中台関係
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民進党復帰による関係悪化 2016年~
2021年2月 - 中国は台湾産果物であるパイナップル、レンブ、養殖魚ハタ、コーリャン酒など2千品目を超える食品などについて、害虫や新型コロナウイルスの検出などを理由に輸入を翌月から禁止すると発表した[24]。
2021年6月、台湾民意基金会が台湾在住の20歳以上の成人1072人を対象に行った中国共産党に対する世論調査では、中国共産党に対して、肯定的な感情を持つ台湾人は10%にとどまり、否定的な感情を持つ人は47%に上り、中国共産党に対して最も強い嫌悪感を感じる場合は0、どんな感情も抱かない場合は50、強い好感を抱く場合は100とすると、台湾人の中国共産党に対する平均は32.2度だった[25]。台湾民意基金会は「台湾人の共産党への感情は氷点下に近い」と指摘している[25]。
2021年8月10日、台湾のシンクタンクである台湾制憲基金会が実施した世論調査の結果を発表し[26]、中台関係は、38.9%が独立を支持、50.1%が現状維持、統一は4.7%だった[26]。また、中台間の軍事的緊張が高まっていることについて、36%が「台湾防衛のために戦場に行く」、28.3%が「戦場に行くかもしれない」、16.2%が「戦場には行かない」と回答した[26]。外交面では、アメリカに好感を持つ人が75.6%、日本に好感を持つ人が83.9%、中国に好感を持つ人は16.4%にとどまり、9割近くがアメリカや日本と正式な外交関係を構築することを支持した[26]。
2021年10月1日、台湾・台北の立法院前で反中国デモが行われ、チベットの旗や「光復香港、時代革命(香港を取り戻せ、時代の革命だ)」と書かれた横断幕が掲げられ、中国の国旗や習近平共産党総書記(中国最高指導者)の肖像を上下逆さまにして落書きをする参加者もいた[27]。
2022年8月、ペロシ下院議長の訪台に対する報復として、中国は台湾近海で軍事演習を行った。それに対し、台湾も軍事演習を行っている。
2022年9月、日中国交正常化50周年を迎え、正常化した日中関係は悪化する一方、断交した日本と台湾は交流が活発化している逆転現象が生じていると指摘されている[28]。小笠原欣幸は、「50年前、日台を断交に追い込んだ中国共産党は孤立した台湾が中国を頼ると考えていたが、もくろみは外れ、日台交流はむしろ活発化した。日本台湾交流協会の今年の世論調査では、台湾で『最も好きな国』を『日本』とする回答が60%に上るが、『中国』は5%にすぎない。…台湾では統一反対派が圧倒的多数で、日米を頼りにせざるを得ない。台湾の現状維持には米国の軍事力が不可欠。また、日本との民間交流は国際社会とのつながりを保つ上で重要な役割を果たしている。台湾の孤立を図る中国に対抗する中で、日本と強い結び付きがあり、欧米からも関心を寄せられている現状は台湾の自信につながっている」と指摘している[28]。
近年中国は台湾人の中国での起業を後押ししており、2023年2月現在、中国全土に90か所以上の「両岸青年創業基地」を設けている。
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