健康情報学とは? わかりやすく解説

健康情報学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/29 18:00 UTC 版)

電子カルテシステムの記録データ

健康情報学(けんこうじょうほうがく、health informatics、health information systems)、医療情報学(いりょうじょうほうがく、health care informatics、healthcare informatics、medical informatics、nursing informatics、 clinical informatics、biomedical informatics)は、情報科学コンピュータ科学医療の学際領域である。 この分野では、健康と生体にかかわる情報について、それを最適に取得・蓄積・再利用するための情報源・装置機器・技術などについて扱う。健康情報学で用いられる手法には、コンピュータ診療ガイドライン・医療用語の公式定義・情報コミュニケーションシステムがある。

応用される分野は、看護学・臨床医学・歯科学・薬剤学・公衆衛生学・作業療法・物理療法・生物医学研究など。

分野

  • 医療情報学(Healthcare Informatics)
    • 臨床情報学(Clinical Informatics)
    • 公衆衛生情報学(Community Health Informatics)
  • 臨床生物情報学 (Clinical Bio-informatics)
  • 医療における教育研究情報学 (Informatics for Education & Research in Health & Medicine)

医療情報学

臨床情報学

臨床情報学(Clinical Informatics)は、臨床現場における医療情報利用についての分野である[1][2]。医療を情報学およびコミュニケーションシステムの技法にて分析・計画立案・施行・評価することで、患者および市民の健康状態を向上させ、患者の治療を改善し、医師と患者の関係を良好とすることを目的とする。

臨床情報学者は、情報学で得られた概念・技法・道具を組み合わせることにより医療に以下を持ち込もうとしている。

  • 医療従事者と患者に対し、彼らの必要とする情報を収集提供(アセスメント)
  • 臨床過程を定型化・評価・改善
  • 臨床における意思決定支援システムを開発・実装・改善
  • 臨床情報システムの、導入・最適化・開発・実装・管理・評価・継続的向上

医療技術とITを組み合わせることにより、医療従事者は医療情報学の助けによって、安全・効果的・効率的・迅速・患者中心・普遍的な患者ケアが可能になるであろう。

臨床データの一元化

臨床生物情報学

集団衛生情報学

医療における研究情報学

臨床研究情報学

各国の取り組み

ヨーロッパ

ブラジル

インド

中国

香港

香港においては1994年に香港病院管理局によって、Clinical Management Systemと呼ばれる患者記録電子管理システムが導入されている。このシステムはすべての管理局(40の病院と120の診療所)に配備されており、一日に平均して三万の医療関係者ユーザを持ち、一日あたり通信数は二百万件にのぼる。 このシステムには、すべての医療機関の情報が統合的に蓄積されており、700万人の電子カルテデータがオンラインでアクセスできる。2004年からはX線写真データも電子カルテ情報に加えられ、すべての管理局にて写真データが共有されるようになった。

健康情報規制法

関連項目

規格

  • Health Metrics Network
  • HL7
  • FHIR
  • LOINC
  • Omaha System
  • openEHR
  • SNOMED

脚注

  1. ^ Gardner RM, Overhage JM, Steen EB, et al. (2009). “Core content for the subspecialty of clinical informatics”. Journal of the American Medical Informatics Association 16 (2): 153–7. doi:10.1197/jamia.M3045. PMC 2649328. PMID 19074296. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2649328/. 
  2. ^ Safran C, Shabot MM, Munger BS, et al. (2009). “Program requirements for fellowship education in the subspecialty of clinical informatics”. Journal of the American Medical Informatics Association 16 (2): 158–66. doi:10.1197/jamia.M3046. PMC 2649323. PMID 19074295. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2649323/. 

外部リンク


健康情報学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/16 20:15 UTC 版)

フィンランドの医療」の記事における「健康情報学」の解説

「健康情報学」も参照 フィンランド国民総背番号制導入している。電子カルテシステムは、2007年にはほぼ全ての医療機関整備された。健康情報システム大規模に発展しており、国家レベル指揮することなく中央集権的浸透している。その結果として、健康情報システム異な組織間で相互接続できないという問題直面しており、情報交換課題となっている。そのため国家レベル共通化された情報交換システムを、患者病院参加可能なインターネット上構築する努力進んでいる。 医療技術評価HTAにおいてはフィンランド保健技術調査局(The Finnish Office for Health Technology Assessment, FinOHTA)が保健福祉省配下の1独立機関として1995年設立されており、上位レベル意思決定支援する科学的基準情報をまとめることを責務とする。そのデータすべての医療関係者政治家一般市民アクセス可能である。また外国発表されHTA研究評価基準について、それをフィンランド基準評価することも責務一つである。FinOHTAはInternational Network of Agencies for Health Technology Assessment(INAHTA)およびEuropean Network for Health Technology Assessment(EUnetHTA)のメンバーでもある。

※この「健康情報学」の解説は、「フィンランドの医療」の解説の一部です。
「健康情報学」を含む「フィンランドの医療」の記事については、「フィンランドの医療」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「健康情報学」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「健康情報学」の関連用語

健康情報学のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



健康情報学のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの健康情報学 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのフィンランドの医療 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS