ドリトル先生シリーズ 映像化作品

ドリトル先生シリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/05 21:07 UTC 版)

映像化作品

「ドリトル先生」は、実写映画やアニメシリーズとして多数映像化されている。米国で製作された映像作品では、先生はどれも肥満体の設定が改められて痩身のキャラクターとなっている。

映画作品

レックス・ハリソン主演のミュージカル映画。原案は第2巻の「ドリトル先生航海記」に「アフリカ行き」や「月へ行く」の要素を加えたもので、オシツオサレツや海カタツムリ、巨蛾が登場し、クモザル島の住民はインディアンではなく、黒人である。
航海の同行者に、トミー以外にネコ肉屋のマシュー・マグ(妙な若い優男になっている)を加えており、二枚貝がパクパク殻を開いて先生と会話するような、子供向けのコメディータッチの作品になっている。 この作品では先生は女嫌いの菜食主義者になっており、また体型も肥満体でない。
ロバート・ダウニー・Jr主演のファンタジー冒険映画

アニメ作品

原題"Dr. Dolittle und seine Tiere"。ドイツで制作された白黒の無声短編アニメ映画。『アフリカゆき』の前半から抜粋した3編のエピソードで構成。
原題"Doctor Dolittle"。アメリカのテレビ・アニメーション・シリーズ。DePatie–Freleng Enterprises(DFE社)によって制作され、1970年9月から三大ネットワークの一つであるNBCによって放送された。原作とは全く異なった作品で、現代を舞台に、ドリトル先生、トミー少年(トーマス・スタビンズ)、ポリネシアらが帆船・ヒラメ号で世界各国を巡って動物達に力を貸す物語である。世界征服をたくらむ海賊スカービーとその一味が、動物の言葉を話す秘密を奪おうと先生一行を追いかけて、毎回大失態を演じるというコミカルタッチの内容で、先生は原作とは違ってすらっとした痩身、トミー少年はメガネをかけている。キリギリスのロックバンドが旅仲間として先生の鞄の中に入って同行し、バンドが1曲披露してキャラクターたちが歌い踊るシーンが毎回挿入される。ミュージカル歌手のボブ・ホルト(Bob Holt)が先生の声を担当した。日本では1972年1月30日から同年6月4日までNHK総合テレビジョンの『少年映画劇場』の第1部で放送され[23]、オペラ歌手の立川清登がドリトル先生の声を担当した[24]。またNHK総合テレビジョンの音楽番組『ステージ101』の出演グループであるヤング101が、キリギリスのバンドの歌声を吹き替えた。
原題"The Voyages of Dr. Dolittle"。日米合作。『航海記』をベースにしつつ後半は『アフリカゆき』から採ったエピソードを交えている。アメリカでは1984年にテレビ放送され、日本では1990年に6話までがOVAとして発売された後に1997年12月から1998年4月までNHK衛星第2テレビの「衛星アニメ劇場」で放送された。先生の声は映画『不思議な旅』の映像ソフト版でも先生を演じた中村正が担当。
  • 『The Voyages of Young Doctor Dolittle』(2011年)
青年ドリトル先生が活躍するアメリカのCGアニメ。先生は丸眼鏡をかけている。ティム・カリーが声を担当。

CMキャラクター

  • 『トヨタ自動車』(1990年 - 1991年)
トヨタ自動車がドリトル先生を自社のコマーシャル・キャラクターとして使用、テレビCMや新聞媒体などに登場した。ロフティング画のドリトル先生が自動車を運転しながらエコロジーを口にするというものだった。

その他

『不思議な旅』と同じ20世紀フォックス製作でエディ・マーフィが「黒人のドリトル先生」を演じる『ドクター・ドリトル』と『ドクター・ドリトル2』、その続編として製作されたオリジナルビデオカイラ・プラット英語版が父・ジョンの能力を受け継いだ娘のマヤ・ドリトルを演じる『ドクター・ドリトル3』『ドクター・ドリトル4』『ドクター・ドリトル ザ・ファイナル』がある。いずれもロフティングが「原作者」としてクレジットされているが、舞台は現代のアメリカであり、「ドリトル」という名前と「動物と話せる医者」という設定上の共通項以外、原作と全くの別物である。


  1. ^ 1920年刊のシリーズ第1作『アフリカゆき』以降、全て米国で初刊のためアメリカ文学に分類される場合もあるが、ロフティングは米国へ移住した後も生涯にわたりイギリス国籍を保持し続けていた。
  2. ^ 『緑のカナリア』と『楽しい家』でオルガ・フリッカーは"Olga Michael"(オルガ・マイクル)のペンネームを用いている。
  3. ^ 特別展「Novelists and Newspapers: The Golden Age 1900-1939―新聞の中の文学:黄金時代1900-1939」”. 東京大学. 2020年1月13日閲覧。
  4. ^ 『岩波-ケンブリッジ 世界人名事典』(岩波書店, 1997年), p1267(「ロフティング」の項)。この間、番外編の『ガブガブの本』が1932年に刊行されている。
  5. ^ a b 米国における絶版の経緯については岩波書店版(1978年の改版以降)における石井桃子の解説に詳しい。
  6. ^ 『The White Man's Indian: Images of the American Indian from Columbus to the Present』(Robert F. BerkhoferVintage; 1st Vintage Books ed edition)
  7. ^ 初版 ISBN 0-397-30937-6 。1990年代にも何度かペーパーバック版が刊行されている。
  8. ^ 小林みき「ドリトル先生」(ポプラポケット文庫、2009年)訳者あとがき。
  9. ^ 朝日新聞2002年2月4日付。
  10. ^ 南條「井伏鱒二との幸福な出会い」(『考える人』2010年冬号, p66-71)
  11. ^ 例えば、テレビドラマ化もされた日本の漫画獣医ドリトル』(原作・夏緑、作画・ちくやまきよし)の主人公・鳥取(とっとり)健一は姓の「鳥取」が「ドリトル」とも訓読み可能なことと、獣医師として高い腕前を有することの二通りの意味から作中で「ドリトル」と呼ばれている。
  12. ^ a b 『図説 児童文学翻訳大事典』(大空社、2007年)3巻, p841。
  13. ^ 龍口直太郎編訳のニュー・メソッド英文対訳シリーズ『ドゥリトル先生物語』(評論社1961年刊、原作は『アフリカゆき』)や、C・W・ニコルが脚色した『航海記』を原作とする絵本『ドゥリトル先生海をゆく』(ラボ教育センター1977年刊)など。
  14. ^ 『郵便局』第2部1章。この州(シャイア)は架空の地名だが、やや綴りの異なるシュロップシャー(Shropshire)という州はイングランド中西部に実在する。
  15. ^ サラは後にディングル家へ嫁ぎ、第4巻「サーカス」で再登場する。
  16. ^ 『動物園』では先生が大学を卒業した際に、先生の母親が記念にカメオの肖像を作らせたことが僅かに述べられている。
  17. ^ 『ドリトル先生のサーカス』でその司会能力を天才と評されている
  18. ^ 東京書籍『児童文学事典』(1988年), p829-830の項目「ロフティング」や小学館日本大百科全書』(1994年版)第12巻, p271の項目「ドリトル先生」(執筆者は児童文学作家・八木田宜子)など。
  19. ^ 編集・発行はアスキー・メディアワークス
  20. ^ ポプラポケット文庫 世界の名作(427-1) ドリトル先生ポプラ社
  21. ^ 新訳ドリトル先生、電子書籍版無料公開中!」(NEWS本の雑誌
  22. ^ ドリトル先生の新物語 生物学者・福岡伸一さんが連載で朝日新聞2021年3月13日
  23. ^ www.nhk.or.jp”. 2023年12月5日閲覧。
  24. ^ ほか、井出涼太、森功至ら。





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