Polythene Pamとは? わかりやすく解説

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ポリシーン・パン

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/13 23:38 UTC 版)

ビートルズ > 曲名リスト > ポリシーン・パン
ポリシーン・パン
ビートルズ楽曲
収録アルバム アビイ・ロード
英語名 Polythene Pam
リリース 1969年9月26日
録音
ジャンル ロック
時間 1分12秒
レーベル アップル・レコード
作詞者 レノン=マッカートニー
作曲者 レノン=マッカートニー
プロデュース ジョージ・マーティン
アビイ・ロード 収録曲
ミーン・ミスター・マスタード
(B-5)
ポリシーン・パン
(B-6)
シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドー
(B-7)

ポリシーン・パン」(Polythene Pam)は、ビートルズの楽曲である。1969年9月に発売された11作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『アビイ・ロード』に収録された。アルバム『アビイ・ロード』のB面の特徴であるメドレー「ザ・ロング・ワン」(The Long One)の4曲目で、1969年7月に「シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドー」と繋げてレコーディングされた。

背景

本作は1968年頃にビートルズのメンバーがインドリシケーシュで、マハリシ・マヘーシュ・ヨーギーのもとで瞑想修行を行っていた時期に書かれた楽曲で、同時期に書かれた「ミーン・ミスター・マスタード」と同様にレノンは「インドで書いたガラクタの一つ」としている[1]。1968年5月にジョージ・ハリスンの自宅でデモ音源が録音されており、この時の音源は1996年に発売された『ザ・ビートルズ・アンソロジー3』や2018年に発売された『ザ・ビートルズ (ホワイト・アルバム) 〈スーパー・デラックス・エディション〉』に収録された[2]

本作のモチーフについて、レノンは「とある女性と僕たちを最初にマスコミに露出してくれた、イギリス版のアレン・ギンズバーグともいえる男との思い出。1963年8月のツアー中に会ったんだけど、僕は女連れで、向こうにも僕に会わせたいという女がいた。その女はポリエチレンを身に纏っていると聞いていたけど、本当にそうだった。長靴やキルトは着けてない。あれは僕の捏造だ。ポリ袋の中の変態的なセックス。とにかく曲のネタが欲しかったんだ」と語っている[3]。レノンは、本作をきつめのリバプール訛りで歌っている[4]ジョージ・ハリスンは、テレビシリーズ『ザ・ビートルズ・アンソロジー』のインタビューで、「僕がこの曲を気に入ったのは、すごくリヴァプールっぽかったからだ。コミカルでありながら、シリアスなところもある曲を書く人間はいなかった。この曲はとても上出来なロックンロール・ナンバーだったけど、明らかにジョークなのに、誰も笑わず、誰もピンときていないと、もどかしくなってくることもある」と語っている[1]

タイトルの「ポリシーン」は、ポリエチレンの(主にイギリスでの)別称で、「ポリシーン・パン」というタイトルは、キャヴァーン・クラブでライブを行っていた時期の常連客で、ポリエチレンを食していたことから「Polythene Pat」と称されていたパトリシア・ホジットに由来している[5]。レノンが弾くパワー・コードから始まる楽曲で、音楽評論家のイアン・マクドナルド英語版ザ・フーの「ピンボールの魔術師」に触発されたものと推測している[6]

レコーディング

「ポリシーン・パン」のレコーディングは1969年7月25日に開始され、「シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドー」と繋げてレコーディングされた[7][1]。8トラック・レコーダーのトラック1にポール・マッカートニーベース、トラック2にリンゴ・スタードラム、トラック3にレノンの12弦アコースティック・ギター、トラック4にハリスンのリードギター、トラック6にレノンとマッカートニーのリード・ボーカルが録音された[8]。ギターソロ中にレノンは「Fab! That's great! Real good, that. Real good ...(イカす!最高じゃん!それほんといい。)」と称賛の言葉を口にしていた[9]。この日にレコーディングされたテイクから、オーバー・ダビング用にテイク39が採用された[10]

7月28日と30日にスネアドラムシンバルタンバリンEからAに下降し、この2つのキーの間の転調を可能にする5音のエレクトリック・ギター、レノンとマッカートニーのハーモニー・ボーカル、新たなリード・ボーカルなどがオーバー・ダビングされた[10]

なお、本作は『アビイ・ロード』のB面の特徴となっているメドレー「ザ・ロング・ワン」の4曲目となっているが、当初は前曲「ミーン・ミスター・マスタード」と本作の間には「ハー・マジェスティ」が配置される予定となっていた。しかしメンバー内で考えが変わったため、「ハー・マジェスティ」はメドレーから外れることとなり、本作との繋がりを持たせるために「ミーン・ミスター・マスタード」の歌詞に登場するマスタード氏の妹の名前が「シャーリー」から「パン」に変更された[10]

クレジット

※出典[1]

カバー・バージョン

1970年にブッカー・T&ザ・MG'sがアルバム『McLemore Avenue』でカバー。

1976年にロイ・ウッドがドキュメンタリー映画『All This and World War II』のサウンドトラックとしてカバー。

1999年にアトム・アンド・ヒズ・パッケージ英語版がアルバム『Making Love』で歌詞を変更してカバー。タイトルも「P.P. (Doo-Doo)」に変更された。

脚注

出典

  1. ^ a b c d Abbey Road 2019, p. 12.
  2. ^ White Album 2018, p. 38.
  3. ^ Sheff 2000, p. 203.
  4. ^ Miles 2001, p. 356.
  5. ^ Turner 2003, p. 196.
  6. ^ MacDonald 2005, p. 319.
  7. ^ Lewisohn 2005, p. 182.
  8. ^ Abbey Road 2019, pp. 12–13.
  9. ^ Winn 2009, pp. 310–311.
  10. ^ a b c Abbey Road 2019, p. 13.

参考文献

外部リンク


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