SI13竪穴建物跡
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/21 22:03 UTC 版)
精査された建物跡のうち、B区の北辺中央に位置するSI13竪穴建物跡は特異な存在である。この一つの建物跡から土師器、銅鏡、鉄製品、玉類、石製垂飾、石製品、繊維、赤色顔料(水銀朱、ベンガラ)、焼骨、炭化米などの多種かつ多量の遺物が出土しており、他に類例をみない。殊に、銅鏡、鉄製品、玉類、石製垂飾、繊維、水銀朱は古墳時代前期の遺物としては最北の出土例になる。 SI13の平面規模は南北6.2メートル、東西7.0メートルである。内部には土壙を2か所(南西隅と北西隅)設け、3条の溝が掘られている。また南東隅から東辺および南辺にかけて、逆L字形に、床面から10センチほど高くなった部分があり、これを便宜上「ベッド状施設」と呼んでいる。銅鏡、玉類など、主要な出土品の大部分はこの「ベッド状施設」の上か近辺から検出された。建物内の土壙と溝の存在、古墳出土品を思わせる多彩な出土品からみて、この建物は通常の居住や生活に用いられたものではなく、貴重な財物の収納場所のような役割を果たしていたものと推定される。
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