ラリー・メキシコ ラリー・メキシコの概要

ラリー・メキシコ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/16 00:43 UTC 版)

ラリー・メキシコ
状況 平常
種類 世界ラリー選手権
頻度 毎年
開催国 メキシコ
初回開催 1979年
2015年

特徴

グアナフアトの地下道を走行するラリーカー(2014年)

1979年に「ラリー・アメリカ」としてスタート。2002年から名称を変更し、2004年よりWRCに昇格した。ターマックモンテカルロ、雪のスウェーデンに続いて行なわれる、WRCシーズン最初のグラベルラリーとして定着している。グラベルラリーの中では高速タイプで、乾燥したラフな路面は砂埃が多い。

首都メキシコシティから北西400kmに位置する、グアナフアト州最大の都市レオン周辺で開催される。世界遺産に指定されているグアナフアト市街地で行なわれるスーパーSSでは、かつて栄えた銀鉱山の地下道も走行する。

メキシコ中央高原の標高2,000m以上、最高で2,700mを超える山地や平野がステージとなる。高低差500mを一気に駆け下りるステージもあり、大手ブレーキメーカーのブレンボの技術者によると2016年の全14戦中最もブレーキに厳しいイベントであったという[1]。また高地ゆえにエンジンへの吸気が薄く、1.6リッターターボではおよそ1/4のパフォーマンスが失われ、高地順応セッティングが必要となる[2]

凍てつくモンテカルロ、スウェーデンの2戦から一転して、3月のメキシコは気温30度前後の暑さとの戦いにもなる。マシンのオーバーヒート対策はもちろん、ドライバーの体力も求められるタフなイベントである。

総走行距離に占めるSSの割合が高く、2016年にはWRCでは1986年のツール・ド・コルス以来となる50マイル (約80km) の超ロングステージが用意された[3]。サービスパークの屋内設置、コンパクトなルート設定といったラリー運営のトレンドの先駆けとなった。2020年は新型コロナウイルスの影響により、最終日のSSを全て中止となった[4]

出来事

  • 2015年のイベント初日、オィット・タナックが運転したフォード・フィエスタ RS WRCがコースオフして湖へ転落し、クルーの脱出後まもなく完全に水没した[5]。所属チームのMスポーツは水深5mから引き上げられた車体を回収し、サービスパークで規定の3時間以内に修復し、翌日にはラリー2規定での再出走を果たした[6]。この車体はタイタニック号になぞらえて「タイタナック (TiTanak)」と呼ばれた。コ・ドライバーのライゴ・モルダーは水に濡れたペースノートをホテルで一枚一枚乾かした。最終日まで完走したタナックは、フィニッシュポディウムに水中ゴーグルとシュノーケルをつけて登場した[6]
  • 2017年はクリス・ミークが運転したシトロエン・C3 WRCが最終SSでコースアウトし、観客用駐車場を迷走した末にコースに復帰し、辛うじて首位を守り切るというドラマを演じた[7]

歴代勝者(2004年以降)

優勝者 車輌
ドライバー コ・ドライバー
2004年 マルコ・マルティン マイケル・パーク フォード・フォーカスWRC
2005年 ペター・ソルベルグ フィル・ミルズ スバル・インプレッサWRC
2006年 セバスチャン・ローブ ダニエル・エレナ シトロエン・クサラWRC
2007年 シトロエン・C4WRC
2008年
2010年
2011年 シトロエン・DS3 WRC
2012年
2013年 セバスチャン・オジェ ジュリアン・イングラシア フォルクスワーゲン・ポロ R WRC
2014年
2015年
2016年 ヤリ=マティ・ラトバラ ミイカ・アンティラ
2017年 クリス・ミーク ポール・ネーグル シトロエン・C3 WRC
2018年 セバスチャン・オジェ ジュリアン・イングラシア フォード・フィエスタ WRC
2019年 シトロエン・C3 WRC
2020年 トヨタ・ヤリスWRC
2023年

トヨタ・GRヤリス ラリー1

  • 2009年はローテーション制によりWRCカレンダーから外れ、代わりに「インターナショナル・ラリー・オブ・ネーションズ」が開催された。



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