VocaListener
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「VOCALOID」の記事における「VocaListener」の解説
VocaListener(ボーカリスナー)は産業技術総合研究所が発表した、歌声を入力に用いてVOCALOIDのパラメーターを設定し合成歌唱を作り出すことのできるシステム。略称は「ぼかりす」。2008年5月28日に第75回音楽情報科学研究会で発表された。なお、発表に先立って同年4月28日に、動画投稿サイトニコニコ動画にてVocaListenerを用いて作成された歌声が公開され、その人間が歌っているかのような自然な歌声で話題を呼んでいる。VocaListenerは、入力された歌唱からパラメーターを推定し、更に合成歌唱と元の歌唱とを比較しながらパラメータの再調整を繰り返すことで歌手ライブラリごとの特性などによらず元の歌唱の歌い回しを真似た合成歌唱を得ることができる。元となる歌唱の音高や歌唱スタイルを調整する機能も備えており、ユーザーの歌唱力が低い場合やユーザが歌唱できない表現にも対応する。 ヤマハはVocaListenerの発表を受けて、2008年11月より産業技術総合研究所との共同研究を開始、2012年10月に「VOCALOID3 Editor」で使用できるプラグイン、「VOCALOID3 Job Plugin VocaListener」発売された。なお、これ以前には、2009年4月に簡易版のVocaListenerの機能をネットワーク経由で提供するサービス「Netぼかりす」の開発を行っていることを発表、2010年10月に「VY1」および「VY2」向けの「Netぼかりす」のサービスの年内の提供が発表されている。しかし、クラウド型にするために機能を絞り込んだ結果、仕様や性能に難があり、2011年4月に断念された。なお、2011年9月に発売されたアルバム『THE VOCALOID produced by Yamaha』では一部の収録曲の制作にVocaListenerが使用されている。 また、2010年7月に元の歌唱の声色を真似て合成音声の声色を変化させる機能も盛り込んだVocaListener2(ほかりす2)が発表されている。VocaListener2の機能は、VOCALOIDパラメータの操作では完結しないため、2012年10月の商品化には盛り込まれていない。
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