S/2018_J_4とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > S/2018_J_4の意味・解説 

S/2018 J 4

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/03 14:40 UTC 版)

S/2018 J 4
見かけの等級 (mv) 23.5[1]
分類 木星の衛星不規則衛星
発見
発見日 2018年5月11日(初観測)[2]
2023年1月20日(公表)[2]
発見者 スコット・S・シェパード[2]
発見場所 セロ・トロロ汎米天文台[2]
発見方法 画像分析
軌道要素と性質
元期:JD 2,460,000.5(2023年2月25.0日
軌道の種類 カルポ群[1]
木星からの平均距離 0.1103 au[2]
(16,504,300 km
離心率 (e) 0.0573[2]
公転周期 (P) 433.16 (1.19 [2]
軌道傾斜角 (i) 53.178°[2]
近点引数 (ω) 292.979°[2]
昇交点黄経 (Ω) 20.748°[2]
平均近点角 (M) 84.595°[2]
木星の衛星
物理的性質
直径 2 km[1]
絶対等級 (H) 16.7[2]
Template (ノート 解説) ■Project

S/2018 J 4 は、木星公転する衛星の一つである。

特徴

S/2018 J 4 は、アメリカ天文学者であるスコット・S・シェパードセロ・トロロ汎米天文台にて2018年5月11日に撮影された画像から発見された。発見報告は2023年1月20日日本標準時では翌21日)に小惑星センターが公表している小惑星電子回報 (Minor Planet Electronic Circular, MPEC) にて掲載され、仮符号 S/2018 J 4 が付与された[2]。2023年の年始に立て続けに報告された8個の木星の新衛星の一つである[3]。小惑星電子回報の発見報告では、セロ・トロロ汎米天文台での観測記録に加えて、それから2022年11月29日までに行われたラスカンパナス天文台ローウェル天文台ディスカバリーチャンネル望遠鏡による観測を併せた合計82回の観測記録が公表された[2]

直径が 2 km 程度と考えられている非常に小型の衛星で、木星から平均で約1650万 km 離れた軌道を433日余りの公転周期で公転しており、木星の自転と同じ方向に公転する順行衛星である[2]。木星の衛星の中で順行軌道を持つ不規則衛星によって構成されている衛星群としてはヒマリア群があるが、ヒマリア群に属する衛星よりも木星から遠く、軌道傾斜角も大きい。この軌道要素は、S/2018 J 4 の発見以前までどの衛星群にも属さないと考えられていたカルポに似ており、発見者のシェパードはカルポと S/2018 J 4 が属する衛星群を「カルポ群 (Carpo Group)」と呼称している[1]。しかし、カルポの軌道の離心率が 0.416 と比較的高いのに対して[4]、S/2018 J 4 は 0.06 程度とかなり真円に近い軌道となっている[2]

S/2018 J 4 の黄道面に対する軌道傾斜角はカルポと同様に50度を超えている。カルポでは、古在メカニズムの影響で離心率と軌道傾斜角の間に周期的な交換が起きることによる短い時間スケールでの軌道要素の大幅な変化が生じているとみられる[3][5]

カルポと S/2018 J 4 の軌道
天体 軌道長半径 (km) 軌道離心率 軌道傾斜角 (°) 近点引数 (°) 昇交点黄経 (°) 元期 出典
カルポ 17,042,300 0.416 53.2 86.6 54.0 2000年1月1.5日 [4]
S/2018 J 4 16,504,300 0.006 53.2 293.0 20.7 2023年2月25.0日 [2]

名称

2023年1月時点では S/2018 J 4 への固有名の命名は行われておらず、仮符号のみが付与されている[2]。最初にこの衛星が写っていたことが判明した画像が2018年に撮影されたものであったことから、発見報告が公表されたのは2023年であるが、仮符号には 2018 という年号が割り当てられている[3]

出典

  1. ^ a b c d Scott S. Sheppard. “Moons of Jupiter”. Earth & Planets Laboratory. Carnegie Science. 2023年2月3日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r MPEC 2023-B51 : S/2018 J 4”. Minor Planet Electronic Center. Minor Planet Center (2023年1月20日). 2023年2月3日閲覧。
  3. ^ a b c 彩恵りり (2023年1月29日). “木星の衛星が新たに7個見つかる 総数は91個に”. sorae.info. 2023年2月3日閲覧。
  4. ^ a b Planetary Satellite Mean Elements”. Solar System Dynamics. Jet Propulsion Laboratory. 2023年2月3日閲覧。
  5. ^ Brozović, Marina; Jacobson, Robert A. (2017). “The Orbits of Jupiter's Irregular Satellites”. The Astronomical Journal 153 (4): 10. Bibcode2017AJ....153..147B. doi:10.3847/1538-3881/aa5e4d. 147. 

関連項目

  • 木星の衛星
  • S/2016 J 4
  • S/2018 J 3
  • S/2021 J 2
  • S/2021 J 3
  • S/2021 J 4
  • S/2021 J 5
  • S/2021 J 6



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  S/2018_J_4のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「S/2018_J_4」の関連用語

S/2018_J_4のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



S/2018_J_4のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのS/2018 J 4 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS