バッハ:前奏曲とフーガ イ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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バッハ:前奏曲とフーガ イ短調 | Praludium und Fuge a-Moll BWV 895 | 出版年: 1843年 初版出版地/出版社: Peters |
作品解説
偽作とみる説もあるが、バッハの存命中に作られた信頼性の高い資料に伝えられており、真作の可能性がきわめて高い。音楽内容からは初期作品、すなわちアルンシュタット時代あたりに成立したと考えられる。
プレリュードは対位法的な展開をまったく含まない、パッセージワークのみによる曲。問いかけるような32分音符の上行音型で始まり、華麗な3オクターヴの下行音階で終結に向かう。短いながら演奏効果の高い前奏である。
フーガでは、同音反復の主題と分散和音を用いた16分音符の動機とが対比される。が、三和音の範疇にほとんど収まってしまうため、全体の響きが単調になってしまった。対位法はこの曲でもあまり冴えず、同じ組み合わせが繰り返して登場する。それでも終結部では3オクターヴを優に超える長い下行パッセージが現れ、プレリュードとの関連が明確になる。
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