自然地理学
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/03/08 02:06 UTC 版)
自然地理学(しぜんちりがく、英語: physical geography)は、自然現象を取り扱う地理学の一部門であり[1]、系統地理学の一部門として位置づけられる[2]。地形、気候、生態系などの地球環境における自然現象を対象とする[3]。
歴史
近代科学としての自然地理学を構築したのはアレクサンダー・フォン・フンボルトである[4]。フンボルトは、地表上の複数の自然現象が相互に関連性をもつこと、相互関係を持つ複数の自然現象が組み合わさって自然が構成されていること、異なる場所同士で比較を行うことを示した[1]。
その後、自然地理学の発展に伴い、個別分野へ分離する傾向がみられた[4]。
他方、自然全体の総合的な理解が求められるようになり、統合学としての自然地理学が再評価された[4]。自然全体の総合的な理解は、地球環境問題など現代社会問題に向き合ううえで重要となっている[5]。
分野
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自然地理学は、気候学、水文学、地形学、土壌地理学、植生地理学などの分野に分けることができる[6]。それぞれの分野は地球科学や環境科学の一分野としての側面ももつが、岩田修二は、同一地点における複数の要素(地形、気候、植生、土壌など)の相互関係から自然環境の様子やその成因を把握していく点を、自然地理学全体で捉えたときの特異性として提示している[7]。
気候学
気候学(きこうがく、climatology)では、気候について研究する[8]。
水文学
水文学(すいもんがく、hydrology)では、地球上の水循環を主な対象とし、水の所在、分布、性質、人間や環境との関わりなどについて研究する[9]。
地形学
地形学(ちけいがく、geomorphology)では、地球の表面上を構成するあらゆる地形の記載・分類・成因などを研究する[10]。地形学は、火山地形学、変動地形学、河川地形学、海岸地形学、氷河地形学などの分野をもつ[10]。
土壌地理学
土壌地理学(どじょうちりがく、soil geography)では、土壌のでき方や分類、空間分布の特徴について研究する[11]。
植生地理学
植生地理学(しょくせいちりがく、vegetation geography)では、植生の空間分布の特徴やそのプロセスについて研究する[12]。
脚注
参考文献
- 岩田修二「自然地理学の存在意義―その本質と特徴―」『地理』第60巻第1号、古今書院、2015年、19-22頁。
- 岩田修二 著「自然地理学の成り立ち」、小池一之・山下脩二・岩田修二・漆原和子・小泉武栄・田瀬則雄・松倉公憲・松本淳・山川修治 編『自然地理学事典』朝倉書店、2017年、4-5頁。ISBN 978-4-254-16353-7。
- 岩田修二『統合自然地理学』東京大学出版会、2018年。 ISBN 978-4-13-022501-4。
- 小池一之、山下脩二、岩田修二、漆原和子、小泉武栄、田瀬則雄、松倉公憲、松本淳、山川修治(編)『自然地理学事典』朝倉書店、2017年。 ISBN 978-4-254-16353-7。
- 福岡義隆「地理学としての気候学を考える」『季刊地理学』第67巻第3号、2015年、196-199頁。
- 松山洋・川瀬久美子・辻村真貴・高岡貞夫・三浦英樹(編)『自然地理学』ミネルヴァ書房、2014年。 ISBN 978-4-623-05866-2。
- 森和紀「水文科学:基礎科学としての水文学」『日本水文科学会誌』第47巻第1号、日本水文科学会、2017年、17-21頁。
- 山下脩二 著「自然地理学の歴史と研究分野・研究方法」、日本地理学会 編『地理学事典』丸善出版、2023年、14-15頁。 ISBN 978-4-621-30793-9。
外部リンク
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