OSのルーツ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/24 06:53 UTC 版)
DOMAIN/OSのルーツを知るには前OSのAEGIS(エイジス)のルーツを知る必要がある。 AEGISは、ハネウェル社出身のウェリアム・ポドゥカスとプライム・コンピューターから移籍したスタッフとの共同で作られたOSである。アポロコンピュータ社独自のOSであるが、ハネウェル社MulticsとPrimeOSの良い機能を吸収し、拡張・改善して再設計された先進的機能を備えるOSである。AEGISは一貫性のあるコマンド体系や分散ファイルシステム、シングルレベルストア、ダイナミックリンキングなどの先進機能を搭載しているが、UNIXのルーツ (Multics) と関係をもち、また影響を受けたOSでもある。 上記の流れで完成されたAEGISであったが時代の流れとともにUNIXの影響を無視できなくなり、AEGIS SR9.5よりDOMAIN/IXと言う名称でUNIX環境(UNIX SystemV、BSD4.2の両方)をライブラリレベルで提供した。 AEGISが優れた点は、世界初の分散環境OSであり分散ファイルシステムを実装していたことである。1981年にリリースされたDN100という機種は、以下の仕様のハードウェアに分散OSを実現した。 MPU :MC68000 MMU :MC68000 (MMUがなかったので仮想記憶管理用プロセッサとしてMC68000を2個搭載していた) 主記憶 :3.5MB HDD :30MB LAN :Apolloトークンリング (12Mbps) CRT :1024×800 独自にならざるを得なかったのは、ネットワーク環境が現在とは違いTCP/IP(当時仕様策定中)が実装された状態ではないためXNS (Xerox Network Systems) を手本としこの分散環境を実現したためである。 ただし、この上で実現した分散ファイルシステムはパフォーマンスが高く、100台以上接続してもパフォーマンスがほとんど落ちない優れものであった(この時代としては驚異であった)。
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