京阪1000系電車 (3代)
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京阪1000系電車(3代) | |
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京阪1000系電車1504F | |
基本情報 | |
運用者 | 京阪電気鉄道 |
製造所 | 川崎重工業[注釈 1] |
種車 | 700系(2代) |
導入年 | 1977年 - 1978年 |
総数 | 6編成42両 |
主要諸元 | |
編成 | 7両編成 |
軌間 | 1,435 mm |
電気方式 | 直流1,500V (架空電車線方式) |
最高運転速度 | 110 km/h |
設計最高速度 | 110 km/h |
起動加速度 | 2.5 km/h/s |
減速度(常用) | 4.0 km/h/s |
減速度(非常) | 4.5 km/h/s |
編成定員 | 1,030人 |
車両定員 |
先頭車140人 中間車150人 |
自重 |
M:34.5 t Tc:27.0 t T:26.0 t |
編成重量 | 218 t |
編成長 | 130,900 mm |
全長 | 18,700 mm |
全幅 | 2,720 mm |
全高 | 4,185 mm[注釈 2] |
車体 | 普通鋼 |
台車 |
電動車 KS-77A 付随車 FS399 |
主電動機 | 直巻整流子電動機 TDK-8120A1 |
主電動機出力 | 155 kW |
駆動方式 | 中空軸平行カルダン |
歯車比 | 84:16 (5.25) |
編成出力 | 2,480 kW |
制御方式 |
抵抗制御(竣工時) ACDF-H4155-589A 界磁添加励磁制御(更新後) ACRF-H8155-790C |
制動装置 | 回生制動優先全電気指令式空気ブレーキ (HRDA-1) |
保安装置 | K-ATS |
概要
京阪線の架線電圧1,500Vへの昇圧が決定した1974年(昭和49年)以降、在籍する各形式に対しては各種昇圧対応改造が施工された。ただし、吊り掛け車に関しては昇圧を機に全廃する計画であり、対応改造の施工対象外とされていた[注釈 3]。
700系 (2代)も従来車の機器を流用して新製された吊り掛け車であったことから昇圧対応改造の対象外とされた。しかし、同系列は車体新製から経年が浅く車体の状態も良好であり、かつ冷房改造にも車体強度が問題がなかったことから[注釈 4]、同系列の車体を流用して新製した機器と組み合わせ、冷房化改造の上で昇圧後も継続使用する方針が決定した。同系列44両中42両が対象となり[注釈 5]、1977年(昭和52年)から翌1978年(昭和53年)にかけて7両編成6本が誕生したものが本系列である[注釈 6]。
改造に際しては700系 (2代)を廃車扱いとし、本系列を新製名義で認可申請したことから、書類上の扱いだけでなく、車内銘板にも「昭和52年(または53年) 川崎重工業[注釈 1]」と記されている[注釈 7]。ただし、車外銘板は1967年(昭和42年)から1970年(昭和45年)にかけて700系 (2代)として竣功した当時のものがそのまま現存しており、出自をたどることが可能である。
なお、700系 (2代)は1000型・1100型・1500型 (いずれも2代)を主な種車として新製されたものであり、本系列への改造に伴って再び1000番台の形式称号を称することとなった。
車体
基本的に700系 (2代)当時の仕様から大きな変更点はない。すなわち、裾絞りのない車体・2連ユニット窓で構成された側窓配置・他系列における両開扉よりも100mm狭い1,200mm幅の両開客用扉・扉枠一杯に広げられた大型の客用扉窓といった、600系 (2代)で確立された機器流用・車体新製車固有の特徴を有する。
本系列への改造に際しては、外観上の変更点は前面貫通幌・幌枠の撤去や前面貫通扉部へ行先・種別表示幕の新設、前照灯のシールドビーム化程度に留まる。ただし、車内天井部は冷房装置搭載に伴って一新され、機器流用・車体新製車の特徴である大天井の中央に1列配置で設置されていた照明(蛍光灯)が、他系列同様に左右2列に分散して配置される形に変更された。車内補助送風機はラインデリアと京阪独特の回転グリルを併用した形態が採られており、5000系に始まる新製冷房車の標準仕様を踏襲している。ただしラインデリアの見付けは他形式とは異なっている。その他、壁面デコラ板や座席モケット等は700系 (2代)当時と変化はない。
注釈
- ^ a b ただし、実際の施工は自社寝屋川工場において実施された。
- ^ パンタグラフ搭載車の数値。パンタグラフ非搭載車は4,160mm。
- ^ その他、初代1800系や2000系「スーパーカー」もカルダン駆動の高性能車であったものの、搭載する機器の都合上、昇圧対応改造が困難であり、同様に廃車の方針が決定していた。
- ^ 700系(2代)に先んじて同一の手法で製造された600系(2代)は、車体の経年劣化に加えて、徹底した軽量化が災いして冷房改造に必要な車体強度が足りないと判断されたことから、1800系(初代)の機器と台車とを組み合わせて昇圧対応化した1800系(2代)に改造された14両を除いて昇圧時に全車廃車となっている(なお、1800系(2代)は1989年に全廃)。
- ^ 余剰となった2両(いずれも中間電動車)は600系(2代)に編入され、1983年(昭和58年)12月の昇圧時に廃車となった。
- ^ 7両固定編成の本系列は、車庫内の留置線有効長が7両編成に対応していない深草車庫への入・出庫列車には充当されない措置が採られていた。
- ^ 同様の経緯で2000系を大改造して誕生した2600系(0番台)についても2000系を廃車扱い・2600系を新製扱いとする措置が取られている。
- ^ 放熱効率を重視したことにより、周囲への熱影響もまた従来型の抵抗器と比較して大きなものとなったことによる。
- ^ 後年の界磁添加励磁制御化ならびに回生制動化によって放熱問題は根本的に解決したことにより撤去された。
- ^ 端子電圧375V、定格電流465A、一時間定格出力155kW、定格回転数1,730rpm。
- ^ 残り2編成は緑色の波状ラインをあしらった「みどり号」(2200系2217編成)、青色の波状ラインをあしらった「みず号」(6000系6009編成)であった。
- ^ 当系列のように、吊り掛け駆動(700系(2代)時代)→抵抗制御カルダン駆動→添加励磁制御カルダン駆動、といった変遷を遂げた車両は極めて珍しい。他社の例では相鉄3010系電車が吊り掛け駆動からVVVFインバータ制御改造を受けたが、既に廃車されている。
- ^ 先頭車前面にも新CIロゴ貼付に伴って、従来取り付けられていたエンブレムは撤去された。
- ^ 列車無線を送信した列車の列車番号を運転司令所側に通知・表示させるものである。
出典
- ^ 京阪電車には「ぼっちシート」がある!? - at home VOX、2015年2月3日
- ^ ジェー・アール・アール 『私鉄車両編成表2022』 交通新聞社、2022年、144頁。
- ^ 『関西の鉄道』No.60 「京阪だより」 p.102
- ^ Kプレス2013年6月号(vol.171) - 「くらしの中の京阪6月号 vol.448」内「京阪線車両のカラーデザイン変更が完了しました」を参照。
- ^ 「10月18日(土)、最後の天満橋ゆき列車に着脱式の行先表示板を掲出して運転します (PDF) 」 京阪電気鉄道、2008年10月10日
- ^ 『鉄道ピクトリアル』2009年8月増刊号(通巻822号) 「京阪電気鉄道 現有車両プロフィール」 p.238
- ^ 「私鉄車両年鑑2020」 - イカロス出版 2020年 ISBN=978-4802208376 64頁
- ^ ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2009』交通新聞社、2009年、120頁。
- ^ 「京阪電気鉄道 現有車両車歴表」『鉄道ピクトリアル2009年8月臨時増刊号』第822巻、電気車研究会、2009年、274 - 277頁。
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