京とれいん
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沿革
「京とれいん」の導入
京とれいん | |
---|---|
運行開始当初の「京とれいん」 扇形ヘッドマーク未装着(2011年5月15日) | |
概要 | |
国 | 日本 |
種類 |
快速特急(2011年5月14日 - 2019年1月13日) 快速特急A(2019年2月23日 - 2022年12月11日) |
現況 | 廃止 |
地域 | 大阪府・京都府 |
運行開始 | 2011年5月14日 |
運行終了 | 2022年12月11日 |
後継 | 京とれいん 雅洛 |
運営者 | 阪急電鉄 |
路線 | |
起点 | 京都河原町駅 |
停車地点数 |
6駅(快速特急時代) 5駅(快速特急A時代) |
終点 | 大阪梅田駅 |
営業距離 | 47.7 km |
平均所要時間 |
44分(下り) 43分(上り) |
運行間隔 | 2時間間隔 |
使用路線 | 京都本線 |
車内サービス | |
クラス | 普通車 |
座席 | 普通車自由席 |
技術 | |
車両 | 6300系6354F |
軌間 | 1,435 mm |
電化 | 直流1,500 V 架空電車線方式 |
最高速度 |
100 km/h ※路線最高速度とは異なる |
線路所有者 | 阪急電鉄 |
2010年11月に、2011年5月ダイヤ改正後に土曜・休日ダイヤにおいて現行の特急よりも停車駅を削減した京都観光客向けの特急列車を6300系で運行する計画があることが報道された[27][28]ほか、同年2月21日には阪急電鉄からも公式発表された[2]。6300系6354Fが「京とれいん」へ改造工事が施され、2011年2月18日に正雀工場を出場した[29]。3月19日から梅田駅(現在の大阪梅田駅) - 嵐山駅間の臨時快速特急で「京とれいん」の営業運転を開始した。定期列車としては同年5月14日から土休日に梅田駅 - 河原町駅(現在の京都河原町駅)間の快速特急で運転が開始された[30]。
「京とれいん 雅洛」の導入と運行形態の変更
2018年5月22日、阪急電鉄は7000系の改造による、観光特急「京とれいん」の2編成目の導入を発表した。「京とれいん」が好評を得ており、訪日外国人の利用も増加していることから、さらなる沿線観光地のPRと旅客誘致につなげるため、2016年5月より2編成目の開発が行われた[3]。2018年12月に列車名が「京とれいん 雅洛(がらく)」に決定し、2019年3月に導入すると発表[18][31]、2月には運用開始日が決まり、3月23日から運転を開始することが発表された[32]。なお、2019年1月19日のダイヤ改正から運用を開始するまでは一般車両で代走していた[12]。
7000系7006Fが「京とれいん 雅洛」へ改造工事が施され、2019年3月20日に報道陣への公開を行い[13]、2019年3月23日より営業運転を開始した[14]。また、これに伴い「京とれいん」、「京とれいん 雅洛」に共通するエンブレムが作成され、それぞれ車体に掲出された[3]。
一方、「京とれいん」においては十三駅へのホームドア設置に伴い、ドア位置の異なる「京とれいん」では客扱いが不可能となることから、2019年1月19日に専用種別として「快速特急A」が設定された。ただし、快速特急Aは快速特急よりも1往復減少し3往復の運転となっている。なお、改正当日は検査などで正雀工場に入場していたため、快速特急Aとしての初運行は2月23日となった[12]。改正に先駆けて種別幕などが交換され、「快速特急」の英語標記が従来の「Limited Express」から「Rapid Limited Express」へと変更されている[33]。
「京とれいん」の引退
2022年12月17日のダイヤ改正に先立ち、快速特急Aで運行される「京とれいん」は同年12月11日付で廃止となり、以降の観光特急は快速特急で運行される「京とれいん 雅洛」のみとなった[6]。
年表
- 2011年(平成23年)
- 2012年(平成24年)
- 8月11日:京都で開催された京の七夕イベントへのアクセス向上を目的に、6354F「京とれいん」を使用した臨時快速を梅田駅 - 河原町駅間で1往復運行。
- 2013年(平成25年)
- 2014年(平成26年)
- 8月2日:前年までと同様、京の七夕イベントの開催にあわせ、「京とれいん」を使用した臨時快速を梅田駅 - 河原町駅間で1往復運行。なお京都線の快速種別幕がそれまでの緑から青に変更されたことにあわせ、ヘッドマークが青色を基調とした物に変更された。
- 8月16日:五山送り火および灯籠流しの開催にあわせ、「京とれいん」を使用した臨時快速急行を梅田駅 - 嵐山駅間で1往復運行。京の七夕イベントの際に運行。
- 12月13日:嵐山・嵯峨野地域で開催されたライトアップイベント『京都・嵐山花灯路2014』の開催にあわせ、「京とれいん」を使用した臨時快速を梅田駅 - 嵐山駅間で運行。夏の臨時快速同様、ヘッドマークが青色を基調とした物に変更された。
- 2015年(平成27年)
- 1月17日 - 2月22日:検査のため運用を離脱した6354Fに代わり、京都をテーマにしたラッピングを施した8313F(8332Fと併せて後に『古都』と命名)が快速特急運用を代走。
- 8月1日:京の七夕イベントの開催にあわせ、「京とれいん」を使用した臨時列車を梅田駅 - 河原町駅間で1往復運行。前年までと異なり快速急行として運行されたため、新調されたヘッドマークが掲出された。
- 8月16日:前年同様、五山送り火および灯籠流しの開催にあわせ、「京とれいん」を使用した臨時快速急行を梅田駅 - 嵐山駅間で1往復運行。
- 12月13日:嵐山・嵯峨野地域で開催されたライトアップイベント『京都・嵐山花灯路2015』の開催にあわせ、「京とれいん」を使用した臨時快速急行を梅田駅 - 嵐山駅間で運行。快速急行への格上げに伴い、ヘッドマークが新調された。
- 2018年(平成30年)11月3日:「京とれいん」で公衆無線LANサービスを開始。
- 2019年(平成31年)
- 2020年(令和2年)
- 4月11日 - 7月5日:改正・新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく新型コロナウイルス緊急事態宣言の発令と外出自粛要請に伴い、「京とれいん」、「京とれいん 雅洛」全列車が運休[34]。
- 7月11日:「京とれいん」、「京とれいん 雅洛」ともに運転再開。[35]
- 10月16日:「京とれいん 雅洛」が貸切列車で宝塚線への初入線を果たす。
- 2021年(令和3年)
- 2022年 (令和4年)
- ^ 京とれいん:商標登録第5420491号
京とれいん 雅洛:商標登録第6212515号 - ^ a b c 『この春、電車から “京旅” 気分! 『京とれいん』がデビューします』(PDF)(プレスリリース)阪急電鉄、2011年2月21日。 オリジナルの2020年12月10日時点におけるアーカイブ 。2021年1月5日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 岡本好史・川嶋隆一, ed. “阪急電鉄7000系「京とれいん 雅洛」”. 鉄道ピクトリアル2019年8月号 (電気車研究会): p.114 - 119. ASIN B07RN382P5.
- ^ a b 京とれいん 雅洛 - 阪急電鉄
- ^ a b c d e 京とれいん - 阪急電鉄
- ^ a b c [1]
- ^ 「京とれいん 雅洛」による直通特急運転 - 交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース 2019年3月27日
- ^ 春の嵐山へは便利な直通列車で! - 阪急電鉄の2019年春の臨時列車案内
- ^ 「 京とれいん雅洛」による直通特急運転 - 交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース 2019年11月20日
- ^ 秋の嵐山へは便利な直通列車で! - 阪急電鉄の2019年秋の臨時列車案内
- ^ 鉄道ピクトリアル 2021年1月号. 電気車研究会. (2020-11-21). p. 115. ASIN B08MX5ZXFK
- ^ a b c 阪急京都線で「快速特急A」の運転開始 - 交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース 2019年1月20日
- ^ a b “京とれいん 雅洛”が報道陣に公開される - 交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース 2019年3月22日
- ^ a b c 「京とれいん 雅洛」が京都線で営業運転を開始 - 交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース 2019年3月23日
- ^ ビコム「阪急 京とれいん雅洛 誕生編 製造から運行までの記録」の、映像中のインタビューより。
- ^ 形状は1000系のものとは異なり、北大阪急行9000形などで採用されているパッとビジョンに近い。
- ^ a b 2018年11月3日(土・祝)から、 京都線9300系車両と観光特急『京とれいん』において 車内無料 Wi-Fi サービスを開始します - 阪急電鉄ニュースリリース
- ^ a b 阪急,3月から“京とれいん 雅洛”を導入 - 交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース 2018年12月7日
- ^ a b c 佐藤信博「車両の実力診断 第4回 阪急電鉄京とれいん」85 - 87頁。『鉄道デザインEX』volume04、イカロス出版、2012年。
- ^ 杉山直哉「阪急京都線6300系のあゆみ」『鉄道ピクトリアル』2019年10月号、78頁。
- ^ 【阪急】"京とれいん"にヘッドマーク取り付け 鉄道ホビダス、2011年10月18日
- ^ a b c “6300系京とれいん運行開始10周年企画実施について”. 阪急電鉄. 2021年3月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月28日閲覧。
- ^ 阪急電鉄 観光列車“京とれいん” 3月19日デビュー 鉄道ホビダス、2011年2月22日
- ^ 杉山直哉「阪急京都線6300系のあゆみ」『鉄道ピクトリアル』2019年10月号、76頁。
- ^ 佐藤信博「車両の実力診断 第4回 阪急電鉄京とれいん」86頁。『鉄道デザインEX』volume04、イカロス出版、2012年。
- ^ 杉山直哉「阪急京都線6300系のあゆみ」『鉄道ピクトリアル』2019年10月号、77頁。
- ^ 阪急、京都観光誘客へ軸足 嵐山臨時便増など - 日本経済新聞 2010年11月18日
- ^ 阪急京都線に「観光特急」 内装「京風」に改装 来春 - 朝日新聞 2010年11月20日
- ^ 阪急6300系6354編成が試運転 - 交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース 2011年2月19日
- ^ a b 観光列車「京とれいん」や天下茶屋〜河原町間直通の「準急」を土・休日に運行します 京都線の土・休日ダイヤの改正について (PDF) - 阪急電鉄、2011年2月22日。
- ^ 2019年3月、観光特急『京とれいん』の2編成目となる 京とれいん雅洛 を導入します - 阪急電鉄ニュースリリース
- ^ 阪急,3月23日から“京とれいん 雅洛”の運転を開始 - 交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース 2019年2月8日
- ^ 阪急6300系「京とれいん」の種別幕が交換される - 交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース 2019年1月13日
- ^ “「京とれいん雅洛」「京とれいん」の 運休について”. 阪急電鉄 (2020年5月6日). 2020年5月19日閲覧。
- ^ “観光特急「京とれいん 雅洛」および「京とれいん」の運行再開について”. 阪急電鉄 (2020年7月6日). 2020年7月11日閲覧。
- ^ 『「京とれいん雅洛」「京とれいん」の 運休について』(プレスリリース)阪急電鉄、2021年1月14日。 オリジナルの2021年1月14日時点におけるアーカイブ 。2021年1月14日閲覧。
- ^ 『観光特急「京とれいん 雅洛」および「京とれいん」の運行再開について』(プレスリリース)阪急電鉄、2021年3月24日 。。
- ^ 『観光特急「京とれいん 雅洛」および「京とれいん」の運休について』(プレスリリース)阪急電鉄、2021年4月8日。 オリジナルの2021年4月10日時点におけるアーカイブ 。2021年4月21日閲覧。
- ^ 『観光特急「京とれいん 雅洛」および「京とれいん」の運行再開について』(プレスリリース)阪急電鉄、2021年9月30日 。。
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