ステアリングプル
直進を保つために、一方向に一定の保舵力を加える必要がある状態をいう。ハンドルとられの一形態である。高速で、直線部分の多い高速道路などで感じやすく、とくに直線道路が多いアメリカで関心が高い。発生原因は多岐にわたり、環境面から路面カント(路面に設けられた水はけ勾配)、整備面からタイヤ空気圧やブレーキの引きずりの左右差、クルマ自体からタイヤのノンユニフォミティー、アライメントの左右差などがある。路面カントは重力による斜面の滑り落ちに関係する。ノンユニフォミティーではコニシティ、または残留コーナリングフォースが、ホイールアライメントでは前輪のキャンバー、キャスターの左右差がおもに影響する。制動時のとられ(片効き)についてもいうことがある。
参照 残留コーナリングフォース、ハンドルとられ、ホイールアライメントコニシティ、ノンユニフォミティーハンドルとられ
運転者の意思や期待に反してタイヤ側からハンドルを動かされることをいう。運転者はハンドルとられによる進路のずれや、ずれ回避のためのハンドル修正や保舵力の調節に悩まされる。これらは平坦な直線路で一方向に定常的に起こるステアリングプル、ブレーキング時の片効きや制動干渉によるとられ、路面の凹凸や轍での左右方向へのとられ、急加速でのタイヤスリップによるとられ、またはトルクステア、クルマの巻き込みによるとられ、電車軌道でのニブリング、パンク時のとられなど、さまざまな原因とメカニズムによって発生する。
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