イノンド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/12 13:59 UTC 版)
特徴
南ヨーロッパ[7]、地中海沿岸[11]、イラン[7]、西南アジア[要曖昧さ回避]から中央アジアが原産[10]。現在は世界中に広がって、ヨーロッパ、南北アメリカ、アジア、北欧で帰化している[14]。
耐寒性の一年草[14]、または二年草[15]。全体に特有の芳香があり[7]、香りの主成分であるカルボンの他に、リモネン、ピネン、ジペンテン、フェランドレンを含む。
草丈は約60 - 150センチメートル (cm) になり[7][14][11]、左右には30 cmほど広がる[14]。細い茎には細かく裂開した柔らかな葉が互生する。葉は数回羽状に枝分かれして糸のように細く、葉柄は茎を包んでいる[7]。成長した葉は長さ10 - 20 cm、幅1 - 2ミリメートル (mm) ほどとなる。夏場の8月頃に、枝先に白か黄色の小さな花を傘状に咲かせ[7]、2 - 9 cmほどの小さな繖形花序をつくる。花には、かすかなミントのような香りがある[14]。
秋の10月頃、良い香りがある楕円形で扁平な果実を結び[7]、種子は長さ4 - 5 mm、厚さ1 mmほどで、直線またはやや湾曲した形をしており、表面は縦方向に波状のうねりをもつ。正面の5本入る黒い線は、2本だけが太い[10]。種子は重量は非常に軽く、1万粒集めてもわずか25グラムほどである[10]。
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花
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生育状態
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種子のように見える果実
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果実
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葉
注釈
- ^ ヨーグルトに塩、ニンニク、キュウリ、ミント、ライムジュースとともにディルを使う。本品にはオリーブオイルも使われている。
出典
- ^ 米倉浩司『高等植物分類表』(重版)北隆館、2010年。ISBN 978-4-8326-0838-2。
- ^ a b c 大場秀章(編著)『植物分類表』(第2刷)アボック社、2010年。ISBN 978-4-900358-61-4。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Anethum graveolens L. イノンド(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年1月15日閲覧。
- ^ a b "Anethum graveolens L.". Tropicos. Missouri Botanical Garden. 2012年8月4日閲覧。
- ^ a b POWO (2019). Plants of the World Online. Facilitated by the Royal Botanic Gardens, Kew. Published on the Internet; http://www.plantsoftheworldonline.org Retrieved 15 September 2021.
- ^ a b c d e 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 176.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 田中孝治 1995.
- ^ ディル/Dill. エスビー食品 ハーブ検索. 2015年5月10日閲覧。
- ^ イノンド. エーザイ くすりの博物館. 2015年5月10日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j 伊藤・野口監修 誠文堂新光社編 2013, p. 103.
- ^ a b c d e f g h i j k 日本メディカルハーブ協会監修 ハジェスキー 2016, p. 38.
- ^ Linnaeus, Carolus (1753) (ラテン語). Species Plantarum. Holmia[Stockholm]: Laurentius Salvius. p. 263
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-).「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList),http://ylist.info/ylist_detail_display.php?pass=729 (2021年9月15日).
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 吉谷監修 マクビカー 2013, p. 88.
- ^ a b c d e 高浜・石倉監修 NHK出版編 2013, p. 103.
- ^ a b c d e f g h i j k l 日本メディカルハーブ協会監修 ハジェスキー 2016, p. 39.
- ^ a b c d 金子美登 2012, p. 158.
- ^ 武政 1997, p. 138.
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