プロ野球チップス プロ野球チップスの概要

プロ野球チップス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/25 12:50 UTC 版)

カルビー > カルビーポテトチップス > プロ野球チップス

概要

1973年販売開始[1]。うすしお味のポテトチップスに、プロ野球選手のトレーディングカードがおまけとして必ず付いてくることで人気のロングセラー商品。ラッキーカードが出ると、当たり1枚で専用のカードファイル、3枚でスター選手の箔押しサインカードが貰える(ラッキーカードは当たりにくく、3枚も集めるのは非常に難しい)。なお、ラッキーカードは2006年度をもっていったん廃止されたものの、2011年に復活したが、2013年に消え、2014年に復活して以降、ラッキーカードが出る弾と出ない弾に分かれる。2022年第2弾現在のプレゼントはラッキーカード1枚で選んだ球団のカードセット(レギュラーカード+スターカード)との交換である。

2回や4回に分けて発行された年もあったが、基本的には3回に分けて発行され、第1弾(開幕前後に発売)は前年度に活躍した選手・移籍した選手・期待のスーパールーキー、第2弾(6月ごろ発売)は4月に活躍した選手やルーキー、第3弾(9月ごろ発売)は前半戦で活躍した選手やオールスターゲームに出場した選手が取り上げられることが多い。また第3弾についてはポテトチップスの原料となるジャガイモの収穫量が製品生産数を左右してくるため、第3弾のカードは発行枚数の少ない「ショートプリント」となる可能性もある(2023年のように、第3弾の発売が見送られたケースもある)。

2006年ワールドカップドイツ大会の影響もあってサッカー日本代表チームチップスの売り上げが好調なため原料となるジャガイモの収穫量を確保できず、6月5日からプロ野球チップスの生産が中止された(7月24日に発売再開)。2007年は、ラッキーカードが廃止された代わりにカードが2枚になったが、その半面値段も上がっている。2008年は再び1枚に戻されたが、ラッキーカードの復活はない。2009年は再びカードが2枚に戻る。

カード

販売当初はカードはスナックに付随しているのではなく別個になっており、スナックと同数のカードが販売店に配付された。購入の度に店員が(1枚ごとに袋に入っており、カードの中身は不明)カードの束から購入者に任意に選ばせてもらえるか、店員が選んで渡すかと販売店ごとに違いがあった。後者の方式では、一度に複数購入すると束の上から連続のカードを渡されるので、中身が同じカードの場合が多かった。

カードの表にはユニフォーム姿の1人の野球選手のスナップ写真(プレー中の写真が大半)で裏はその選手の紹介文が載っている。球団別では読売ジャイアンツ(巨人)が全体の3割、阪神タイガースが全体の2割位と2球団だけで大半を占め、パ・リーグの選手はセ・リーグの選手の総数に対し、わずか3分の1程度だった。なお、記念すべき第1号のカードは長嶋茂雄である。

ちなみに日本ハムファイターズの選手を取り扱ったカードとしては、当時日本ハムで「ホームランソーセージ」という商品が発売されている。これはプロ野球選手のカードが1枚入っているという4本入りのソーセージで、肉屋を中心に販売されていた(1976年[2]に球団に対するPR的要素で発売されたもので短期間で販売終了。中身は殆どが日本ハム選手であったが、後述の通り当時カルビーのカードにはなかったロッテの選手・監督のカードがあった。その後2016年に日本ハムの選手・監督・マスコットのカードが入ったソーセージとして北海道を中心に発売され[2]2018年まで発売された。2019年は「ホームランシリーズ」として「レアチーズケーキ」「ミニサラミ」を発売し[3]、同年をもって「ホームランシリーズ」は終売した[4])。従ってプロ野球スナックの方は日本ハム(1973年は日拓ホームフライヤーズ)選手のカードは全く無い訳ではないが極少数であり、それが逆に稀少価値があった。

ただロッテオリオンズの選手カードに関しては、親会社がライバル社の「ロッテ」であったために、1984年までロッテ球団及びロッテ本社の許諾が出ず1枚も発行されなかった。このためか1978年はセ・リーグのカードしか発行されなかった。ようやく許諾が出てロッテ選手のカードが初めて発行されたのは1985年落合博満である[5]

カードの写真は基本的に1人の選手を被写体としたもので、中には同一チームの複数選手を1枚のカードに取り上げたものもあったが、1976年の春先頃から、1枚のカードに球団別に監督とレギュラー選手(ピッチャーは複数)を、またセ・パ両リーグの前年タイトルホルダーをそれぞれ各選手写真入りで紹介したカード、更に同年から後楽園球場で日本初敷設となった人工芝にまつわるカードや[5]、変化球投球の握り方といった技術的な紹介という様なカードまで登場した。ちなみにタイトルホルダーカードに関しては、当時発行されていなかったロッテの村田兆治も含まれている。

この頃から既にラッキーカードの前身となるホームランカードも含まれており、カードファイルやスター選手のブロマイドが貰えた。

また、1973年版の中に、大相撲カードが封入されていることがあった[5](全38枚)。これはプロ野球選手カードの印刷が追い付かず応急に取った措置である。

また1988年には日本初のドーム球場である東京ドームが完成したこともあり、東京ドームに関するカードも発行された。またこの年には「カードをタイムリーに発行するため」という理由で、テレビに映った選手の写真をカードに使用するという[5]試みも行っている。当然選手の姿が不鮮明なカードが多く、コレクターの評価も低い。

1991年には野茂英雄のトルネード投法の連続写真であるカードが8枚発行されている[5]

1994年には北海道山陽九州限定で発行されたカードも存在する。その中にこの年シーズン210本安打の日本記録を更新したイチローのファーストカードもあるが、全国版ではこの年イチローのカードは発行されなかったため、コレクターの間ではお宝となっている(このカードは2001年に復刻された)。しかしこのカードをコピーした偽物がカードショップに出回るなど、問題になった。なお1992年には関西限定で「タイガースチップス」として阪神の選手のみを扱ったシリーズ、1997年には東海限定で中日ドラゴンズの選手のみを扱ったシリーズ、後述の「ホークスチップス」が発行されるなど、地域限定版も存在する。

2022年には、月刊誌「Get Navi」(ワン・パブリッシング)8月号から10月号まで3号連続で野球漫画の「ドカベン」とコラボしたカードが付録になった。

また、「Calbee公式ブック カルビー野球カード 50YEARS ANNIVERSARY BOOK」(2022年10月24日発売、ワン・パブリッシング)には、殿馬一人のカードが付録になった。

  • この本には、1973年から2022年のカード全リストが掲載されている。

  1. ^ 50周年「プロ野球チップス」野球カード 9月第3弾では松井秀喜氏、松坂大輔氏らレジェンド登場”. 日刊スポーツ (2022年8月13日). 2022年8月14日閲覧。
  2. ^ a b ホームランソーセージ 4/20(水)新発売、共同通信PRワイヤー(日本ハム)、2016年3月24日 14時5分。
  3. ^ 商品について、日本ハム - 2020年3月8日閲覧。
  4. ^ ニュース - ホームランシリーズ、日本ハム - 2020年3月8日閲覧。
  5. ^ a b c d e f FLASH 2012年9月25日号


「プロ野球チップス」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「プロ野球チップス」の関連用語

プロ野球チップスのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



プロ野球チップスのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのプロ野球チップス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS