あにゃまる探偵 キルミンずぅ
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設定
舞台設定
本作の舞台となるのは「日本のどこかにある[17]」とされる「神浜市(かみはまし)」。海に面し、豊富な自然に囲まれた環境が特徴。市街地は旧市街と新市街に分かれており、懸垂式のモノレールが市民の交通手段として用いられている。「神浜樹海」と呼ばれる広大な森林を擁しており、ミサはこの地域を世界遺産に登録すべく行動する。
カノンやミサらの出身国として設定されているのは東ヨーロッパに位置する国家「ヴラドニア」。国内にある「ヴラドデルタ」はミサの尽力により世界遺産に登録されており、革命本部によるアニマリアン革命が推し進められている。文化などの詳細は不明だが、「ミティミティ」という辛い味付けの料理が存在する[* 11]。テレビシリーズ第2話でカノンが話すヴラドニア語はルーマニア語がモデルとなっている[16]。
時代設定は作品内の描写から2015年であることがわかる[* 12]。動力付きで宙に浮くスケートボード(ホバーボード)や、タマオが携帯する端末など、番組放映時点では実現されていない近未来的なガジェットも登場する。
キルミン
キルミンとは、御子神ユウキ博士が妻マリアンヌ・シェーンベルクの研究をもとに開発した「逆進化推進装置」の通称。進化の系統樹をさかのぼることで人間の遺伝子内にある「アニマリアン因子」を活性化させ、人間を細胞レベルで動物の体に変化させる[* 13]。サイズは手のひらに収まる程度で、それぞれ変身する動物のデザインが施されたコンパクト状、または携帯ゲーム機状の外見となっている。キルミン展開時に現れる画面内にはグルミン(声 - 神田朱未)という名を持つ動物のようなものが表示されており、キルミンの取扱い関係を説明する。
キルミンを展開すると、まずアイリス登録が行われる。登録された者が「キルミン」と発声すると音声登録が完了し「キルミン・フォーゼ」が開始され、画面からグルミンとは別の生物のようなものが迫り出てくる。この体内には宇宙のような空間が広がっており、使用者はこれに飲み込まれるとまず背の低い3頭身の着ぐるみのような姿である「着ぐるみモード(キグルミモード)」へと変身する。着ぐるみと呼ばれてはいるが、着ぐるみに相当する部分は体の一部となっており脱ぐことは不可能である。着ぐるみの頭部には顔が付いており、使用者の感情によって表情が変化する。グルミンからの使用のアドバイスは頭部から行われる。このモードでは、変身前に比べ動きが軽くなり、対応する動物の能力を使えるようになる。さらに、リコは前足の爪を硬いものに向かって引っかいたり、ナギサは大きく体を揺らしたりと、その動物特有の仕草が自然に現れることがある。また、キルミン・フォーゼの際、登録者に痛みなどなんらかの異常があり意識の集中を欠くと、着ぐるみモードへの変身が中途半端なかたちで行われることがある[* 14]。
この着ぐるみモードからさらに一定の条件(動物になりたいと強く願う、動物のまねをするなど)を満たすと、体が光に包まれたあと、完全な動物の姿である「アニマルモード」に変身する。この形態になると動物の能力を完全に使えるようになるが、人間の言葉は話せなくなる。動物とある程度の意思疎通も可能だが、「動物の言葉」で会話するものではなく、イメージによる意思の伝達が行われる。トリキルミンを持つタマオは変身が可能になってしばらくのあいだ、着ぐるみモードを経ずにアニマルモードに変身する場面がある。アニマルモードとして変身できる動物は基本的には特定の一種類だけだが、後述するキルバラ効果が発揮されると多種多様な動物への変身が可能となる。
変身解除は着ぐるみモードで「ヌグミン」と発声することにより実行される[注 4]。解除直後は必ず全裸となり、変身前に着ていた服は解除後に上から降ってくる。
人間から着ぐるみモードへの変身シーンは多くの変身ヒロインものと同様、バンク(使い回しのカット)が用いられている。御子神三姉妹は初変身時から完全なものが使用されるが、ケンは当初、三姉妹にはある「人間のシルエットが着ぐるみモードのそれに変化していく」カットがなく、第46話で初登場する。タマオも着ぐるみモードへの初変身は第27話であるが、完全なバージョンは第34話で初登場する。御子神三姉妹とケン、タマオの扱いが異なる理由は作品中では明確に示されることはない。この変身時のバンクは回によっては短縮されたり、省略されたりする。
キルミンの画面上には使用者の体験を「友愛」「精神」「運動」「経験」の分野で数値化した「ヒーリング」「ハート」「マッスル」「スキル」と呼ばれる4つのアイコンが表示されている。すべての数値が一定以上に達すると「キルミン深度」が深まることにより、進化の系統樹を枝分かれ地点まで逆行させ別の枝に進み、別種の動物に変身できる「キルバラ効果」が発揮される[* 15]。キルミン深度が一定段階に達したことはグルミンにより使用者に通知される。キルバラ効果による別種、とくに大型動物への変身は大量のエネルギーを消費するようで、長時間の変身を保つことが難しく、変身後は非常に空腹になる[* 16]。また、変身の経験が重なると、人間の姿でもその能力がフィードバックされていき(リコは夜目が利くようになり、魚が好物になる。リムは聴力が増し、ナギサも嗅覚が鋭くなる)、変身せずとも動物との意思の疎通が可能になっていく。
御子神ユウキ博士が残したキルミンに関する文書のなかには「キルミン3原則」と名づけられたものがあり、そこには以下の3箇条が規定されている[* 17]。
- 「第1条 キルミンを使って動物・人間などに危害を与えてはならない」
- 「第2条 むやみに人前で変身してはならない」
- 「第3条 完全変身した場合、99分以内に元に戻らなければならない」
99分以内に戻らなければならない理由については補足説明があり、動物に変身している際は人間の意識の流れ(ヒト意識)と動物の意識の流れ(アニマル意識)が存在し、99分を過ぎるとヒト意識が急速に低下して人間の姿に戻れなくなる可能性があるためとされている[* 18]。
御子神ハルカの台詞によると、キルミンとは動物への変身そのものを目的としたものではなく、姿形の垣根をなくし動物と話をするための道具であり[* 19]、キルミン開発のもととなったマリアンヌの研究は、コウモリのアニマリアンである両親の間に生まれながら、クロヒョウのアニマリアンであることを気にする娘ミシェル(のちの羽鳥ミサ)の疑問に答えるためであったとされている[* 20]。
メンバー | 登録キルミン | 着ぐるみモード | アニマルモード | キルバラ変身 |
---|---|---|---|---|
御子神リコ | ネコキルミン | ネコグルミ | ネコ | サーバル(第18話以降) ブチネコ(第31話) ピューマ(第42話以降) コウモリ(第50話)[注 5] |
御子神リム | ウサギキルミン | ウサグルミ | ウサギ | アンゴラウサギ(第20話) ダッチウサギ(第31話) カモノハシ(第33話) カンガルー(第42話) イルカ(第45話) コウモリ(第50話)[注 5] |
御子神ナギサ | イヌキルミン | イヌグルミ | イヌ | シェパード(第19話以降) ダルメシアン(第31話) グレイハウンド(第34話以降) セントバーナード(第42話) シベリアオオカミ(第49話) |
猪俣ケン | ネズミキルミン | ネズグルミ | ネズミ | 小さなネズミ(第48話) |
木島タマオ | トリキルミン | トリグルミ | 卵、ひよこ | クジャク(第26話) メジロ(第32話) スズメ(第35話以降) カラス(第37話以降) ハヤブサ(第38話以降) ペリカン(第48話) プテラノドン(第49話) |
かつて御子神ユウキ博士に師事し、その後は独自に動物への変身について研究していた二ツ木キョウスケは、ユウキ博士の残したキルミンの研究データを盗み出すことにより「着ぐるみプログラム」を取り入れ、逆進化装置の完成に成功する。この装置はコンパクト状ではなく座席つきの大型装置で、装置に座りマイクに向かって任意の動物の名前を発声することで、いかなる動物にも変身できる。「一番強い生き物」といった指示をした場合は、装置の側で独自に判断が行われ、条件に一致する動物への変身が実行される。
アニマリアン
人間の姿と動物の姿を持ち、変身を行う種族。アニマリアンは自身に恋愛感情を抱かせた状態で噛み付くことにより、特殊なホルモンと唾液が反応して対象となる人物の遺伝子内に眠る「アニマリアン因子」を活性化させ、アニマリアンに目覚めさせる能力を持つ[* 21]。アニマリアン同士の間に生まれた子供は「純粋アニマリアン」と呼ばれ、通常のアニマリアンよりも高貴な存在とされる[* 21]。上述のキルミンによる変身とは異なり、変身できるのは1種類のみで、衣服を着用したまま姿を変えることができる。
人間社会ではかつて神と崇められたこともあるが、しだいに吸血鬼や狼男と呼ばれ迫害を受けるようになり[* 22]、やがて歴史上からその存在を抹消された[* 16]。御子神ユウキらの研究では人類とアニマリアンとのあいだに生物学上の差異はほとんどないとされ[* 16]、御子神ハルカの台詞によると、アニマリアンは長い歴史のなかで人間や動物と交じり合っているために、ほとんどの人間や動物はアニマリアンの血を引き継いでいるとされる[* 22]。
注釈
- ^ a b AT-Xでは2009年11月11日より毎週水曜日と日曜日の放送。なお、『+』は水曜夜と土曜の深夜に放送。
- ^ ただし日本発売の本作版のCD(新録、日本限定盤)には、日本語版の歌詞(タイ語版の歌詞の意味とは若干異なる内容)も作成され、これもカラオケと一緒に同時収録される。
- ^ 日本版公式サイト(2009年9月4日時点のアーカイブ)では「ふたごの姉妹」と説明されている。韓国版公式サイトでは、ミンミン(リコ)が末子と明記されている。
- ^ テレビシリーズ第5話ではケンがアニマルモードでくしゃみをして完全解除され、同第26話ではタマオがひよこの姿からひとりでに完全解除される場面がある。
- ^ a b この変身では着ぐるみ形態やヌグミンとは異なる、アニマリアンの変身と同様の変身プロセスで人間形態に戻る。
- ^ 神浜キルミンズのダンスの振り付けが変更され、タマオがニワトリの仮装から着ぐるみモードになり、ミサの部下、ミユキ、アニマル課、ルミコ、カスミ、フーコ、二ツ木が追加。
- ^ kirumin(kiruminzoo) on Twitter 2009年11月6日17:59のツイートでは「KILL民」と呼称されていることを公開した。
- ^ kirumin(kiruminzoo) on Twitter 2009年11月7日14:24のツイート以降。
出典
- ^ テレビシリーズ第10話、第12話など。
- ^ テレビシリーズ第28話。
- ^ テレビシリーズ第15話、ケンの台詞。
- ^ テレビシリーズ第9話。第39話ではくしゃみをせずに戻る場面がある。
- ^ テレビシリーズ第23話。この回で初めてオカメインコを預かり飼育する。
- ^ テレビシリーズ第3話。
- ^ テレビシリーズ第7話。
- ^ テレビシリーズ第50話。
- ^ テレビシリーズ第49話、ガールズの台詞。
- ^ テレビシリーズ第6話。
- ^ テレビシリーズ第2話。
- ^ テレビシリーズ第27話における博物館内のポスター、および同第32話におけるネットニュース記事の日付。第13話において年明けが描かれている。
- ^ テレビシリーズ第4話、御子神ユウキの台詞。
- ^ テレビシリーズ第38話。
- ^ テレビシリーズ第21話、御子神ユウキの台詞。
- ^ a b c テレビシリーズ第42話。
- ^ テレビシリーズ第9話。
- ^ テレビシリーズ第28話。
- ^ テレビシリーズ第47話、第50話。
- ^ テレビシリーズ第47話。
- ^ a b テレビシリーズ第10話。
- ^ a b テレビシリーズ第44話。
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- ^ “河森正治原案・サテライト制作のオリジナル本格変身アニメーション『あにゃまる探偵キルミンずぅ』がiPhoneアプリで登場!!”. アニメイトTV (アニメイトラボ). (2011年2月4日) 2015年10月25日閲覧。
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- ^ “쥬로링 동물탐정, 팬시상품으로” (朝鮮語). Gvalley (G밸리). (2010年8月20日). オリジナルの2012年8月2日時点におけるアーカイブ。 2015年10月25日閲覧。
固有名詞の分類
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