刺身 概要

刺身

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/26 00:35 UTC 版)

概要

イカの刺身の盛り合わせ(大根人参を「つま」に使用)

刺身は素材そのものを味わう料理であり、新鮮で味の良いの素材を用意することが大切である[2]。次に、素材を生かして美しく造るための切り方であり、専用の刺身包丁などを用いて、素材に応じた切り方、盛り付けがなされる[3][4]。また真空調理法や低温調理法を取り入れたり、食肉の応用で大型の魚類であるマグロブリなどを対象に熟成させて用いるなど、世界や歴史、科学などの知見などを取り入れて発展もしている[5]

刺身にはつまという野菜や海藻が添えられる[1]。つまも美しく切り造り、刺身に添えて盛りつけ、一緒に食べる。つまは生のままのダイコンワカメなどが多いが、これもの野菜や野草山菜など様々である[4]。つまのなかで、特に風味を与えるものを薬味と呼ぶ[1]。刺身の薬味はワサビに加えて、ショウガウメからしなど様々である[4]

現在は馬刺し鶏刺しレバ刺しこんにゃくたけのこゆばなど魚介類以外の食品でも、生や冷たいままで美しく切り身にした料理は刺身や造りと呼ぶことがある[4]ベジタリアンヴィーガン向け、水産資源の節約などのため植物性食材で刺身に味や食感を似せた食品も開発されている[6]江戸時代にあっては魚介類以外でも、茹でたり、煮たり、焼いたりといった加熱調理をせずに食べさせる料理を刺身と呼んでいた経緯がある[7]。また今日では加熱処理しない生の素材を刺身と呼ぶことが一般的だが、タコなど一部の食材については一度茹でて火を通したものを冷して刺身とする例もある。


  1. ^ a b c d e f g 広辞苑』第5版
  2. ^ a b c 『旬の食材 秋の魚』講談社 ISBN 4-06-270133-2
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m 『旬の食材 春の魚』講談社 ISBN 4-06-270131-6
  4. ^ a b c d e f g 『四季日本の料理 春』講談社 ISBN 4-06-267451-3
  5. ^ 『刺身百科』柴田書店 ISBN 978-4-388-06020-7
  6. ^ 「大豆ミートだけじゃない、卵も刺し身も 植物性の代替食品が続々」朝日新聞デジタル(2021年9月2日)2022年4月28日閲覧
  7. ^ 歴史の謎を探る会『江戸の食卓』(河出書房新社)152頁
  8. ^ “8月15日は「刺身の日」 - 世の中のうまい話” (日本語). 8月15日は「刺身の日」 - 世の中のうまい話. https://blog.goo.ne.jp/yoshikawasuisan02/e/828f99c2e0ff91c41aa4de4bc2ddcd60 2018年8月17日閲覧。 
  9. ^ 公益財団法人日本海事広報協会 今日はどんな日”. www.kaijipr.or.jp. 2018年8月17日閲覧。
  10. ^ 江戸食文化紀行-江戸の美味探訪-No.84「江戸の評判娘と刺身」監修・著:松下幸子千葉大学名誉教授 歌舞伎座(2022年4月28日閲覧)
  11. ^ 菊地武顕『あのメニューが生まれた店』(平凡社)p.51
  12. ^ 『四季日本の料理 春』講談社 ISBN 4-06-267451-3
  13. ^ a b 『旬の食材 春・夏の野菜』講談社 ISBN 4-06-270135-9
  14. ^ 栗原友 (2013年9月24日). “ぷりぷり甘〜い赤貝の実態は……”. クリトモのさかな道. 朝日新聞デジタル. 2015年6月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年12月4日閲覧。
  15. ^ a b 「「刺身」と「造り」の違いについて【いまさら聞けない日本料理の基礎知識】(2018年12月02日)2023年8月24日閲覧
  16. ^ 料理名由来考 出版社:三一書房 著:志の島忠、浪川寬治 140 ページ
  17. ^ ミクロネシア連邦 愛知県国際交流協会、2020年12月26日閲覧
  18. ^ 「珊瑚の楽園・南国マーシャル諸島に今も残るノスタルジックな日本語7つ」70seeds、2020年12月26日閲覧
  19. ^ 鹿児島県産「大名筍」販売中農業協同組合新聞、2022年4月22日、2022年4月28日閲覧






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