PCCPシェル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/27 17:43 UTC 版)
PCCPシェル(Pseudo-Cylindrical Concave Polyhedral Shell)とは、円筒形の構造体。1960年代、三浦がNASAのラングレー研究所に在籍中、極超音速機の胴体の破壊のモデルの研究過程で発見した。このパターンは元々は東京大学教授の吉村慶丸が1950年代に「航空機の胴体の破壊パターン」として見出したものだが(これは現在「吉村パターン」として知られている)、三浦は新たな「構造」として捉え直し、1969年に論文として発表した。 缶の構造として使った場合、従来の缶に使われていた「横ビード」と呼ばれるベローズ構造と比較すると、パネリング強度(缶の凹みにくさ)が3倍もあり、しかも縦方向の加重に対しても充分な強度がある。そのため、同じ強度だと、缶の板厚を薄く、30%軽量化でき、コストに優れるほか、いかにも氷の清涼感をイメージさせるデザイン性もよい。 PCCPシェル構造を用いた缶は、東洋製罐が1990年代に「ダイヤカット缶」として実用化し、現在はキリンの缶コーヒー「Fire」やチューハイ「氷結」などでおなじみのデザインとなっている。 「ダイヤカット缶」は、東洋製罐が特許を保有し、キリンホールディングスが立体商標登録をしている。
※この「PCCPシェル」の解説は、「三浦公亮」の解説の一部です。
「PCCPシェル」を含む「三浦公亮」の記事については、「三浦公亮」の概要を参照ください。
- PCCPシェルのページへのリンク