PowerQUICC III
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「PowerQUICC」の記事における「PowerQUICC III」の解説
PowerQUICC IIIプロセッサは、32ビットのPower命令セットv.2.03に対応したe500と呼ばれるコアに基づき、2003年に発表された。PowerQUICC IIIは、2並列の7ステージパイプライン、倍精度のFPU、32/32 KiB のL1インストラクション/データキャッシュを持ち、複数のギガビット・イーサネット、PCIとPCIe、RapidIO、DDR/DDR2メモリコントローラ、セキュリティアクセラレータを持っていた。動作周波数は533 MHzから1.5 GHzまでの範囲であった。PowerQUICC IIIは、企業向けのネットワーキングと通信アプリケーション、ハイエンドのストレージ・プリンター・イメージングをターゲットにしていた。一部のプロセッサは、ネットワーク処理の負荷軽減のために古いCPMモジュールを内蔵していた。新しいQUICC Engine(PowerQUICC II Proと同じもの)を内蔵したものも、CPMやQUICC Engineを全く内蔵しないものもあった。しかし、フリースケールのマーケティング部門は、85xxシリーズの全てのプロセッサに"PowerQUICC III"のブランド名をつけた。 MPC85xx - 全てのPowerQUICC IIIプロセッサは、この形式の名前を持っている。名前の末尾の"E"は、プロッセッサが暗号化モジュールを内蔵していることを示す。 MPC8540 - 世界初のRapidIO対応ホストプロセッサ。2つのギガビット・イーサネットコントローラを内蔵し、ルータの用途に適している。動作周波数は600 MHzから1 GHzである。 MPC8548/47/43/41(E) - 1つのe500コアとPCI Express、RapidIOを統合したプロセッサのシリーズ。数字が小さいものは、数字が大きいものよりも低い能力である。 MPC8544 - コストを抑えるために90 nmプロセスで作られたが、8548と同等の機能を持つ。 MPC8560 - 8540と同時に出荷された、最初のPowerQUICC IIIプロセッサである。e500コアとCPMを内蔵していた。 MPC8568/68E/67/67E - CPMの代わりにQUICC Engineを内蔵。8567は周辺ユニットの一部が削除されている。 MPC8572E - 最大1.5 GHzのe500コアを2個内蔵。ファイアウォールやアンチウイルスソフトウェア(カスペルスキー・ラボによる)のようなハイエンドアプリケーションのネットワーク装置で使われた。 MPC8574 and MPC8578 - 3G、WiMAX基地局向けの、4コアまたは8コアのプロセッサである。2008年に45ナノメートル(英語版)SOIプロセスで製造された。
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