 23; Issue 5.
  5. ^ Beer, Roman. Kultstätte an der Grünwalder Straße. Die Geschichte eines Stadions. Die Werkstatt. p. 129. ISBN 978-3-89533-780-2 
  6. ^ Who's the thinker in the white?”. The Guardian (2010年4月28日). 2013年11月9日閲覧。


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