PML体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 15:30 UTC 版)
「前骨髄球性白血病タンパク質」も参照 PML体 (PML小体、PMLボディ、promyelocytic leukemia body) は核質中に分散して存在する球形の構造体で、大きさは約 0.1–1.0 µm である。他の名称が多く付けられており、nuclear domain 10 (ND10)、Kremer body、PML oncogenic domain などとも呼ばれる。PML体の名称は、主要な構成要素であるPMLタンパク質 (promyelocytic leukemia protein) に由来する。核内でカハール体や cleavage body と関連して存在しているのがしばしば観察される。PML体は、核内のはっきりしない超構造である核マトリックス(英語版)に属しており、DNA複製、転写、エピジェネティックなサイレンシングなど、多くの核の機能のアンカーとなって調節を行っていると提唱されている。PMLタンパク質はこのドメインを組織する主要な因子であり、リクルートされるタンパク質の数は増え続けているが、報告されている機能に唯一共通するものはSUMO化である。しかし、PML遺伝子が欠失し核内構造体が形成されないマウスも発生は正常であるため、PML体はほとんどの基礎的な生物学的機能には必要ないことが示されている。
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