UDフォントの広がり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 15:41 UTC 版)
「UDデジタル教科書体」の記事における「UDフォントの広がり」の解説
ユニバーサルデザインの視点を取り入れた初の日本語UDフォントは、松下電器産業(現・パナソニック)とイワタが共同で開発した。家電製品の文字が見えにくいというユーザーの声を受けたことをきっかけに、2004年から2社が共同でユニバーサルデザインに配慮したフォントの開発を始めた。イワタ新ゴシックを基に線の単純化や隙間をあけるなどの変更をして、誤読されにくいなどの特徴がある「イワタUDフォント」が完成し、イワタが2006年7月10日から一般向けに販売を開始した。パナソニックは「PUDフォント」(パナソニック・ユニバーサル・デザイン・フォント)として正式に採用し、2006年度からグループの製品の操作表示に使用している。 他のフォントメーカーも、2009年9月にタイプバンクが「つたわるフォント」シリーズとして「TB ユニバーサルデザインフォント」(15書体)を発売、2009年10月にモトヤが「UDアポロ4」「UDシーダ4」「UDマルベリ4」をリリース、2009年11月にモリサワが「UD黎ミン」「UD新ゴ」「UD新ゴNT」「UD新丸ゴ」をリリースするなど、2009年ごろからUDフォント市場が広がっていた。イワタUDフォントは主に高齢者などの視力が低い人を想定して開発されたため、それに続くUDフォントも視認性(文字を構成する要素が視認しやすいこと)や判読性(他の文字と判別しやすく誤読しにくいこと)、可読性(文章になったときに文字が読みやすいこと)などを重視して、隙間を広くとったり、ゴシック体の出っ張る部分(ゲタや足などと呼ばれる部分)を削ったりしたものが多かった。
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