たかじんnoばぁ〜 たかじんnoばぁ〜の概要

たかじんnoばぁ〜

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/01 09:01 UTC 版)

たかじんnoばぁ〜
TAKAJIN NO BAR
ジャンル トーク番組
よみうりテレビ
出演者 やしきたかじん
トミーズ雅
放送
放送局よみうりテレビ
放送国・地域 日本
放送期間1992年10月10日1996年7月13日
放送時間土曜日24:00〜25:00(60分)
(1992年10月~1994年3月)
土曜日23:45~24:45
(1994年4月~1996年7月)
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概要

この番組はバースタイルのトーク番組の発祥とも言える存在で、マスター役のやしきたかじんとマネージャー役のトミーズ雅が、バーの客としてやって来たゲストと共に本物のを飲みながらトークをするというスタイルの番組である[1]

放送時間が深夜0時~1時であるにもかかわらず近畿地方では最高視聴率が25.1%(占拠率56%)を記録するなど、よみうりテレビ深夜番組史上の最高視聴率記録を更新する快挙も達成した番組である。このため、『スポーツうるぐす』の放送が開始された1994年4月からは、本来ならばローカル放送時間枠のスタート時間が従来よりも25分繰り下がる編成となったにもかかわらず、視聴率が異例とも言える好調ぶりを見せたことから、先にこの番組を放送して、『うるぐす』をキー局よりも1時間遅れの録画放送にするという編成を組んでいた。『たかじんnoばぁ〜』の放送終了に伴い、よみうりテレビでの『うるぐす』の放送時間も全国区での放送に倣って23時45分〜の時間帯へと変更された。

番組の特徴

収録に使用する本社第2スタジオには、カウンターバーのセットを組んでいた[1]。通常、放送には映らないカメラ後方の部分も含め、縦約18メートル×横約15メートルに渡るスタジオ空間全体に余すことなくセットを建て込んでおり、非常に画期的なセットデザインであったと言われている[1]。業界ではこのスタイルを「たかじん風」と呼ばれている。バーのセットは、春夏用の洋風と秋冬用の和風の二つのスタイルがあった[1]。番組を立ち上げる際に、たかじんが「中途半端なセットは絶対アカン。この番組が成功するか否かはセットにかかっている」とまで言い切り、読売テレビの社長に直訴し、ローカル番組としては破格とも言える1500万円を掛けたバーのセットを製作させた[2]。この条件が受け入れられたため、はじめは乗り気でなかったたかじんは、断る理由がなくなってしまったと語っている。

酒は世界中から取り寄せた本物で、随時200種類以上が用意されていた(たかじんが関西限定ビールのCMに出演していたアサヒビールの協力による)。また、バーテンダーには本職のバーテンダーである金崎公三(祇園花見小路「アクアマリン」マスター)を起用(後述の復活特番でも出演)。金崎はたかじんとは祇園弾き語りしていた頃からの古い付き合いのあった人物であった(しかも番組の収録は金崎の店の定休日に合わせていた)。このように、番組の至るところに水商売(弾き語り)出身のたかじんのこだわりが見られた[1]

放送できない発言は「ガオー」という編集音が入り、口元に「ガオー」と書かれたテロップが貼られる処置が施されていた。これは同局で既に放送されていた『鶴瓶上岡パペポTV』において、上岡龍太郎が放送上不適当な言葉を発した際に表示される「マル禁」テロップと、パトカーのような警戒音によるごまかしの手法を応用したと言われている。この編集音の「ガオー」が番組の名物となり、出演者からは放送禁止用語暴言がでた場合は「ガオー入れといて」と言われるほどに浸透。後にこの番組のDVD-BOXのタイトルの一部にも採用されている。たかじんは収録が進むうちにヘベレケになり、編集音「ガオー」なしでは放送できないような発言(いわゆる放送禁止用語またはそれに類する放送上好ましくない発言)、暴言を繰り返した。しかしながら、その過激トークの面白さが評判を呼び、キー局の日本テレビやその他NNS系列局でも放送されるようにもなった。しかし、過激さによっては、臨時休止を行ったこともある。番組初期には、スタジオ内にハリセンが用意されており、「ガオー」なしでは放送できないような発言が飛び出すと、たかじん、またはほかの出演者がハリセンで頭をはたくシーンが見られた。

番組は原則として2本撮りで、2本目にはたいがいたかじんは酩酊状態、もしくは泥酔に近い状態にあった。また、収録の1本目と2本目の間に夕飯で鶴橋の焼肉店で飲んでいたこともあり、収録後もさらに飲みにいっていたこともあったと言われている。カラオケセットやギターが用意されており、たかじんや出演者が歌うこともあった。よく番組の最後でたかじんが自分の持ち歌やお気に入りのジャズシャンソンを歌っていた。稀に「この番組は乾杯!トークそんぐ(同時期に放送された毎日放送の番組)ではありません」とテロップが流れるくらいカラオケ合戦になったこともある。

番組のゲストには意図的に、全く異色の組み合わせを起用し、必ずコントに出演する決まりになっていた。コントの内容はゲストにちなんだものが多い(例・藤田まことが出演した回は必殺シリーズのパロディだった)。大半がベタなオチで終わるものであったが、出演者のキャラクターと番組の雰囲気が相俟って、不思議なおかしさを醸し出していた。ショートコントで酒を使って、無謀な飲み物を作って飲ませるということも有名である。上島竜兵は燗をして暖められたビールを飲まされ、ローリー寺西ウォッカ七味唐辛子正露丸を入れたカクテルを飲まされ卒倒した。しかし、北島三郎が海草入りの酒をストレートに飲んだことがある。

ツッコミ・解説スーパーを放送開始当初から使用していた(放送開始当時はまだ珍しかった)。この番組では画面中央付近に白い文字で表示していた(使用されていたフォントは写研の「ナミン」)。常連客として島田洋七ハイヒール・モモコぜんじろうなどが度々出演していた。また、バーテンダーの金崎の横で神田川俊郎が料理を作ることもあった。

2007年に、QuickJapanや、オリコンでのインタビューにおいて、たかじんは「まずは自分が酔わなければなりません」と、当番組での手法を明かした。

2014年、たかじんが他界したときには、読売テレビの番組で当番組の映像が繰り返し放送された。

番組の歴史

第1回のゲストは、星野仙一鳳蘭で、たかじんが鳳蘭と宝塚で共演した話で盛り上がり落ち着いた雰囲気の放送だった。また、この2人はたかじん本人がブッキングしたという[3]

1994年1月15日の放送で番組最高視聴率25.1%(関西地区)を記録[4]

1995年1月21日の放送は阪神・淡路大震災による自粛のため、遠くへ行きたいの再放送に差し替えられた[5]

最終回ではビートたけしが出演し、たけしが「最終回やめようよ、俺もやるから」と言い、出演者がこれまでの番組の歴史を振り返りながらしみじみ語った。たかじんが「東京」を歌うと、たけしが徳永英明の「壊れかけのRadio」を歌った。最後は当時たかじんの新曲であった「もしも夢が叶うならば」のプロモーションビデオが流れ番組の幕を閉じた。


  1. ^ a b c d e 日本民間放送連盟(編)、1994年5月1日「話芸と“空気”がゲストの意外な顔を引き出す 読売テレビ / 岩渕輝義」『月刊民放』24巻(5号)、日本民間放送連盟、18–19頁。
  2. ^ 木村政雄の私的ヒストリー|木村政雄の事務所
  3. ^ たかじんのそこまで言って委員会』公式HP内『辛坊たまらん!もっと言っても委員会』2007年10月21日更新分でのたかじんの発言より
  4. ^ 古川嘉一郎『たかじん波瀾万丈』たる出版、2014年4月30日、186 - 187頁。ISBN 9784905277118 
  5. ^ 阪神大震災 : 毎日新聞(大阪本社発行)は何を伝えたか 発生から1週間完全収録号外1/17〜1/24 特別縮刷版』毎日新聞社、1995年3月15日、118頁。


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