ツリフネソウ ツリフネソウの概要

ツリフネソウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 06:30 UTC 版)

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ツリフネソウ
ツリフネソウ
(神奈川県東高根森林公園・2006年9月)
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : バラ亜綱 Rosidae
: フウロソウ目 Geraniales
: ツリフネソウ科 Balsaminaceae
: ツリフネソウ属 Impatiens
: ツリフネソウ I. textorii
学名
Impatiens textorii Miq.[1][2]
和名
ツリフネソウ(釣船草、吊舟草)
英名
Touch-me-not

特徴

草丈は、40-80 cmほどに生長する[4]。葉は鋸歯(縁がギザギザになる)で、楕円形から広披針形、キツリフネより広披針形に近い傾向がある。

花期は夏から秋(山地では 8月頃から、低地では 9-10月)。茎の先端部から細長い花序が伸び、そこに赤紫色で3-4 cmほどの横長の花が釣り下がるように多数咲く。稀に白い色の花があり[1]シロツリフネ(f. pallescens[5]という。花弁状の3個のと唇形の3個の花弁をもち、が長く筒状になっている。下の花弁の2個が大きく、雄しべが5個[6]。その花が帆掛けを釣り下げたような形をしていることや花器の釣舟に似ていること[7]が名前の由来と考えられている[8]

花の形はキツリフネに似るが、色が赤紫色であることと、花の後ろに伸びる距の先端が渦巻き状に巻くこと本種の特徴である[8]。なお一般にツリフネソウ属の花は葉の下に咲くが、本種はその例外である。

大きく深い花がたくさん咲き距の部分に蜜がたまり、主にマルハナバチなど大型のハナバチや、ツリアブ類などが好んで集まり、花粉を媒介する。

ツリフネソウの花と実、実が開くと種子が飛び散る

種子が熟すと、ホウセンカなどと同様に弾けて飛び散るように拡がる[9]

分布と生育環境

アジア日本朝鮮半島中国ロシア東南部)に分布する。

日本では北海道本州四国九州の低山から山地にかけて分布し、水辺などのやや湿った薄暗い場所に自生する。キツリフネとともに群生していることも多い。日本には同属では、ハガクレツリフネも生育している[10]

種の保全状況評価

日本の各都道府県で、以下のレッドリストの指定を受けている[2]環境省としての、レッドリストの選定はない[11]


  1. ^ a b ツリフネソウ”. 広島大学デジタル自然史博物館 (2011年2月4日). 2011年10月15日閲覧。
  2. ^ a b 日本のレッドデータ検索システム(ツリフネソウ)”. エンビジョン環境保全事務局. 2011年10月15日閲覧。
  3. ^ ツリフネソウ”. 会津若松市. 2011年10月15日閲覧。
  4. ^ 林弥栄『日本の野草』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、2009年10月、360-361頁。ISBN 9784635090421
  5. ^ シロツリフネ 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  6. ^ 永田芳男『野に咲く花』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、1989年8月、260頁。ISBN 4635070018
  7. ^ 高橋勝雄『野草の名前秋・冬―和名の由来と見分け方』山と溪谷社〈山溪名前図鑑〉、2003年10月、207頁。ISBN 4635070166
  8. ^ a b 『秋の野草』平野隆久、菱山忠三郎、畔上能力、西田尚道、山と溪谷社〈山溪フィールドブックス〉、2006年10月、241頁。ISBN 4635060683
  9. ^ 矢野亮『日本の野草 秋』学習研究社〈フィールドベスト図鑑〉、2009年9月、74頁。ISBN 9784054042643
  10. ^ 青山潤三『決定版 山の花1200-山麓から高山まで』平凡社、2003年8月、194頁。ISBN 4582542336
  11. ^ a b 植物絶滅危惧種情報検索”. 生物多様性情報システム (2007年8月3日). 2011年10月15日閲覧。
  12. ^ 福岡県の希少植物(その2)”. 福岡県. 2011年10月15日閲覧。
  13. ^ エンシュウツリフネソウ”. 岐阜県. 2011年10月15日閲覧。
  14. ^ 日本のレッドデータ検索システム(エンシュウツリフネソウ)”. エンビジョン環境保全事務局. 2011年10月15日閲覧。
  15. ^ 自然博物館ニュースvol.48 (PDF)”. 茨城県自然博物館 (2006年9月25日). 2011年10月15日閲覧。


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