妖怪伝 猫目小僧
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| 妖怪伝 猫目小僧 | |
|---|---|
| アニメ | |
| 原作 | 楳図かずお |
| 総監督 | 土屋啓之助 |
| 脚本 | 雨宮雄児 |
| 製作 | 東京12チャンネル 和光プロダクション |
| 放送局 | 東京12チャンネル |
| 放送期間 | 1976年4月1日 - 1976年9月30日 |
| 話数 | 全24話 |
| テンプレート - ノート | |
| プロジェクト | アニメ |
| ポータル | アニメ |
『妖怪伝 猫目小僧』(ようかいでん ねこめこぞう)は、1976年4月1日から同年9月30日まで東京12チャンネル(現・テレビ東京)で放送されていたテレビアニメである。全24話(本放送時には再放送あり:全27回)。放送時間は毎週木曜 19:00 - 19:30 (日本標準時)。
概要
楳図かずおの漫画『猫目小僧』を原作とするが、アニメ化するにあたって主人公の猫目小僧は原作よりも優しく大人しい性格に変更されており、各話のストーリーの筋立てもホラーものというよりは勧善懲悪ものに近い構成となった。また、主人公の母親探しにも比重が置かれ、最終話のラストは主人公と母との再会で締めくくられた。
本作は、一般的なアニメのようにセル画を用いたコマ撮り撮影ではなく、全編切り紙アニメーションで制作され、劇画タッチの切り絵に特殊効果を加えた手法は「ゲキメーション」(劇画+アニメーションの造語)と呼ばれる。勧善懲悪寄りのストーリーではあるが、その独特の映像効果は当時の子供達にホラー感を抱かせるには十分効果的であった。
原作者の楳図かずおがオープニング主題歌の作詞・作曲とエンディング主題歌の作詞を担当した。本放送当時、楳図が『週刊少年サンデー』に連載していた『まことちゃん』の劇中において本作の宣伝が行われていた。
1976年当時の東京12チャンネルは自身の系列ネット局を持っていなかったが、本放送時に系列外である山陰中央テレビ、石川テレビ、南日本放送の3局が同時ネットを実施した。
1977年に富士フイルム技術賞(第10回)を受賞している。
ストーリー
ある夜、猫又の子供として赤子が生まれた。妖怪の世界では300年に一度、特定の条件の下で生まれた妖怪は大いなる力を持つ「大妖怪」となると言い伝えられており、多くの妖怪が見守る中での誕生だった。
しかし、赤子の姿は妖怪たちが忌み嫌う人間に酷似しており猫又の父親は妖怪たちの怒りを買って殺されてしまう。赤子は殺されこそしなかったが見捨てられ、そのまま死んでいくかと思われたが、とある人間が哀れに思い育てた。
時がたち成長した赤子は猫目のせいで人々からも疎まれる「猫目小僧」となったが、その心は澄んでいた。猫目は母親が生きていると信じ、まだ見ぬ母を探して妖怪退治をしながら放浪の旅を続けていく。
キャスト
スタッフ
- 原作 - 楳図かずお
- 企画 - 和光プロ
- 総監督 - 土屋啓之助
- プロデューサー - 近藤伯雄(東京12チャンネル)、高橋澄夫
- 脚本 - 雨宮雄児
- キャラクター設定 - 箱守安照
- 演出 - 高橋安信
- 演出助手 - 秦衛
- コンテ - 森澄徳行、吉田浩
- ペン画 - 樋川武輝、内田有紀彦、山崎隆生、鈴木孝夫、猿山二郎
- 撮影 - 君塚邦彦、野口明
- 照明 - 大西顕正
- 特美 - 北村剛志、望月澄人
- 美術 - 秋吉佑喜慎
- 背景 - 有元秀光
- 操演 - 与世山寛
- 音楽 - 西山真彦
- 編集 - 西出栄子
- 効果 - スワラプロ、伊藤克巳
- 録音ディレクター - 石田忠賢
- 録音 - 早稲田アバコスタジオ
- 現像 - 東京現像所
- 協力 - ビデオプロモーション
- 制作担当 - 森澄徳行、佐藤光雄
- 製作 - 東京12チャンネル、和光プロダクション
主題歌
- オープニングテーマ「猫目小僧」
- 作詞・作曲 - 楳図かずお / 編曲 - 渡辺宙明 / 歌 - 堀江美都子、コロムビアゆりかご会
- エンディングテーマ「見ろよ! この目を」
- 作詞 - 楳図かずお / 作曲・編曲 - 渡辺宙明 / 歌 - 堀江美都子
各話リスト
| 話数 | サブタイトル | コンテ |
|---|---|---|
| 1 | 子育て仁王 | 森澄徳行 |
| 2 | くびなが塚 | |
| 3 | 対決! 怨念(うらみ)の地むぐり | |
| 4 | 母のおもかげ | 吉田浩 |
| 5 | なみだ婆と泣き男 | |
| 6 | 哀れ、浜ドクロ | |
| 7 | ずんべらの呪い | |
| 8 | 地獄もどき | |
| 9 | 謎の闇法師 | |
| 10 | 血の呪い 山女郎 | |
| 11 | 湖の怪、べったり | |
| 12 | ゆさぶり坊主 | |
| 13 | 妖石の怒り | |
| 14 | 怪奇、鏡に住む女 | |
| 15 | 月夜に泣くぬれ女 | |
| 16 | 釣鐘のうらみ | |
| 17 | 怪奇、百年亀のくし | |
| 18 | 霊が目ざめた丘 | |
| 19 | 霧の谷の魔女 | |
| 20 | すてられた人形の涙 | |
| 21 | 祭りばやしが霊を呼ぶ | |
| 22 | 雨の夜に聞える泣き声 | |
| 23 | 夜の理科実験室 | |
| 24 | 涙の再会 |
映像ソフト ・配信
- レガシーメディア版 - 1990年代初頭に[いつ?]、全24話を収録したLD-BOX(レーザーディスク版)がリリースされた。同時期には12話分(第1・2・3・4・8・9・10・14・15・16・19・24話)をセレクション収録したVHS版(VHS規格のビデオカセットに収録)もリリースされている。
- DVD版 - 20世紀末以降、セルソフトのデファクトスタンダードメディアとなっているDVDでは長らく全話収録商品は発売されず(※)、原作者の楳図かずおも「復刻」を強く望んでいたが[1]2024年に逝去した。
その後、2026年2月27日にKADOKAWAより全話収録DVD-BOXがリリースされる事となった[1]。(発表は楳図の一周忌にあたる2025年10月28日)
- 配信 - 上記のDVD-BOXリリースを発表した同日より、dアニメストアにて全話有料配信を開始した。
脚注
注釈
出典
- ^ a b コミックナタリー編集部 (2025年10月28日). “楳図かずおが復刻望んだ「妖怪伝 猫目小僧」DVD BOX化”. コミックナタリー(株式会社ナターシャ). 2025年10月31日閲覧。
外部リンク
- 妖怪伝 猫目小僧 DVD-BOX
- 2026年にDVD-BOXをリリースしたKADOKAWAの商品情報ページ
- TV アニメ 妖怪伝 猫目小僧 - allcinema
- 株式会社スティングレイが運営する非公式映画データベースサイトの情報ページ
| 東京12チャンネル 木曜19:00枠 | ||
|---|---|---|
| 前番組 | 番組名 | 次番組 |
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闘え!ドラゴン(再放送)
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妖怪伝 猫目小僧
(1976年4月1日 - 1976年9月30日) |
UFO戦士ダイアポロンII アクションシリーズ
(1976年10月7日 - 1977年2月24日) |
固有名詞の分類
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